宇宙戦略基金事業「月極域における高精度着陸技術」の補助金交付が決定
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)による宇宙戦略基金事業 第二期において、2026年1月16日に採択を受けた「月極域における高精度着陸技術」について、下記の通り補助金の交付が決定しましたのでお知らせします。
技術開発テーマ: 月極域における高精度着陸技術
技術開発課題: 南極近傍への高精度着陸と通信中継衛星を用いた極域でのペイロード活動支援
補助金交付決定額: 116億円*¹
*¹ 支援上限額は最大200億円で変わりありません。今後ステージゲート審査等により変動し得る数字であるため、全額を受領することが現時点で確定するものではありません。
米国を中心に、現在月を取り巻く環境は大きく加速しています。昨年12月に発表された、2030年までの月面基地建設に関する大統領令に続き、4月には2028年までに20回、向こう10年の間に70回を超えるNASAによる月面着陸ミッション計画が明らかになりました。月南極近傍(高緯度域)の永久影領域には特に、水資源が存在する可能性が高いとされ、これらの地点への高精度着陸を可能にすることは、今後の資源探査やインフラ構築に大きく貢献することが期待できます。
ispaceは経済産業省によるSBIR補助金を活用して開発を進める月着陸船、ULTRAランダーを用いて2028年にミッション3を実施いたします。その後、同ランダーによる科学的・経済的価値の高い、月南極近傍への安定的な高精度着陸技術の獲得を目指し、2029年にミッション4を実施いたします。
なお今回、月南極近傍という、月でも極めて難易度が高い領域で技術実証をすることで、月面におけるその他の多様な地形・地点への高精度着陸にも応用が可能です。例えば、中緯度に存在する「縦孔(Lunar Pit)」と呼ばれる地下空洞は、将来的な居住空間としての活用や地下資源の観点から注目されており、その付近への高精度着陸は新たな開発につながる可能性があります。
またミッション4では、ランダーの長期運用技術の実現にも取り組む予定です。過去、ミッション1およびミッション2では、ランダーの活動は太陽光が当たる月の昼の時間帯(=約14日間)に限定されましたが、ミッション4では、月面での「越夜」技術の開発に向けた重要なステップとして、南極域における白夜のような昼夜問わず水平方向から太陽照射が期待される環境下にて、長期運用(14日以上)を実施することを目指します。
さらに、ミッション4では月周回軌道に通信中継衛星の投入を予定しており、複数衛星によるコンステレーション化やデータ中継の「ルナ・コネクトサービス」提供も含め、月面での活動を支える通信インフラの基盤構築を目指してまいります。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「このたび、宇宙戦略基金事業における補助金交付が決定したことを大変光栄に思います。ランダーの月南極近傍への高精度着陸技術や長期運用技術、通信インフラの構築は、将来の持続的な月面活動を支える重要な基盤となります。ispaceは今後も、月面輸送とインフラ構築を通じて、さまざまな課題に挑戦し、シスルナ経済圏の発展と人類の活動領域の拡大に貢献してまいります。」
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経済産業省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」によるミッション3の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指すミッション4の打ち上げを予定している。
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i 当該打上げ時期については2026年8月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年8月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
ii 2026年8月時点
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