「The Quantum Decade」日本語版を公開

量子コンピューティングがもたらす将来のビジネス変革に備える戦略を提示

日本IBM

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、経営層に対して、量子コンピューティングがもたらす将来のビジネス変革に備える戦略を提示する「The Quantum Decade 日本語版」を本日公開しました。また、当社では、お客様の量子コンピューティング活用を推進するサービス・ビジネス開発部門「Quantum Industry & Technical Services(以下、QI&TS)」において、量子コンピューティング活用のための新たなオファリングや、先端技術活用のためのコンサルティング・サービス等を提供します。具体的には、戦略策定から、適応可能性の評価やユースケースの見極め、各種トレーニング、実機を用いた検証・評価の支援、ユースケースの共同開発などを包括的に提供します。代表的なオファリングでは、グローバルで展開している、お客様を量子優位性に導くための「IBM Quantum Accelerator Program」を日本のお客様向けに提供し、これまで当社が培ってきた業界の専門知識との融合により、最適な活用領域や方法を創出します。

「The Quantum Decade 日本語版」はこちら( https://www.ibm.com/downloads/cas/KRWEWO8D )からダウンロードが可能です。

量子コンピューティングの発展や実用化に向け、事業への適用の研究や業界を超えた連携が活発化しています。今後量子コンピューターの性能向上や利用機会の拡大に伴い、量子コンピューティングの特性を理解した上で、新たな応用領域や活用方法の創出が求められています。

本日公開のThe Quantum Decade 日本語版では、IBMの量子分野の専門家が中心となり、量子コンピューティングがもたらす革新への対応や業界別の応用について提唱しています。本レポートでは、量子コンピューティング時代に向けた戦略を以下のように「認識」「準備」「優位性」の3つのフェーズに定義し、それぞれのフェーズでの対応や可能性を示しています。
  • 「認識」は、コンピューティング・パラダイムの変化を認識するフェーズと定義しています。このフェーズでは、データを分析し学ぶ時代から、シミュレーションや予測を通じてより正確なモデルを確立する発見の時代へと変化していることを認識します。
  • 「準備」は、量子コンピューティングを採用した際、自社ビジネスの破壊と革新、量子技術の応用先、それに対応するための土台環境の強化や人材育成の検討フェーズとして定義しています。
  • 「優位性」は、量子コンピューティングが適した応用領域で高効率、低コスト、また高品質で計算タスクを実現できるフェーズを指しています。量子優位性の確立には長い時間を要することもありますが、広範な適用先を積極的に模索することで業界変革を起こすことが可能となります。
また、業界それぞれの課題や量子技術の応用については、「航空」「銀行および金融市場」「化学および石油」「医療」「ライフサイエンス」といった業界において、量子コンピューティングの適用により、従来のシステムでは解決できない課題への対処や、業務プロセスの刷新、製品開発における市場投入サイクルの短縮の可能性を示しています。

例えば「銀行および金融市場」では、「ターゲティングと予測」、「リスク・プロファイリング」、そして「トレーディングの最適化」のユースケースを取り上げています。これらのユースケースでは、量子コンピューターが複雑化する顧客パターンから最適な特徴選択を支援することや、リスクや不確実性の影響分析の計算を高性能かつ短時間で実行する、といったメリットをもたらすことが期待されています。

このように各業界におけるユースケースの探求と実装は、量子コンピューティングの科学的進歩との相乗効果により新たな可能性を広げていきます。

IBMは、2018年にIBM Quantum Network Hub at Keio Universityを開設、2020年に国立大学法人東京大学が創設した量子イノベーションイニシアティブ協議会を支援し、参画企業とともに、量子コンピューティングの研究をリードしています。日本では、サービス・ビジネス開発部門のQI&TSがお客様とのワークショップや実機検証、ユースケースの共同開発を通じ、お客様がいち早く量子コンピューティングを最適な領域で活用できるよう支援していきます。

「The Quantum Decade 日本語版」は、2021年6月に発表した「The Quantum Decade」を日本語化したものです。これらはIBMのビジネス・シンクタンクであるIBM Institute for Business Value(IBV)から発行しています。IBVは、業界の有識者、学者、専門家が持つ知見と、グローバルな調査データとパフォーマンス・データを組み合わせて、テクノロジーとビジネスの接点から導き出された洞察を提供します。IBVのソートリーダーシップ・ポートフォリオには、調査の詳細、ベンチマークとパフォーマンスの比較、および地域、業界、テクノロジー軸でビジネスの意思決定をサポートするデータが含まれています。IBVのレポートはこちらをご参照ください。

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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月