マレーシア:グローバル・バリュー・チェーン(GVC)への参加で輸出が増加 国際機関日本アセアンセンターが報告書を発行
国際機関日本アセアンセンター(所在地:東京都港区、事務総長:平林国彦 以下、センター)は、「Global Value Chains in ASEAN(ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン)」シリーズ6番目の報告書、マレーシア編を発行しました。本報告書をもって、2017年より順次発行してきた同シリーズの発行が完了しました。同シリーズは、計16本の報告書で構成されており、ASEAN地域全体に関する報告書が1本、ASEAN10カ国を対象としたものが各1本、5つの産業分野(自動車、電機・電子産業、繊維及び衣料品、アグリビジネス及び観光)に焦点を当てた論文が各1本発行されています。センターは2020年10月に報告書「Resilient Global Value Chains (GVCs) for ASEAN and its Relationship with Partner Countries(ASEANにおける強靭なグローバル・バリュー・チェーン(GVC)とパートナー国との関係)」も発行しております。全ての報告書はセンターのWEBサイトからダウンロード可能です。
マレーシアではグローバル・バリュー・チェーン(GVC)への参加により、その輸出量および全体的な生産量が増加しています。報告書によると、1995年以前のマレーシアは、GVCの中間段階付近に集約される最終組立または最終生産工程に特化していたため、創出される付加価値は低い傾向にありました。それ以降マレーシアは、特にサプライチェーンの自動化において関与しうる中小企業に焦点を合わせ、バリュー・チェーンの上層部を目指す政策を導入しました。その結果、マレーシアは海外からの生産要素(インプット)への依存を減らし、他国への輸出、主に電機・電子機器部品の輸出において、国内生産品の使用をさらに推し進めました。他国への輸出に組み込まれるマレーシアの付加価値は、1995年の18%から2019年には29%へと増加しました。これは、マレーシアがGVCにおける低付加価値な活動または後方連関型参加から、より高付加価値な機能分担または前方連関型参加(例えば、洗練された電機・電子部品およびロジスティックス、マネジメント、販売、およびマーケティングなどのビジネスサービスの輸出)へと、徐々にシフトしていることを示す前向きな兆候です。
自国におけるインプットおよびキャパシティーを活用した結果、マレーシアは電機・電子部品およびサブシステムの主要コントリビューターとなり、地域およびグローバルレベルにおいて重要なビジネスサービス・プロバイダーとなりました。1990年当時39%であった輸出に占める海外付加価値は、2019年には36%にまで減少しました。その間マレーシアの輸出における海外付加価値を付けたのは、主にASEAN、中国、日本および米国といった貿易・投資パートナーでした。
デジタル化およびデジタル経済は、中小企業の成長ならびにGVCおよび地域のバリュー・チェーンへの関与を可能としました。本報告書では、マレーシアのGVCを支え強化するデジタル化政策として、キャパシティー・ビルディングおよびベスト・プラクティスの確立に重点を置いたデジタル・インフラ構築の推進およびデジタル・デバイドの是正、熟練労働者の育成、およびデジタル貿易圏への公正な加入を確実にすることを奨励しています。
「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン」マレーシア編はセンターの以下のウェブサイトからダウンロードできます。
(URL) https://www.asean.or.jp/ja/centre-wide-info/gvc_database_paper6/
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正式名称:東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター
ASEAN10ヵ国政府と日本政府により1981年に設立。貿易・投資・観光・人物交流の 4 分野を軸に、ASEAN諸国から日本への輸出の促進、日本とASEAN諸国間の直接投資、観光及び人物交流の促進を通して、日本とASEAN諸国との関係促進に貢献する国際機関です。
URL:https://www.asean.or.jp/ja/
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