【JCMプロジェクト第 4 弾】Green Carbon株式会社は、フィリピン ビサヤ諸島 レイテ州において水田由来のJCMクレジット創出プロジェクトを開始
4万ヘクタールの水田ポテンシャルを活用し、10年間で約100万トンのカーボンクレジット創出を目指す
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(読み:グリーンカーボン))はこの度、 フィリピンビサヤ諸島に位置するレイテ州とJCM(二国間クレジット制度※1)の方法論「水田の水管理方法変更によるメタンガス排出削減」を活用したカーボンクレジット創出プロジェクト(以下、本プロジェクト)の開始のためMoUを締結したことをお知らせします。
本プロジェクトは、レイテ州の対象水田圃場にAWD(間断灌漑※2)を導入し、メタンガス排出量の削減を目指すものです。2025年1月からパイロット実証を開始しており、6月より約1000ヘクタールの水田にてプロジェクト開始を予定しております。今後3年以内に同州の灌漑水田全域となる約4万ヘクタールまで規模を拡大し、今後10年間で合計約100万トンのカーボンクレジット創出を目指します。
レイテ州を含め数年以内に、フィリピン全土の灌漑水田面積の半分強に相当する100万ヘクタールでのプロジェクト展開を目指します。

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◆レイテ州とのMoU締結の背景
Green Carbonは、東南アジアを中心に自然由来のカーボンクレジット創出に取り組んでおり、森林保全、水田、マングローブ植林、牛のゲップ削減、バイオ炭プロジェクトなど幅広い分野でのプロジェクトを展開しています。各地域の自然資源の特性に適したカーボンクレジット創出プロジェクトの開発を行うとともに、衛星データを活用した適地選定とモニタリングにより、効率的かつ透明性の高いプロジェクト運営を実現しています。
フィリピンの農業分野における温室効果ガス(GHG)排出量は年間約5,400万トンに達します※3。そのうち水田からの排出量は約1,300万トン(農業由来の約25%※4)を占めており、排出量の削減が求められています。このような状況を背景として、Green Carbonは2023年度より、現地研究機関と連携し、AWDを活用した水田からのメタンガス排出量削減プロジェクトの開発に着手しました。
本プロジェクト実施地であるレイテ州は、主要な産業を稲作とする地域です。十分な降水量、肥沃な平野という気候・土地条件を背景に、約8万ヘクタールの広大な水田から、年間約350トンの米を生産しています。※5
本プロジェクトは、ビサヤス州立大学※6との協力のもと、メタンガス排出量の計測・解析を通してプロジェクトの有効性を検証しつつ遂行され、フィリピン政府の排出削減戦略に沿った、持続可能な農業の発展と環境負荷低減の両立を目指します。

◆レイテ州レイテ州農業局長
〇Imelda Sievert氏のコメント
プロジェクト始動に先立ち、Green Carbonはレイテ州農業局を訪問しました。レイテ州農業局長は本プロジェクトへの期待を表明しました。「Green Carbon社との協力は、環境への追加的な負担なく、気候変動リスクへの脆弱性を最小限に抑え、収穫に影響を与えない稲作技術を求めるレイテの農家にとって、時宜を得た取り組みである」とコメントし、プロジェクト実施に対する前向きな姿勢を示しました。
○フィリピン レイテ州農業局 公式FaceBook政府投稿URL
◆JCMクレジットの活用方法について
2025年2月初旬、日本・フィリピン間のJCMにおいて、世界初となる水田からのメタン排出量削減に関する方法論が承認されました。本方法論に基づくプロジェクト登録により、フィリピンにおける環境負荷低減と生産性向上に寄与する農業実践が可能となり、同時に日本のGHG排出量削減にも貢献することができます。
日本では、JCMクレジットがGX-ETS※7上で企業の排出量報告超過分の削減に適用可能となることが決定し、その需要は今後さらに高まると予想されています。また、東証カーボン・クレジット市場での取引も検討されており、取引の流動性向上も期待されています。Green Carbonは、このような状況を踏まえ、プロジェクトの経済性を確保しつつ、フィリピンと日本両国の脱炭素化に貢献することを目指します。
◆今後の展望について
Green Carbonは、本プロジェクトを通じてフィリピン国内でのAWD導入を加速し、脱炭素に寄与する農業実践と農家の利益の拡大を目指します。既にプロジェクトが進行中のブラカン州、バタンガス州、ヌエバシハ州を含め、今年中にフィリピン国内16州で同様のプロジェクト実施を予定しており、2030年までにフィリピン全土で約100万ヘクタールの水田への段階的な展開を計画しています。また、日本・フィリピン間JCMにおける水田方法論の承認を契機として、他のパートナー国においても方法論策定を推進し、東南アジア諸国におけるプロジェクト開発を先導してまいります。
※1:二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)
JCMとは、日本が有する優れた脱炭素技術等の普及を通じて、パートナー国の温室効果ガス排出削減に貢献し、その削減分を両国の削減目標の達成に活用する制度です。フィリピンは2017年1月に日本とJCMを開始しており、両国間でプロジェクトの実施が可能となっています。
※2:間断灌漑
間断灌漑(AWD)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
※3:フィリピンの農業分野における年間GHG排出量約5,400万トン
参照:フィリピン環境天然資源省(2023)
※4:フィリピンにおける水田由来のGHG排出量約1,300万トン
参照:Journal of Food, Agriculture and Environment(2016)
※5:レイテ州水田面積および米生産量
参照:Philrice Ricelytics (2024)
https://www.philrice.gov.ph/ricelytics/productions/province/50
※6:ビサヤス州立大学(Visayas State University)
ビサヤ州立大学は、1924年に設立されたフィリピンの公立大学です。前身が農業大学であり、現在まで農業技術の研究と普及に注力しています。メインキャンパスはレイテ州ベイベイにあり、長年、作物と家畜の生産、作物保護、植物育種、収穫後技術、食品加工、バイオテクノロジーの分野で多様な革新を生み出してきました。
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都港区赤坂5-2-33IsaI AKASAKA607
設立 :2019年12月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンとして掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジット創出・登録・販売までを一気通貫してサポートする事業を展開しており、その他にも、農業関連事業、研究開発事業、ESGコンサルティング事業なども展開しております。
事業展開領域は日本、東南アジアを中心にオーストラリア、南米まで拡大しており、自然由来のカーボンクレジット(水田、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、牛のゲップなど)を創出しています。国内の水田においては、2023年度日本初・最大級(約6,220t)で水田のJ-クレジットの認証を取得しており、2024年度は約40,000ha(約80,000t)に拡大していく予定です。また、クレジット登録・申請・販売までをワンプラットフォームで完結するサービス「Agreen(アグリーン)」を提供しており、クレジットの申請登録時にかかる手続きや書類作成などを簡略化し、クレジット創出者の工数を削減しています。
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