【台湾情報】ネットゼロを本格推進、台湾電子・半導体メーカーのUターン投資に新たな申請条件<ワイズ機械業界ジャーナル2022年11月第2週号発行>

〜台湾機械・エネルギー・電子・自動車業界の最新動向を分析する〜

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年11月第2週号を発行しました。今週号では、械設備業界、電子・半導体業界、エネルギー業界の代表企業と木工機械設備業界の動向を紹介します。

<最新号目次>
  • 台湾専用機械設備製造業2022年1〜7月の輸出入概況と主要メーカーの動向
  • 台湾電子・半導体メーカーのUターン投資概況
  • 台湾プラスチックが仕掛ける新エネの新たな第一歩 台塑新智能科技(Formosa Smart Energy Tech)
  • 台湾木工機械設備産業2022年1〜8月の輸出入概況と主要メーカーの動向

<台湾電子・半導体メーカーのUターン投資概況>
 米中貿易摩擦の勃発と新型コロナウイルス感染症の流行以来、中国に進出する台商(海外で事業展開する台湾系企業)は生産ラインの海外移転を進めてきた。
 台湾政府は2019年から台商のUターン投資促進プラン「歓迎台商回台投資行動方案」を実施し、台商のUターン投資が進んだ。台湾残留投資支援プラン「根留台湾企業加速投資行動方案」と中小企業に対する投資支援プラン「中小企業加速投資行動方案」を合わせた三大投資支援プランは21年末に、実施期間を24年末まで3年延長することが決定し、申請要件には、50年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)目標に合わせ、脱炭素への取り組みが追加された。

Uターン投資が経済成長けん引
 三大投資支援プランのうち、Uターン投資促進プランで承認された投資額は、他の2プランで承認された投資額の合計を大きく上回っている。台商のUターン投資がここ数年の台湾の投資拡大と経済成長の主要エンジンの一つであることを示している。
 22年にUターン投資促進プランで承認された投資額は343億台湾元(約1,567億円)だ。申請企業各社は脱炭素への取り組みとして、▽クリーンエネルギーの導入、▽再生可能エネルギー発電装置の設置、▽省エネ装置や温室効果ガス排出の少ない装置の採用、▽グリーンビルディング(グリーン建築)、▽スマート設備の導入などを表明している。

チップモスなど2度目のUターン投資
 22年はUターン投資促進プランにおいて、製紙大手の永豊餘投資控股(YFY)傘下、永豊餘工業用紙(YFYパッケージング)の投資計画が承認された。YFYパッケージングのUターン投資促進プランによる投資は2回目で、累計投資額は41億元となる。また、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、南茂科技(チップモス・テクノロジーズ)による125億元の投資計画も承認された。
 チップモスもUターン投資促進プランによる投資は2回目で、累計投資額は276億元となる。さらに、半導体用シリコンウエハー大手の合晶科技(ウエハーワークス)による24億元の投資計画も承認された。12インチウエハーの需要増を受け、クリーンルームとスマート生産ラインを増設する。
 これまでにUターン投資促進プランで承認された投資額100億元以上の大型投資計画のうち、投資額が最大なのは、19年11月に承認された液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)による701億元の投資計画だ。


Uターン投資の中心は半導体・光電メーカー
 Uターン投資促進プランへの申請は、同プランが実施された19年に最も多く、次に多かったのは21年だ。米中対立を受け、電子関連メーカーを中心に二度目の申請を行う台商も増えてきており、投資額も一度目より多い。
 台商のUターン投資で件数、投資規模ともに最も多いのは情報通信技術(ICT)関連メーカーで、中でも電子・半導体関連メーカーと光電関連メーカーによる投資額合計は全体の約70%を占め、投資計画1件当たりの平均投資額も他の産業を上回っている。両産業の工場設置コストが高いこと、そして台商によるUターン投資の主因が米中ハイテク摩擦であることを示している。

Uターン投資は今後も継続へ
 中国に進出する台湾の電子関連メーカーによるUターン投資が相次いでいることは、各社が▽台湾で生産し、海外に輸出することにメリットを感じている、▽海外向け製品の中国での生産比率を引き下げている、▽中国向けの製品は中国で生産しようとしていることを示している。米中対立の解消が当面見込めない中、中国の経済が回復しなければ、台湾の電子関連メーカーによるUターン投資は今後も続くと予想される。

再エネ関連企業のUターン投資促進を
 台商のUターン投資支援プランにおいて、電子関連メーカー以外で申請が比較的多いのは機械メーカーのみだ。このため、Uターン投資支援プランの承認要件に温室効果ガス排出削減を実現する設備の導入だけでなく、クリーンエネルギー発電や蓄電システムなどへの投資も追加し、電子関連メーカーによる再生可能エネルギー分野への投資を呼び込めば、中国に進出する再エネ関連メーカーなどのUターン投資も促すことができるだろう。
ワイズ機械業界ジャーナル

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代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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URL
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業種
サービス業
本社所在地
中華民国台北市襄陽路9號8F 富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号
-
代表者名
吉本康志
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
1996年11月