47都道府県に関する年間検索トレンド(カナダ編)
グローバルマーケティング事業*を展開しているアウンコンサルティング株式会社(東証スタンダード市場:2459、本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太明、以下「アウンコンサルティング」)はこの度、カナダにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド、および2025年5月の使用言語別・文字別の訪日外国人客(以下、訪日外客)数について調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
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“秋田犬”や“アニメ”が検索をけん引 秋田・埼玉が上位に
2024年、カナダからの訪日外客数は約58万人(前年比+36.0%)*1に達し、過去最高であった2019年(約38万人)を上回る水準に到達しました。さらに2025年に入り、5月の訪日外客数は約6.6万人(前年比+18.8%)*1を記録、2025年1月から5月の累計では約29万人に達し、前年を上回るペースで推移しています。北米地域の中では米国に次ぐ水準であり、訪日外客数の回復が進む中でもカナダの訪日外客数は堅調な伸びを示していることがわかります。特に、円安により訪日旅行の費用対効果が向上したことや航空路線の増便などが要因と考えられます。
以下の表は、2024年6月~2025年5月のカナダにおける「日本の都道府県」の検索数をまとめたものです。検索数の上位には、1位東京、2位大阪、3位京都といった大都市圏に加え、4位沖縄、7位北海道、8位福岡については、これまでアウンコンサルティングが発表した米国編、オーストラリア編の調査と同様の傾向であると考えられます。
5位の広島は、月別で見ると2025年7月にやや検索数が落ち着いたものの、その他の月では安定した関心を維持しております。広島の2023年におけるカナダからの延べ宿泊者数は約23,000人*1で、コロナ禍前の2019年と比べて約13%の増加となりました。
カナダを含む北米圏では、第二次世界大戦や平和学習に関連する教育課程において“hiroshima”が広く認知されていることから、歴史的関心に基づく検索も一定数あると考えられます。さらに、2023年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催を通じて国際的な注目を集めたことも、検索数の底上げに寄与したと見られます。
6位の秋田は、日本犬の代表「秋田犬(Akita inu)」への国際的な関心が、検索数の押し上げに寄与している可能性があります。カナダにおける“akita”関連ワードの検索動向を見ると、“akita inu”“akita japan”などが高く推移しており、秋田犬に対する関心の高さがうかがえます。
また、国際的な注目を集めたきっかけとして、2009年の映画『HACHI 約束の犬』(英題 Hachi: A Dog’s Tale、リチャード・ギア主演)や、2012年に秋田県からロシア連邦のウラジーミル・プーチン大統領へ秋田犬が贈呈された出来事があり、これらが長期的な高まりにつながっていると推察されます。
加えて、あきたネット(秋田県公式観光サイト)の「国際観光・インバウンド」*2でも紹介されているように、秋田県は多言語対応の旅行アプリ『アキタノNAVI』の配信や、外国人旅行者への指差しツールなどの整備を進めており、県内受入体制の強化に力を入れています。これらの取り組みと注目度の高いコンテンツ(秋田犬)との相乗効果が、検索関心だけでなく、実際の訪日行動にもつながっていると考えられます。
9位の埼玉は、アウンコンサルティングが発表したマレーシア編やフィリピン編などでも上位にランクインしており、特定の地域において安定した関心を集めていることがうかがえます。川越市の歴史的街並みや春日部市のアニメ誘客施策など、観光資源とポップカルチャーの融合が評価されていると考えられます。
特に、検索においては、人気アニメ『One Punch Man』の主人公名「Saitama」が地名としての埼玉と混同され、作品を通じた日本文化への関心が検索行動にも影響していると見られます。カナダにおける “saitama” 関連ワードの検索動向を見ても、アニメ作品との関連性が検索ボリュームに反映されていることが確認できます。
また、埼玉県自体も『クレヨンしんちゃん』をはじめとしたアニメを活用した誘客プロモーションを積極的に行っており、こうした自治体の取り組みとコンテンツ人気との相乗効果が、地名検索の底上げにつながっている可能性があります。観光施設などのハード面とアニメや文化などの観光コンテンツといったソフト面の両軸でブランディングを進める埼玉県は、今後も多様な訪日関心層の受け皿として注目される地域のひとつと言えます。
今回のカナダに関する調査では、東京・大阪・京都などの大都市圏への検索関心が根強く見られる一方で、秋田や埼玉といった地域もトップ10に入り、訪日ニーズの広がりがうかがえます。なお、10位に入った宮崎については、地名としてではなく、アニメ監督・宮崎駿氏に関連した検索が主な要因と見られます。また、検索数の季節変動では、4月前後の日本の桜シーズンに大都市への関心が高まる一方で、北海道は2月に検索数が多く、雪や自然を目的とした関心が見られました。
カナダは先進7カ国首脳会議(G7サミット)の一員として日本と価値観を共有するパートナーであり外交・教育・経済など幅広い分野で連携が進んでいます。さらに、日本人留学生にとってもカナダは主要な渡航先の一つであり、文部科学省の「海外留学状況調査(2021年)」によれば、米国、豪州に次ぐ第3位*3の人気国となっています。
こうした両国の結びつきを背景に、2021年には日加両政府が「自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン」*4を発表し、人材交流や観光振興も戦略的協力分野として位置付けられました。訪日プロモーションにおいては、カナダ人訪日外客の特性に応じた英語での情報提供、自然・文化・アニメ等のテーマ訴求、地方空港へのLCC利便性の提示が鍵となり、長期的には教育・研修・姉妹都市交流を活かした持続的誘客につなげることが期待されます。


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本調査レポートの完全版では、2025年5月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数についても掲載しております。詳しくは、アウンコンサルティングウェブサイトをご覧ください。
■調査概要
【調査主旨】
カナダにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
2025年5月の使用言語・文字別に見る訪日外国人客数
【調査要綱】
調査日:2025年6月20日
調査対象時期:
・カナダにおけるアウンコンサルティングが厳選した地名関連の主要検索キーワード
2024年6月~2025年5月
・カナダにおける日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
2024年6月~2025年5月
【出典】
※1 日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ: https://statistics.jnto.go.jp/graph/
・訪日外客数・出国日本人数データ: https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・インバウンド消費動向調査:
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
※2 美の国あきたネット , 国際観光・インバウンド
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/genre/12924
※3 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) , 2021(令和3)年度 日本人学生留学状況調査結果 ,
2023年3月発行
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/_mt/2023/02/date2021n.pdf
※4 外務省 , 自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン , 2022年10月11日
https://www.mofa.go.jp/files/100404847.pdf
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