全国の書店員さんと本好きが選ぶ新人小説賞 本のサナギ賞 大賞作品!「君のことを思う私の、わたしを愛するきみ。」いよいよ発売!!

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場弓子、本社:東京都千代田区)は、自社が主催する「第3回 本のサナギ賞」の大賞受賞作品『君のことを思う私の、わたしを愛するきみ。』(佐木隆臣著)を8月10日に発売いたします。定価 800 円。

ディスカヴァー・トゥエンティワンが主催する新人賞「第3回本のサナギ賞」の大賞作となります。
多数の応募作品の中から、全国の書店員の方に投票していただき、“今世に出したい新人作家作品”として選ばれた作品です。

▶ 物語の概要
人が愛するのは、肉体なのか。それとも、魂、心、精神なのか。
28歳でこの世を去った井上彩乃は、100年後の未来で見ず知らずの女性「霧恵」の身体に魂を移植され、再び目覚める。最愛の夫と子供はすでに過去の人となった孤独な世界に絶望する彩乃。そのうえ、霧恵の夫である秀と生まれたばかりの霧恵の娘、梢と共に生きることを強いられるのだが―

今から100年ほど未来、「ルドング病」と呼ばれる、魂のみが死滅してしまう奇病が流行する日本が舞台。
ルドング病の唯一の治療法は、過去に死んだ人間の精神を代わりに肉体に入れるというもの。
主人公である井上綾乃は、この治療によって、自身のひ孫である「霧恵」の肉体に魂が移され、再び生を受けます。
自分の知らない未来の世界で、(綾乃からすれば他人である)霧恵の夫の秀や娘の梢と生きていく綾乃。
自分は“綾乃”なのに、“霧恵”として生きていかなければいけない葛藤や、他人である秀に対して警戒心と恐怖心に苦しめられる綾乃が、秀と共に自分のルーツを探っていく物語です。
そして最後に、ある秘密が明らかに―。

優しく文体ながらリズムの良いストーリー展開で、綾乃に「魂が移された」かのように入り込んで読める作品となっています。

▶ 物語の裏テーマ肉体と精神の対比
作品は出版の際にタイトルが変更されており、旧題は「リインカーネーション」というタイトルでした。
リインカーネーションとは、仏教用語で「輪廻」の事を指します。
輪廻とは、肉体の死後あの世に還った魂が、動物や人間の形でこの世に転生することです。

仏教において、(諸説あるようですが、)「魂はあらゆる生命の形で転生するループ(=輪廻)を延々と繰り返しており、煩悩や執着から離れる事が出来た人だけが、そのループを抜け出して悟りの世界へと脱出(=解脱)することが出来る」といわれています。
本作品のルドング病の治療法の設定は、まさに転生そのものが人類の技術で可能になっています。(死んだ魂がどこに行くのか、というのは非常に気になりますが…)
また作品内では、綾乃が、自身の死によって、幼い我が子と離れ離れになった事を心残りに思うシーンが描かれています。
秀や綾乃が自身の亡き最愛の人に対して思いを馳せるシーンも出てきており、“執着”を表す描写が散見されます。(秀の方がやや達観しているように描かれており、綾乃との対比が、物語の深みと後半の盛り上がりに繋がっているように感じます。)
「輪廻」というキーワードを意識して、物語の世界観が構築されていることが分かります。

一方で、仏教の「輪廻」とは考え方の異なる箇所も出てきます。
序章、綾乃の魂が霧恵の肉体に移植された後、綾乃の肉体にも記憶が残っており、“霧恵”の中で互いの記憶を共有する描写が出てきます。また、魂が入れ替わる前と同じ仕草を行ってしまう場面や、身体と心の齟齬など、身体の記憶を描くシーンが何度か登場します。
一般に、記憶は「潜在的記憶」と「顕在的記憶」の2つに大別されるといわれています。
潜在的記憶は、条件反射など無意識でも身体が反応するような記憶を指し、
顕在的記憶は、いわゆる勉強や学習で繰り返し覚えた記憶や思い出などの記憶を指します。
この無意識な反応は、脳の記憶とも解釈できますし、脳以外の部分が判断した反射とも解釈できます。
実際、神経反射には脳を介さない(脳以外に反射中枢を持つ)反射も知られており、「身体の記憶」というのは現在の科学で知られていることでもあります。
一方、仏教(や多くの宗教)にとって、肉体は魂を入れる器でしかないという考えがあり、この描写は仏教的な輪廻の考え方とは異なります。

こういった肉体と精神(の記憶)の対比についての考え方が、作品冒頭の
「人が愛するのは、肉体なのか。それとも、魂、心、精神なのか。」
という一文に集約されており、作品の読み応え以上に深い洞察を与えてくれる作品となっています。
逆にこのような大きなテーマを描きながらも、その重さを感じさせないエンターテイメント性、そして登場人物の細やかな機微の描写の数々は、本作がサナギ賞大賞になるべくしてなったと思わざるを得ません。
是非、いい物語に出会う感動と、物語の深みを本書で味わってください。

【著者プロフィール】
佐木隆臣(さき・たかおみ)
2010年より創作活動を開始。本作(応募時タイトル『リインカーネーション』)にて第3回本のサナギ賞大賞を受賞。名古屋市在住。

【書籍情報】
タイトル:君のことを想う私の、わたしを愛するきみ。
定価:800円(税抜)
発売日:2017.8.10
判型:文庫判・ソフトカバー/288ページ
ISBN:978-4-7993-2160-7
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321607

【販売サイト】
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4799321609/
楽天ブックス:http://books.rakuten.co.jp/rb/15067407/
セブンネット:http://7net.omni7.jp/review/detail/5110414664
ディスカヴァー・トゥエンティワン:http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799321607


【本のサナギ賞とは】
未発売の作品を書店員が審査・投票し「世に出したい」作品を選ぶ「本のサナギ賞」。
大賞作品は、デビュー作として異例の初版2万部で発売します。

2014年に出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンが設立した、作家・書店・出版社が一丸となって取り組む、エンタメ小説新人賞。本が大好きな「本の虫たち」、主に現役の書店員が、「この人の作品を世に出したい」と期待を込める作家を、「本のサナギ」として選考します。大賞作は初版2万部にて書籍化し、「サナギ」から「チョウ」へ、すなわちベストセラー作品をめざします。

▼第4回本のサナギ賞の募集を開始します!
応募資格
本が大好きな「本の虫」であること。プロ作家を目指す方、また本賞によって再デビューを目指す方。

対象
読者の予想を裏切る「どんでん返し」エンターテイメント小説

賞の内容
50万円 (ただし単行本印税のアドバンスとして)。
大賞作品は弊社より出版します。
大賞作以外にも出版、または電子書籍化の可能性があります。

最終選考員
全国の書店員さん
ディスカヴァー・トゥエンティワン社長 干場弓子
全国の「本の虫」のみなさん

締め切り
2018年1月15日(月)
* 当日消印有効。海外からのご応募の場合は、締切日の後1週間以内必着とします。

受賞作発表
ホームページ上にて発表(2018年6月予定)
* 日程は変更される場合があります

応募先
〒102-0093 東京都千代田区平河町 2-16-1 平河町森タワー 11F
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン 『本のサナギ賞』運営事務局

詳細は「本のサナギ賞」ホームページ(http://fictions.d21.co.jp/sanagi/)へ。

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雑誌・本・出版物
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会社概要

URL
http://www.d21.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー 11F
電話番号
03-3237-8321
代表者名
谷口奈緒美
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
1985年04月