FromプラネットVol.212<値上げに関する意識調査>

物価「値上がりしていると感じる」が約9割 ~消費者感覚では1年半前と比べて相当な悪化~

プラネット

 国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:坂田政一) は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第212号として、値上げに関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータ提供や当社担当者が解説を差し上げることもできますので、お気軽にお問い合わせください。
※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示しています。そのため、内訳の合計と表示値が異なる場合があります。


  • 日用品・化粧品の値段「とても値上がりしていると感じる」が半数超え

 最近、モノやサービスの値上げに関するニュースが盛んに聞かれます。そこで今回は、消費者の値上げについての意識調査を実施しました。
 この1年で、あなたが使用している日用品・化粧品の値段に変化を感じるかを聞くと(図表1)、「とても値上がりしていると感じる」は53.8%、「少し値上がりしていると感じる」(32.8%)を合計すると86.6%でした。男性は50〜70代以上が、女性は40〜60代以上がほかの年代よりも高い割合になっています。

 プラネットが過去に行った調査と比較すると(図表2)、「とても値上がりしていると感じる」は、2022年1月ではたったの6.2%でした。それが同6月には30.0%に急上昇し、今回の調査では53.8%と過半数を超えました。「少し値上がりしていると感じる」との合計を見ると、45.5%→78.0%→86.6%と変化しています。
 今回、「現在、家計が苦しいと感じているか」も質問しましたが(図表不掲載)、「苦しいと感じている」が44.2%でした。ほかにも要因は考えられるものの、値上げの影響も家計に大きなダメージを与えているのではないでしょうか。

  • ガソリンや外食費、9割近くが意図的に支出を減らした

 「ガソリン」「外食費」「日用品・化粧品」「水光熱費」「食料品」のそれぞれについて、意図的に支出を増やしたか、減らしたかを聞きました。それぞれの項目について、支出を減らしたと回答した人をまとめたのが図表3です。
 結果、男女であまり差はなく、「ガソリン」は88.7%、「外食費」は88.6%と9割に迫る人が意図的に支出を減らしたと回答しています。
 5項目のなかで最も割合が低い「食料品」でも73.9%の人が支出を減らしたと回答しています。
 のちほど自由回答でも紹介しますが、ガソリンについては、さまざまな税金が課せられているうえに消費税が課税されている、いわゆる「二重課税」について不満に感じている人が多いようです。

  • 貯金・節約の意識は?

 商品の値上げを受けて、「これまでよりも貯金を増やそうと思う」か、「これまでよりも節約しようと思う」かを聞きました(図表4)。
 まず、「貯金を増やそうと思う」については、「とてもそう思う」は28.8%、「少し思う」は32.4%で、合計すると61.2%です。去年6月の同じ質問では、「とてもそう思う」が28.2%、「少し思う」が29.3%で、合計は57.5%でしたので、それぞれ微増しています。
 また、「節約しようと思う」については、「とてもそう思う」は46.8%(去年6月の調査では45.5%)、「少し思う」は35.9%(同調査で36.0%)を合計すると82.6%(同調査で81.5%)でした。節約しようと思う人についても、去年6月の調査から微増しています。
 年代別に見ると、70代以上は「貯金を増やそうと思うか」の問いに対して、「とてもそう思う」の割合がほかの年代と比べて低くなっています。「現在、家計が苦しいと感じていますか」という問いに対して、苦しいと感じている70代以上は33.0%で、ほかの年代と比べるともっとも低い割合でした(図表不掲載)。子育てなど大きな支出が一段落しているから差が生まれているのかもしれません。

  • 「必ず詰め替えをする」1年半で10ポイント以上の増加

 詰め替えに対応した日用品について、詰め替えをするか聞くと(図表5)、「必ず詰め替えをする」人は33.5%、「ほぼ詰め替えをする」人は45.4%で、合計すると78.8%でした。2022年1月の調査では、それぞれ、20.5%、47.1%で、合計は67.5%でした。
 約1年半で「必ず詰め替えをする」と回答した人が約13ポイントも増えたことになります。

 この1年で、家計への負担を減らすために詰め替え対応製品を買うことが多くなったかを聞くと(図表6)、最も割合が高かったのは「変わらない」(73.7%)でしたが、「多くなった」という人が24.0%でした。この1年だけでも、かなりの人が詰め替え対応製品に注目したことが伺えます。

  • 今後も値上がりしそうなものは?

 今後ずっと値上がりしそうだと思うものを聞くと(図表7)、最も割合が高いのは「食料品」(79.6%)、あまり差がなく「ガソリン」(76.6%)、「水光熱費」(72.5%)と続きます。

 年代別に見ると(図表8)、20代は「その他」を除けば、「ずっと値上がりしそう」と思う割合がほかの年代と比べて低く、「今後ずっと値上がりしそうだと思うものはない」と回答した人は18.2%と、最も高くなっています。逆に、高齢になるほど「ずっと値上がりしそう」と思う割合が高い傾向があります。
 ちなみに「その他」と回答した49人のうち、「ほぼすべて」「なにもかも」「あらゆる」商品といった回答が14件もありました。

  • 「収入は変わらないのに……」生活費が苦しい人、かなり多い

 「商品の値上がりや税制度の変化をはじめとする生活費について、あなたが考えていることを可能なら家計の変化を合わせて教えてください」と聞いたところ、悲鳴に近いような声も多数寄せられました。物価上昇については「仕方ない」という意見もありつつ、同時に「もっと働かなければ」と考えている人もいます。ガソリンについても100人以上が言及していて、「二重課税をやめてほしい」「政府は手を打ってほしい」という声も複数ありました。


《 値上がりなどによる生活費や家計の変化など 》

【値上げは仕方ない】

● 商品の値上げは仕方のないことだと思いますが、収入も増えないため、ますます生活は苦しくなります。状況に合わせて上手に対応していますが、少しでも収入を増やすためにもっと働かなければいけないと考えています。(女性・50代)

● 値上がりは仕方ないと思う。何かを買うとき、値段はもちろんのこと、どこの企業の商品かも気にするようになった。応援したい企業の商品にお金を使いたい。(女性・20代)

● 水道光熱費は節約するが、物価が上がるのは仕方ないことというより上げないといけないと思う。収入を増やして充実した余暇を過ごしたい(男性・60代)


【もっと働かなきゃ】

● 物価が上がっているのに給与は全く上がらないので以前にも増して生活が苦しい。レジャーや外食は全然できなくなっている。子どもがかわいそうなので、会社は禁止しているがアルバイトをしようと考えている。(男性・50代)

● 物価高の影響で自分の好きなことにかけるお金が減るのが嫌で副業をすることにした。 暇な時間で本業以外に収入を増やす方法をいろいろ考えている。(女性・20代)

● 夫が無職になったので、家計はかなり苦しい。私はパートで時給のため、毎月の収入は変動する。不安定な収入なのに支出だけは確実に増えるので、どうすれば良いのかわからない。(女性・50代)


【値上げが若い世代を直撃!?】

● 生活費が上昇する以上、少ないお金で幸せになる方法を模索する事で適応する事が重要だと思う。(男性・20代)

● ガソリンの値上げはやめてほしい。お出かけしたくてもついガソリン代のことを考えてしまい、快く遠出ができない気がする。(女性・20代)

● ガソリンが間もなく200円台に突入しそう。一刻も早く価格抑制するべきだし、税に税をかける二重課税も是正してほしい。何ら手を打たないなら政府の存在意義が疑われる。(男性・20代)

● いずれ一人暮らしをしてみたいが、値上げラッシュのことを考えると実家から出られない。(女性・20代)

● 物価の値上がりのせいで毎月赤字になっている。子どものための補助金等がないと子どもを産もうとは思えない。(女性・20代)

● 子どもが生まれたことは喜ばしいことだが、しっかり節約して、これからの支出に備えたい。(男性・20代)


【子育ては大変。しかし子育て以外にも配慮を】

● 子どもの教育費、住宅ローン、夫の単身赴任費で、家計はいつも大変です。その中で、給与アップはないものの、生活にかかる費用が全体的にアップしているので、更に苦しい状態です。将来のことも考えると不安ばかりつのる毎日で、それだけで疲れます。(女性・40代)

● 子どもをあきらめることを夫と話している。 夫婦二人なら生活できるが子どもがいたら生活が見えず恐怖。(女性・30代)

● 子どもがいる世帯への優遇制度ばかりで、一生懸命働いている独身者への配慮が足りないと思う(女性・30代)

● 子育て世帯、特に、出産時のことばかりに焦点が当てられていて、その他の世帯の苦しさをわかってもらえていない気がする。(女性・40代)


調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「値上げ」に関する意識調査を実施。
期間:2023年8月17日~8月21日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/ 
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。


From プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html (バックナンバーもご覧になれます)
株式会社プラネットが発信しているニュースレターです。消費財や暮らしに関する旬なトピックスなどをご紹介しています。

本件に関するお問い合わせ先
今リリースに掲載していない結果や属性データのご紹介や、当社担当者が解説を差し上げることもできます。
株式会社プラネット 広報部(河合)
E-mail : koho-pr@planet-van.co.jp

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会社概要

株式会社プラネット

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区浜松町1丁目31番 文化放送メディアプラスビル3階
電話番号
03-5962-0811
代表者名
田上 正勝
上場
JASDAQスタンダード
資本金
4億3610万円
設立
1985年08月