【製造業の技術探索に関する実態調査】製造業の“2026年問題” 国内回帰の必要性高まるも、55.6%が技術パートナー探索に自信なし
「人脈・展示会」頼みの構造課題が明らかに
技術と企業をつなぐプラットフォーム事業を展開するリンカーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:加福秀亙、以下リンカーズ)は、製造業で研究開発に従事する1,078人を対象に「製造業の技術探索に関する実態調査」を実施しました。
■調査背景
国内製造業において、地政学リスクへの対応や研究開発税制改正などを背景に、「国内回帰」への外部環境の変化が強まっています。こうした状況の中、企業にはこれまで以上に迅速かつ高度な国内技術探索能力が求められています。
しかし、本調査の結果、研究開発従事者の55.6%が「国内で適切な技術パートナーを見つけることに自信がない」と回答しました。その背景には、「技術力・実績の不透明さ」といった情報の非対称性や、「人脈・展示会依存」といった属人的な探索手法など、個々の担当者の努力だけでは解決が難しい構造的課題が存在していることが浮き彫りとなりました。
また、令和8年度(2026年度)に予定されている研究開発税制改正についても、74.1%が「全く知らなかった」と回答しており、政策環境の変化と現場の認識との間にギャップがある実態も明らかになっています。
日本の製造業が国際競争力を維持・強化していくためには、従来の「人脈」や「偶発的な出会い」に依存した探索から脱却し、技術情報を体系的に可視化・比較・検討できる“技術探索のインフラ化”が重要なテーマになると考えられます。
本調査は、こうした政策と現場の間に横たわる「探索の壁」の実態を明らかにし、今後の研究開発連携の在り方を提示することを目的として実施しました。本リリースでは、制度環境の転換期を迎える中で製造業が直面する構造課題を「製造業の2026年問題」と定義しています。
■調査結果サマリー
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国内での研究開発・産学連携の必要性が高まっていると感じる研究開発従事者は55.1%
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令和8年度研究開発税制改正、研究開発従事者の74.1%が「全く知らない」
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国内で適切な技術パートナーを見つけられる自信、「ない」が55.6%
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技術探索はいまだ「人脈・紹介」「展示会・イベント」が主流――技術力が見えにくい探索手法の限界
■調査概要
調査主体:リンカーズ株式会社
調査実施機関:株式会社インテージ
調査方法:インターネット調査(マイティモニターより抽出)
調査実施期間:2026年1月23日~1月28日
調査地域/対象者条件:全国、業種:製造業 部門:開発・研究
サンプルサイズ:1,078人
■調査結果
国内での研究開発・産学連携の必要性を「感じている」研究開発従事者が55.1%
今後、海外委託よりも国内で研究開発および大学との共同研究・開発を進める必要性について尋ねたところ、「非常に感じる」5.8%、「ある程度感じる」49.3%と、合計55.1%が必要性を感じていると回答した。一方で、「あまり感じない」(33.7%)、「全く感じない」(11.2%)は計44.9%となった。
地政学リスクの高まりやサプライチェーンの再構築、技術流出への懸念などを背景に、研究開発活動の国内回帰や国内連携強化への意識が広がっていることがうかがえる。特に大学との共同研究など、国内における知の連携を重視する動きは今後さらに加速する可能性がある。
一方で、約4割が必要性を強く感じていない点も注目される。国内回帰の流れは生まれつつあるものの、その具体的な実行手段や連携のあり方については、依然として模索段階にある企業も少なくないと考えられる。

令和8年度研究開発税制改正、研究開発従事者の74.1%が「全く知らない」と回答
令和8年度の研究開発税制改正について認知状況を尋ねたところ、「全く知らなかった」と回答した研究開発従事者は74.1%にのぼった。「名前だけ知っていた」(14.2%)、「概要は知っていた」(9.6%)、「内容まで理解していた」(2.0%)と回答した層を合わせても、改正内容を具体的に把握している層は限定的であることが明らかとなった。
本改正では、「戦略技術領域型」の創設による試験研究費の税額控除や、海外委託研究の減税縮小など、国内での研究開発を後押しする制度的な環境整備が進められている。しかしながら、実際の研究開発現場においては、こうした制度改正の内容が十分に浸透していない実態が浮き彫りとなった。
国内回帰や産学連携の重要性が高まる中で、制度面での支援策と現場の認識との間にギャップが存在していることは、今後の情報発信や支援体制の在り方を考える上で重要な示唆を含んでいる。

国内で適切な技術パートナーを見つけることに「自信がない」研究開発従事者が55.6%
国内で適切な技術パートナーを見つけられる自信について尋ねたところ、「自信がある」5.4%、「やや自信がある」39.0%にとどまり、「あまり自信がない」49.3%、「全く自信がない」6.3%と、合計55.6%が自信がないと回答した。
前項で示されたように、研究開発の国内回帰や産学連携強化の必要性を感じる声は半数を超えている。一方で、実際に適切なパートナーを探索・選定できるかという点では、多くの研究開発従事者が不安を抱えている実態が明らかとなった。
国内連携の重要性が高まるなか、技術力や実績を適切に把握できる情報基盤や、効率的に候補先へアクセスできる仕組みが十分に整備されていないことが、探索の難しさにつながっている可能性がある。国内回帰の流れを実効性あるものにするためには、パートナー探索の高度化・効率化が重要なテーマとなりそうだ。

国内技術パートナー探索の最大の課題は「技術力・実績がわかりづらい」46.6%
国内で技術パートナーを探索する際の課題について尋ねたところ、最も多かった回答は「技術力・実績がわかりづらい」(46.6%)であった。次いで「探索に時間がかかる」(29.6%)、「自社の研究や技術内容に関する情報漏洩の懸念」(27.8%)、「自社の要件が整理されていない」(26.3%)が続いた。
特に、「技術力・実績がわかりづらい」という回答が約半数にのぼった点は、国内に優れた技術を持つ企業が存在していても、その情報が十分に可視化・整理されていない可能性を示している。探索に時間がかかるという回答も約3割に達しており、効率的なマッチング環境が整備されていない実態が浮き彫りとなった。
また、「人脈・展示会に依存している」(25.0%)や「網羅的な探索手段がない」(24.2%)といった回答からは、探索手法が依然として属人的・断片的であることもうかがえる。国内回帰の流れが強まる中で、技術情報の透明性向上と、効率的かつ体系的にパートナー候補を比較・検討できる仕組みの整備が求められている。

技術探索は「人脈・紹介」57.6%、「展示会・イベント」57.4%が主流
現在の技術探索手段について尋ねたところ、「人脈・紹介」(57.6%)、「展示会・イベント」(57.4%)が最も多く、いずれも過半数を占めた。次いで「既存ネットワーク」(39.9%)、「Web探索」(37.6%)が続いた。
一方で、「マッチングプラットフォーム」を活用していると回答したのは8.1%にとどまり、技術探索のデジタル化はまだ限定的であることが明らかとなった。また、「特に体系だった方法はない」と回答した層も14.4%存在しており、探索活動が必ずしも戦略的・組織的に行われていない可能性も示唆される。
これらの結果から、国内連携の必要性が高まる一方で、探索手法は依然として属人的なネットワークや対面型イベントに依存している実態が浮き彫りとなった。情報の網羅性や比較検討の効率性という観点では、改善の余地が大きいと考えられる。

連携先に求めるのは「スピード」49.9%、「独自性」46.1%
国内で研究開発において他社・機関と連携する際に期待することについて尋ねたところ、最も多かったのは「スピード感のある開発」(49.9%)であった。次いで「独自性・競争優位性のある技術の提案」(46.1%)、「状況に応じた柔軟な対応・開発」(45.1%)が続いた。
この結果から、単なる外注先としての機能ではなく、迅速かつ付加価値の高い技術提案ができるパートナーが求められていることがうかがえる。特に市場環境の変化が激しい中では、開発スピードが競争力に直結するとの認識が強まっていると考えられる。
一方で、「コミュニケーションの容易さ」(34.7%)や「品質信頼性」(32.4%)も一定の割合を占めており、技術力だけでなく、実行段階での連携のしやすさや安定性も重視されていることが明らかとなった。
国内回帰の流れが進む中、企業は“速さ”と“独自性”を重視した戦略的連携を志向していることが示唆される。

■リンカーズの見解
本調査結果は、制度環境の変化と現場の実行基盤との間にギャップが存在していることを示しています。国内回帰の流れを実効性あるものとするためには、技術情報を体系的に可視化し、迅速かつ客観的に比較・検討できる環境の整備が重要であると考えています。
当社では、こうした課題を解決するための新たな技術探索基盤の構築に取り組んでおり、今後も国内研究開発連携の高度化に向けた取り組みを進めてまいります。
【会社概要】
会社名:リンカーズ株式会社
所在地:〒108-0073東京都港区三田三丁目5番19号 住友不動産東京三田ガーデンタワー29階
代表者:加福 秀亙
設立:2011年9月
上場市場:東京証券取引所 グロース市場(証券コード 5131)
事業内容:ビジネスマッチング事業、リサーチ事業、他
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