兼松、dsm-firmenichと共同で、牛のメタン削減資材を活用した畜産品の環境負荷軽減の取組み推進を開始

兼松

兼松株式会社(以下、「兼松」)とdsm-firmenich AG(以下、「dsm-firmenich」)は、dsm-firmenichの提供する牛の消化管由来メタンを削減する飼料添加物であるBovaer®(読み:ボベアー®)を活用して、畜産品サプライチェーンの環境負荷を軽減すると共に、生産された畜産品の高付加価値化を通じた普及促進のための基本合意書を締結し、協業を開始しました。

◆畜産品と温室効果ガス

 農研機構によると、日本人の食生活の中で牛肉、豚肉、鶏肉は合計で6割を占め、食肉以外でも鶏卵、牛乳、そしてチーズやヨーグルトなどの乳製品なども消費しており、畜産物は私たちの食卓になくてはならないものになっています。

一方で、牛などの反芻動物のゲップに含まれるメタンガス(消化管由来メタン)は、国内の農林水産業において稲作に続いて第二のメタンガス排出源となっています。世界においては全産業の温室効果ガス総排出量の5%を占めるとされており、さらに畜産物需要は年々増加しているため、畜産業の環境負荷低減、特に家畜のゲップに含まれるメタンガスの削減が重要な課題となっています。

◆dsm-firmenichの製品:Bovaer®(ボベアー®)

 Bovaer®は、乳牛と肉牛の飼料に簡単に追加できるサプリメントで、牛乳と牛肉の風味や品質をこれまで通り維持しながら、環境負荷を軽減します。1頭につき1日小さじ1/4杯のBovaer®を継続的に給与することで、乳牛の消化管由来メタン排出量を平均30%削減、肉牛(肥育牛)では平均45%削減できることが確認されています。15年にわたる研究開発を経て製品化されたBovaer®は、日本を含む世界各国の政府・規制当局により安全性と有効性が承認され、既に70ヶ国で商業的に利用可能な、牛の消化管メタン排出削減における唯一の飼料添加物です。Bovaer®は、過去3年間にヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカ、オーストラリアの数百の農場で導入され、現在までに二酸化炭素換算で約40万トン相当のメタン排出を削減してきました。なお、日本では現在、Jクレジット方法論の登録準備を進めています。

◆協業の内容

当社とdsm-firmenichが連携して、Bovaer®を資材として生産者様にご提供することに留まらず、メタンガス削減実績を環境価値化すると共に、生産された畜産品と環境価値とセットでトレースしながら川下企業様にお届けすることで、カーボンインセット※1を実現し川下企業様のスコープ3の削減にも寄与することを目指します。それにより、気候変動対応の更なる推進と、サプライチェーンパートナーとの関係強化に繋げ、より持続可能なサプライチェーンの協創を目指していきます。

※1 カーボンインセット

サプライチェーン内で削減・除去された温室効果ガス排出量を同一サプライチェーン“内”で取り込む(生産者により組成されたカーボンクレジットの調達・償却、製品排出量の削減への活用等)仕組み。サプライチェーン“外”で創出される環境価値を取り込む”カーボンオフセット”(他のサプライチェーンに属する会社が創出したカーボンクレジットの調達等)の対義語。

 当社は、農業・食品分野において、長年のトレーディングビジネスで培った国内外の豊富なネットワーク、知見、経験を有しています。その強みを活かし、中期経営計画「integration 1.0」の主要施策であるGXの注力分野の一つとして、「農業・食品GX」を掲げ推進しています。

既にこれまでにも、Green Carbon株式会社と連携した稲作の「水田メタン」排出量削減の取組みや、株式会社TOWINGと連携したバイオ炭「宙炭(そらたん)」による農地での炭素貯留・環境再生型農業の促進の取組みなど、カーボンインセットの仕組みを活用した「農業・食品GX」を推進しています。

今回の取組みも、dsm-firmenichと連携した「農業・食品GX」の新たなソリューションとして、川下企業様に一元的にご提案していき、農業・食品サプライチェーンに関わるお取引先の皆様と共に、サプライチェーンにおけるGXを進めて参ります。

◆dsm-firmenich(ディーエスエム=フィルメニッヒ)について

栄養、健康、美容の分野でイノベーションをリードするdsm-firmenichは、世界の人口増加に対応し、人々の健康と生活の質を向上させるために、重要な栄養素、風味、香りを再定義し、製造し、組み合わせます。自然由来・再生可能な素材、そして世界トップクラスの科学技術力を組み合わせた包括的なソリューションを通じて、生命に不可欠なものを創造し、消費者が求める価値を提供し、地球の持続可能性に貢献しています。dsm-firmenichは、スイス・カイザーアウグストとオランダ・マーストリヒトに本社を置くスイス企業で、アムステルダム証券取引所に上場し、約60カ国で事業を展開、売上高は€120億を超えています。世界中に約30,000人の多様な従業員を擁し、日々、世界中の人々の生活に進歩をもたらしています。

ウェブサイト:www.dsm-firmenich.com

【お問い合わせ先】

兼松株式会社 広報室

電話 : 03-6747-5000

https://www.kanematsu.co.jp/inquiry/

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

兼松株式会社

11フォロワー

RSS
URL
https://www.kanematsu.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都千代田区 丸の内2-7-2 JPタワー
電話番号
-
代表者名
宮部佳也
上場
東証プライム
資本金
277億8100万円
設立
1918年03月