【令和5年度】国家予算トレンドとデータで見る官公庁入札
〜国家予算の3大ポイントと今年度の入札傾向を解説・分析〜
※本調査は、全国の官公庁・自治体・外郭団体をはじめとした8,300機関から公示される入札案件を収集した「NJSS」の情報を元とした独自調査です。
https://research.njss.info/research/992201
2023年3月28日、令和5年度の国家予算が成立しました。今年度の一般会計総額は、過去最大の114兆3,812億円に達しました。
政府は令和5年度予算を、「歴史の転換期を迎える中で、国内外の重要課題に取り組み、未来を切り拓くための予算」と位置づけています。この予算は、我が国が直面する課題に対する解決策を見出し、持続的な発展を推進していくために注力される内容となっています。
参考:財務省「令和5年度国家予算政府案」
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2023/seifuan2023/index.html
参考:財務省「令和5年度予算のポイント」
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2023/seifuan2023/01.pdf
入札リサーチセンターが特に注目した分野は、以下の3つです。
①こども政策
②DX・地方創生
③GX・エネルギー
これらの分野に関連するキーワードに基づいて公示されている入札案件を、入札情報速報サービス「NJSS」(https://www2.njss.info/)に登録されている案件情報から抽出し、入札リサーチセンターが調査・分析しました。
本レポートでは、その結果を報告するとともに、今年度の各カテゴリの入札動向を解説いたします。
■調査概要
【対象機関】
国・省庁、地方公共団体、外郭団体など、全国8,300機関
【集計期間】
案件公示日が2022年5月1日~2023年4月30日の案件を対象
※入札情報速報サービス「NJSS」で収集した案件情報に限る
【調査内容】
・各分野のカテゴリ別「公示案件数」
・各分野の主要キーワード「入札形式別 案件割合」
・各分野のカテゴリ別「案件例」「落札金額」
【①こども政策】
保育・子育て支援に関する案件や、いじめ対策・教室の運営など様々な規模の案件が公示されています。
▼公示案件数
公示案件数は、「保育」に関連する案件が3,102件と1位に。
▼入札形式別 案件割合
子育て支援においては、半数以上が”随意契約”による案件である一方で、保育・児童保育カテゴリでは約半数の案件が競争性を持つ公示となっています。
▼合計落札金額
落札金額は、公示案件数と同様に「保育」カテゴリが1位に。「保育」カテゴリの落札案件の一例として、保育園の新設工事や放課後児童クラブの運営などがあります。
また、子育て支援は重要な施策であり、予算の割り当ても大きくなっている傾向が見られます。
【②DX・地方創生】
DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務デジタル化、業務自動化に関連する案件が多数公示されています。
▼公示案件数
公示案件数は、「DX」に関連する案件が1,373件と1位に。
▼入札形式別 案件割合
競争性のある入札形式が多くを占めています。
「業務自動化」「クラウド」カテゴリにおいては価格勝負の一般競争入札の案件が多く公示されています。
▼合計落札金額
落札金額では、「クラウド」カテゴリが1位に。
「クラウド」カテゴリの案件では、クラウドシステムの構築や運用保守など、大規模な案件が多く見られます。DX・地域創生の分野では、自治体によるDXの推進が背景となり、案件数や落札金額が年々増加しています。
【③GX・エネルギー】
「脱炭素」「カーボンニュートラル」など、GXに関連するキーワードで多くの案件が公示されています。
▼公示案件数
公示案件数は、「エコ」に関連する案件が2,393件と1位に。
▼入札形式別 案件割合
全体的に競争性のある入札形式が多くを占めています。
価格勝負の一般競争入札の案件が多く公示されています。
▼合計落札金額
落札金額では、「脱炭素」カテゴリが1位に。
数百億円という大規模な入札案件が複数公表され、これにより「脱炭素」カテゴリの合計落札金額に大きな影響が生じました。
<案件例> 入札情報速報サービス「NJSS」より
案件名:グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用 高炉を用いた水素還元技術の開発 外部水素や高炉排ガスに含まれるCO2を活用した低炭素化技術等の開発
https://www2.njss.info/offers/view/21756728落札金額:48,342,590,100円
■入札リサーチセンター センター長 杉山 純一 コメント
今年度の国家予算から、入札リサーチセンターが特に注目した分野が「こども政策」「DX・地域創生」「GX・エネルギー」の3つの分野です。
「こども政策」に関しては、特に注力している子育て支援に関する案件が増加傾向にあります。
2023年4月に発足した「こども家庭庁」の予算は総額4兆8104億円。政府は少子化対策に力を入れ、こども・子育て政策の実行を強調しており、これに伴い入札においても高い注目が集まっています。(※1)
今後、ますます「子育て」関連の入札案件が増加していくことが予想され、令和5年度の注目分野となりそうです。
(※1)入札マーケット動向マンスリーレポート[2023年01月度]
(https://research.njss.info/research/1325/)
入札案件 検索キーワード ランキングにて、11位に「子育て」がランクイン。
2023年1月に登録された「子育て」関連の入札案件は、前年比115%と増加。
「DX・地域創生」に関しては、「25年の崖」問題が迫っていることから、国全体で業務のデジタル化・効率化の動きが盛んになっています。この動向は官民を問わず広まっています。
また、AIシステムの開発・導入に関連する案件も直近で注目が高まっており、増加傾向にあります。
「DX」「デジタル」というキーワードを用いた入札案件の検索数も増加しており、注目度の高さがうかがえます。(※2)
(※2)入札マーケット動向マンスリーレポート[2023年03月度]
(https://research.njss.info/research/992149/)
入札案件 検索キーワード ランキングにて、13位に「デジタル」、16位に「DX」がランクイン。
「GX・エネルギー」の分野では、予算の多くが「脱炭素」「カーボンニュートラル」「エネルギー」カテゴリに割り当てられています。
これは、エネルギー基本計画やグリーン成長戦略など、原発依存から再生可能エネルギーへの移行を加速させる方針に取り組んでいることを示しています。
さらに、クリーンエネルギー戦略を通じた温暖化対策を経済成長に結び付ける方針も掲げられており、これらの取り組みが引き続き大きなトレンドとなっています。
入札リサーチセンターは、このように入札情報速報サービス「NJSS」で収集している過去15年間に及ぶ2,000万件以上の入札データを元に調査・分析をしていることを強みとしています。入札に関するデータ・傾向を広く共有し、入札の透明性を高めることで受注機会の増大をはかり、その結果として、今後も経済や社会の活性化に貢献し、豊かで持続可能な社会を目指してまいります。
【うるるグループ 概要】株式会社うるる(https://www.uluru.biz/)
設立:2001年8月31日
所在地:東京都中央区晴海3丁目12-1 KDX晴海ビル9F
代表者名:星 知也
事業内容:
◆CGS(Crowd Generated Service)事業 ※CGSとは、クラウドワーカーを活用したうるる独自のビジネスモデル
・電話取次サービス「fondesk(フォンデスク)」
・入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」「nSearch(エヌ・サーチ)※1」
・幼稚園・保育園向け写真販売システム「えんフォト」
・出張撮影サービス「OurPhoto(アワーフォト)※2」
◆クラウドソーシング事業
・プラットフォーム「shufti(シュフティ)」の運営
◆BPO事業 ※3
・総合型アウトソーシング
・高精度のAI-OCRサービス「eas(イース)」
・障害者雇用トータル支援サービス「eas next(イース ネクスト)」
※1 株式会社ブレインフィードにて運営
※2 OurPhoto株式会社にて運営
※3 株式会社うるるBPOにて運営
■サービスに関するお問い合わせ先
株式会社うるる 担当:長田
E-Mail:njss-research@uluru.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像