快適な移動体験を提供する『シェア乗り車両』の運行を開始

プライベート空間に配慮したシートアレンジや最終目的地への到着時刻を表示した現在地案内など～トヨタ紡織と内装を共同開発。SmartShuttle社が運行を担い、東京エリアで本日より本格運行開始～

　移動の課題に取り組むソーシャルデザインカンパニーの株式会社NearMe（本社：東京都中央区、代表取締役社長：髙原幸一郎、以下：ニアミー）とトヨタ紡織株式会社（本社：愛知県刈谷市、取締役社長：白柳正義）は、“シェア乗り”での移動時間をより快適かつ価値のある体験として過ごしていただくために、内装を共同開発した『シェア乗り車両』の運行を開始します。また、運行はニアミーの子会社である株式会社SmartShuttle（スマートシャトル）が担います。

『シェア乗り車両』の開発背景

　日本は現在、過疎地や地方都市を中心に交通空白地帯の増加が深刻な社会課題となっています。この問題を解決するためには、効率的で持続可能な移動手段の整備が必要です。その解決策の一つとしてニアミーが推進しているのが“シェア乗り”です。“シェア乗り”とは、1台の車両を複数組でシェアして移動するライドシェアの一形態で、効率的な輸送とコスト削減を実現します。

　今回、トヨタ紡織と内装を共同開発した『シェア乗り車両』は、移動時間をより快適かつ価値のある体験として過ごしていただくことで、一人でも多くの人々に対して日常における移動の選択肢として“シェア乗り”を選んでいただくことを目指しました。

　「エアポートシャトル」など、ニアミーのこれまで展開してきた“シェア乗り”サービスにおいて、お客様から頂いた声をもとに、トヨタ・ハイエースワゴンのビジネス送迎車 「Fine Tech Tourer」の、8名分の後部座席エリアを、4名分のシートとすることで一人あたりのスペースを確保しました。また、左右の座席を横並びにせず、少しずつ前後にずらすことで、乗り降りのしやすさに配慮しながらユーザーのプライベート空間を確保するシートアレンジとしました。

　加えて、トヨタ紡織が開発しているコンテンツ体験支援システム「MOOX-RIDE」を搭載。車両の位置情報や乗客の属性に基づき、走行ルート周辺の施設や観光スポットの情報、広告などのコンテンツを個人空間での音響システムと共に提供し、移動の楽しさや快適性の向上を図ります。

『シェア乗り車両』特有の複数組同乗の環境においても、利用者がプライバシーや快適性を損なうことなく、リラックスして移動時間を過ごせる車内空間を実現しました。

　ニアミーは、独自のAIを活用した最適ルーティング技術に加え、ハードである車両の内装に関する開発にも積極的に取り組むことで“シェア乗り”をより快適で有意義なものへと進化させていきます。また、将来的に自動運転が普及する時代においても“シェア乗り”による移動が有効な手段の一つになることも見据えて、引き続きお客様の声もいただきながら『シェア乗り車両』の開発を推進していきます。

『シェア乗り車両』の特長

　トヨタ紡織と内装を共同開発した『シェア乗り車両』は、複数組が1台の車両で移動する“シェア乗り”空間においてもストレスを感じることなく、個室のように快適な空間を提供します。移動時間をより快適かつ価値のある体験として過ごしていただくことで、より多くの人々に対して日常における移動の選択肢として“シェア乗り”を選んでいただくことを目指しました。

快適な移動時間を演出するシートアレンジ

“シェア乗り”による移動を快適にすごしていただけるよう、後部座席エリア8名分の座席と荷室スペースを4名分の個別シートと荷室スペースで車内空間をとしました。また、左右の座席を横並びにせず、少しずつ前後にずらすことで、プライベート空間を確保しました。

プライバシーシェード＆オーディオ

同乗者からの視線を適度に遮るシェードと周囲に音が漏れず着席者のみに音が届くパーソナル音響を各席に搭載し、プライベート空間を演出します。

多言語表示ディスプレイ

日本語､英語､中国語(繁体字)､韓国語の4か国語に対応し、乗客毎にシェア乗りの経由地、乗車マナーの案内、ルート上の観光スポット紹介などを個別に提供します。

株式会社NearMe　代表取締役社長　髙原幸一郎　コメント

この度は、引受先でもあるトヨタ紡織と資本提供に留まらず、商品開発についても取り組みをさせていただくことを大変うれしく思います。

過疎地や地方都市を中心とした、交通空白地帯の増加によって生じる移動困難者への対策は、人々が日々の生活を送るために対峙しないといけない深刻な社会課題の一つであると考えています。

また、タクシーは、電車やバスなど他の公共交通機関と比較して、プライベートな空間の確保を必要とされています。『シェア乗り車両』は、タクシーのシェア乗り事業を行ってきたニアミーが、ユーザーの皆様から頂いた車両に関する様々なリクエストを踏まえ、タクシーの移動を「より快適により価値のある時間として過ごしてもらう」空間づくりを意識しながら、トヨタ紡織とともに車内空間の開発をさせていただきました。今後このような車内空間を備えた車両が「次のあたりまえ」になるべく推進していきたいと思います。

また、運行はニアミーの子会社であるSmartShuttle社が担います。運行開始後においても、引き続きユーザーの方々からの感想などもいただきながら“シェア乗り”を日常の移動の選択肢としていただくため、車両内体験の向上には引き続き力を入れていきたいと考えています。

「NearMe」について

　「NearMe」は、独自のAIを活用した最適なルーティングで、出発地から目的地までの移動をドアツードアで結ぶタクシーのシェアサービスです。その中でも、空港とその周辺の都市部を結ぶ空港送迎型のエアポートシャトルサービスは、2019年8月のサービス開始よりこれまで延べ90万以上※1の方々にご利用いただいています。 現在は、羽田空港、成田空港をはじめ全国16の空港※2（成田国際・中部国際（セントレア）・関西国際・大阪国際（伊丹）・東京国際（羽田）・新千歳・福岡・北九州・那覇・旭川・帯広・青森・仙台・静岡・南紀白浜・徳島）と、空港周辺の都市部でご利用いただくことができます。対象エリアであれば、出発地となるご自宅から空港、そして空港から最終目的地まで一気通貫でつながるため、公共交通機関の乗り換えがなくなるなど、ストレスフリーな移動体験を提供することができます。また、貸切送迎サービスや、東京都と千葉県全域のゴルフ場と東京都23区内を結ぶゴルフシャトルなど、シチュエーションに応じて様々な移動のニーズに対応するための各種サービスを展開しています。

その他にも、スポーツ観戦における移動をスムーズにし、スタジアム周辺の渋滞によるCO2排出や排気ガスによる環境問題、交通事故など様々な地域課題解決を目指した『スタジアムシェアタクシー』※3や、秋田県美郷町の観光二次交通の課題解消を目指した『ミズモシャトル』※3、高齢者の移動支援サービスのAIデマンドシステムとして採用された山形市の「金井地区モデル事業（かなみちゃんタクシー）」など、地域ごとの交通課題解消を目指した様々な実証事業を行っています。
※1 2024年12月時点。
※2 2024年4月時点。旭川空港、帯広空港、仙台空港、静岡空港は貸切送迎サービスのみ。
※3 実証事業は終了しています。

■自治体版ライドシェア/日本版ライドシェアに関するお問合せフォーム
https://forms.gle/86crBvCKjcKqaLze9

会社概要

会社名 ：株式会社NearMe

所在地 ：東京都中央区日本橋富沢町9-4 THE E.A.S.T.日本橋富沢町

代表者 ：代表取締役 髙原幸一郎

設立 　：2017年7月18日

URL      ：https://nearme.jp/

移動の「もったいない」を解決し、1人でも多くの人が、自由に移動でき、住みたい街に住み続けられる社会を実現することをミッションに掲げ、まずは、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献するマッチングプラットフォームになるべく、シェアリングエコノミーのMaaS領域から事業活動をスタート。

2019年8月より空港送迎型のエアポートシャトルを運営し、独自AIを発展させ、ルーティングの最適化技術を確立。この技術を活用し、不特定多数ではなく少人数かつ誰が乗車したか追跡できる方法で活用していただける街中相乗りサービスなどを展開しています。なお、ニアミーは、2023年4月、経済産業省が行政との連携実績のある企業を中心に事例を紹介する「行政との連携実績のあるスタートアップ100選」に掲載。週刊東洋経済（発行：東洋経済新報社）の『｢すごいベンチャー100｣2023年最新版』、日経クロストレンド（発行：日経BP社）の「未来の市場をつくる100社【2024年版】」にそれぞれ選出。「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」（主催：一般社団法人日本自動車工業会）の開催期間内に行われた日本最大級のピッチイベント『Pitch Contest & Award』でクランプリを獲得。デロイト トーマツ グループが発表したテクノロジー企業成長率ランキング「Technology Fast 50 2023 Japan」では、447.8%の収益（売上高）成長を記録して9位を受賞。