耐力壁に進化した「MGEO-N」、構造耐力として運用開始
建物の変形を最大約1/2に軽減する木造軸組住宅用制震装置
○ 第三者機関から技術評価を受けた「MGEO-N」を耐震木造住宅「MJ Wood」に標準搭載
○ 省エネルギー化促進に伴う木造建築物の重量増加に対応する、耐震性向上に寄与
○ 構造耐力算入により内部壁量削減が可能となり、プランニングの自由度をあげ開放的な空間を実現

ミサワホーム株式会社(代表取締役社長執行役員 作尾徹也)は、木造軸組住宅用の制震装置「MGEO -N」において、一般財団法人建材試験センターより、耐力壁の構造性能を示す「短期許容せん断耐力の技術評価」で12.0kN(壁倍率9倍相当)※1の評価を取得しました。当技術評価に基づき、制震装置「MGEO-N」を構造耐力に算入※2する運用を2025年3月から開始します。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、建築物の省エネルギー性能が求められるなかで、断熱性能の向上や階高の引き上げ、サッシガラスの複層化、太陽光発電設備の設置などにより、木造建築物は従来に比べて重量化が進んでいます。これに伴い、木造建築物の耐震性や安全性の確保が必要となっています。
ミサワホームが2007年に販売を開始した制震装置「MGEO-N」は、高減衰ゴムを利用した木造軸組住宅用の制震パネルで、建物の変形を最大約1/2に軽減でき、繰り返す余震にも効果を発揮するため、構造体の損傷はもちろん内装材の損傷も抑えます。2018年からは耐震木造住宅「MJ Wood」に標準搭載しています。このたびの技術評価取得により耐力壁としての性能が認められ、許容応力度計算による構造確認を行った場合に構造耐力算入が可能※3となったことで、これまで以上に自由な設計や開放的な空間を実現します。
ミサワホームは平常時の快適な暮らしを届けつつ、頻発・激甚化する自然災害から命を守り、その後の生活を支える安全な住まいを提供してきました。今後もさらなる安全・安心な暮らしを提供するための技術開発に取り組みます。
■制震装置+耐力壁「MGEO-N」の特徴
1.高い制震性と耐震性
木造軸組住宅用の制震装置「MGEO-N」およびMGEOシリーズの木質系工業化住宅用制震装置「MGEO」は、1階内壁に2か所配置※4することで高い制震性を発揮する制震パネルです。地震などの建物を変形させる力をテコの原理で増幅させ、センターパネルが地震エネルギーを内部の制震ダンパーに伝えて、制震ダンパー部の高減衰ゴムが地震エネルギーを熱エネルギーに変換・吸収し、揺れを抑えます。高減衰ゴムは住友ゴム工業株式会社が培ってきたレーシングタイヤの開発技術を応用して開発されており、促進劣化試験※5では、約100年相当の高い耐久性を確認しています。
「MGEO」は2006年に建築基準法に基づく型式適合認定において構造耐力壁として評価を受けています。今回「MGEO-N」においても短期許容せん断耐力の技術評価を取得し、耐力壁としての性能が第三者機関から評価を受けました。これまで「MGEO-N」の設置が困難だった、間取りの制限がある3階建ての狭小住宅や、多くの耐力壁が求められる多雪地域の住宅にも設置ができ、より多くのお客さまに対してさらなる安全・安心な住まいを提供することが可能になりました。

2.内部壁の削減によるプラン自由度拡大
「MGEO-N」を構造耐力に見込むことで、内部壁量を削減することができ、プランニングの自由度が向上します。家族のコミュニケーションを育む開放的なリビングや、家事をより効率的にして食事を楽しめる連続するダイニングキッチンなど、開放的な空間から豊かな暮らしを実現します。

※1 短期許容せん断耐力17.7kN/m
※2 許容応力度計算による構造確認を行った場合に限ります
※3 建物規模などにより構造耐力算入できない場合がございます
※4 建物規模によって異なります
※5 住友ゴム工業㈱の促進劣化試験の結果による(高減衰ゴムダンパー部分)
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