リアルテックファンド、脳と臓器を護る高分子医薬品創薬を行うCrestecBioへの出資を実施

UntroD Capital Japan株式会社(所在地:東京都港区、代表:永田 暁彦)が運営するリアルテックファンド* は、高分子医薬を用いた脳・臓器の再灌流障害からの神経保護薬開発を目指すCrestecBio株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役:丸島愛樹、以下「CrestecBio」)へ投資を実施したことをお知らせ致します。CrestecBioは今回の調達資金をもとに、急性期脳梗塞における脳動脈閉塞の再開通に伴う神経障害(以下「再灌流障害」)からの保護薬「CTB-211」の開発を進めていく計画です。
企業概要
CrestecBioは筑波大学数理物質系の長崎幸夫教授による、ミセルを形成することによって粒子様の形態をとり、活性酸素消去能をもつ高分子ポリマー製造の技術をベースとして、同大医学部医療系の丸島愛樹准教授らによって設立された創薬スタートアップです。急性期脳梗塞に対する治療は血栓除去による血流再開通法が広く導入されていますが、血流再開に伴う過剰な活性酸素が引き起こす再灌流障害は患者さんの予後に大きな悪影響をもたらしています。当社は血中で高い安定性を維持し、再灌流障害部位において特異的に薬効を発揮する、活性酸素除去剤を内包した独自構造を持つ薬剤を軸に、急性期脳梗塞や臓器移植時の再灌流障害を抑制する保護薬の開発を目指しています。
資金調達の目的と使途
CrestecBioはリアルテックファンドから出資を受け、1.5億円の資金調達を行いました。本資金は、急性期脳梗塞の血流再開に伴う再灌流障害障害からの神経保護薬の製造、並びに非臨床試験費用に充当をされる予定です。
担当者コメント
機械的血栓回収療法の浸透により、従来は救うことが出来なかった多くの急性期脳梗塞の患者さんが救命可能となりました。しかしながら、救命のための血栓除去によって生じる再灌流障害抑制は依然として困難であり、血栓回収療法を受けた患者さんの約8割が何らかの機能障害を負っています。厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、急性期脳梗塞を含む脳血管障害は国内介護原因において認知症に次ぐ第二位とされており、2022年の関連する医療費は1.8兆円と言われています。患者さんご本人やご家族の社会生活、また社会全体に対しても大きな影響を及ぼす急性期脳梗塞の再灌流障害低減の実現を目指し、リード投資家として支援をして参ります。
(UntroD Capital Japan株式会社 グロースマネージャー 三井 善夫)
*正式名称:「リアルテックファンド4号投資事業有限責任組合」
CrestecBio株式会社について
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設立年月:2021年12月
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所在地:茨城県つくば市吾妻二丁目5番地1
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代表者:丸島愛樹
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資本金:850万円(現在、7,500万円にて修正中)
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事業内容:高分子を用いた医療用医薬品開発
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公式サイト:https://crestecbio.com
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出資時期:2025年11月
UntroD Capital Japan株式会社およびリアルテックファンドについて
UntroD Capital Japan(アントロッドキャピタルジャパン)株式会社は、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーを有するディープテック・スタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を2015年に設立し、シード・アーリーステージのスタートアップへのリード投資およびハンズオン支援を行ってきました。現在までに、リアルテックファンド1号~4号(日本ファンド)、リアルテックグローバルファンド1号・2号(グローバルファンド)、リアルテックグロースファンド1号(日本ファンド)、およびクロスオーバー・インパクトファンド(日本ファンド)を運用し、運用総額は400億円以上に達しています。社会に必要とされながら資本が流れにくい未踏領域に誰よりも最初に踏み出し、その経済性を証明することで資本や人材が供給され続ける持続的な仕組み創りを目指す、その意志をより一層体現するため、「未踏」を意味する「UntroD」を社名として掲げ、2024年6月に再始動しました。
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UntroD Capital Japan株式会社
広報担当:成田
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