Kyndryl Readiness Report:AIは早期に成果をもたらし、企業を転換点へと導く
企業がAIの隆盛を報告する一方、テクノロジーと人材の根本的なギャップが今後の成長を左右
ニューヨーク、2025年10月20日 – ミッションクリティカルなエンタープライズ・テクノロジー・サービスのリーディングプロバイダーであるキンドリル(NYSE:KD、以下 キンドリル)は本日、21カ国3,700名の経営幹部からの回答を基にした、第2回目となる年次の「Kyndryl Readiness Report(キンドリル・レディネス・レポート)」を発表しました。今回の調査結果では、企業が AI 投資による成果の広がりを報告する一方で、インフラのモダナイゼーション、イノベーションの取り組みの拡大、従業員のリスキリング、そしてさらに細分化が進む規制環境下で増大するリスク管理の負担に直面している現状が明らかになりました。
キンドリルの会長兼最高経営責任者(CEO)であるマーティン・シュローター(Martin Schroeter)は次のように述べています。「企業が AI による変革的な価値の実現に苦戦する中、準備態勢におけるギャップが生じています。90% の組織が、イノベーションを拡大するためのツールとプロセスを備えていると考える一方、半数以上が自社のテクノロジースタックに阻まれており、従業員が AI に対して真に備えられていると回答したのは 3 割未満でした。このギャップを埋めることが、今後の課題であり、チャンスでもあります」
昨年のレポートでは、認識と準備の実態との間に重大なギャップがあることが明らかになりました。経営幹部の 90% が自社の IT インフラは最高水準と認識する一方で、将来のリスクに備えられていると回答したのは 、わずか39% にとどまりました。AIの隆盛は続いているものの、依然として懸念はあります。今年は以下の点が課題となっています。
-
ROIは上昇傾向にあるものの、AIは実験段階にとどまっている:AI投資からプラスの成果を得ていると回答した企業は54%(2024年から12ポイント上昇)である一方、62%の企業は依然としてAIプロジェクトのパイロット段階から先に進めていません。
-
能力より自信が先行する状況が続く:90%がツールとプロセスによって新しいアイデアを迅速にテストして拡張できると回答する一方で、半数以上が基盤となるテクノロジースタックがイノベーションを阻害していると指摘しています。
-
AIが従業員の変革を推進している反面、スキルギャップは変わらず:87%が、AIは12カ月以内に組織内の業務を「完全に」変革することになると回答する一方、多くの企業は現時点で従業員のAI活用頻度は低く、必要な技術スキルを備えた従業員が限られていることを認めています。
-
地政学的圧力が企業のデータ戦略の転換を迫る:クラウド導入による明確なメリットを回答する一方で、規制環境の細分化が進む中、企業はデータの保存・処理・アクセス・保護に関する場所と方法を再考し始めています。企業はレガシーインフラの課題とのバランスにも対処しており、CEOの70%がクラウド環境は「計画的ではなく偶然の結果」として構築されたと述べています。
ROIの期待とともにAIへの支出が増加し、サイバーレジリエンスが最優先課題に
あらゆる業界と国の経営幹部は、自社のAI支出が昨年から平均で33%増加したと回答しており、そのうちの68%が少なくとも1種類のAIに「重点的に」投資しています。AI投資の増加に伴い、その価値を示すことや、保護することへのプレッシャーも高まっています。経営幹部の5人に3人が、今年は昨年よりもAIのROI達成に対するプレッシャーが高まったと回答しています。経営幹部が最も重視するユースケースはサイバーセキュリティです。
地政学および規制上の混乱が変化を促す中、クラウドはプレッシャーに直面
新たなグローバル規制やデータ主権に対する懸念の高まりを受け、多くの企業がクラウドインフラの見直しを進めています。4人に3人の経営幹部が、グローバルなクラウド環境でのデータの保存と管理に伴う地政学的リスクを懸念しており、65%がこれに対応してクラウド戦略を調整し、データリパトリエーション(データの国内回帰)への投資、ベンダーの再評価、プライベートクラウドモデルへの移行を進めています。
人材と企業文化が次なる準備の課題
経営幹部がイノベーションの拡大を目指す中、人材の準備状況は主な障壁であると同時に重要なチャンスになりつつあります。10人中9人近くがAIによって来年には業務が完全に変わると考える一方で、自社の従業員がAIテクノロジーを効果的に活用する準備が整っていると答えたのはわずか29%にとどまっており、この時代に成功するために必要なスキルに関する懸念は依然として残っています。また、多くの組織が企業文化の障壁にも直面しており、CEOの半数近くが「組織そのものがイノベーションを阻害している(48%)」、「意思決定が遅すぎる(45%)」と回答しています。このレポートで「リーダー企業」と定義する先行企業は、イノベーションへの投資だけでなく、企業文化の醸成、スキルアップ、リーダーシップの連携について特に優先して取り組んでいます。
これらの分野で遅れを取っている組織と比較すると、リーダー企業は次の特徴を備えています。
-
自社のテクノロジースタックを障壁として挙げる割合が32ポイント低い
-
自社のクラウドが新しい規制に適応できると回答する割合が30ポイント高い
-
過去1年間にサイバー関連の障害を報告する割合が20ポイント低い
本レポート全文はKyndryl’s Readiness Report(英語)をご覧ください。
調査手法
2025年版Kyndryl’s Readiness Reportは、21カ国3,700名の経営幹部および意思決定者を対象とした調査データと、AIを活用したキンドリルのオープン統合デジタルビジネスプラットフォームであるKyndryl Bridgeの知見を統合したものです。本レポートは、組織が業績やミッションクリティカルなプロセスを将来にわたって確実に維持し、加速させるための推進要因、障壁、そしてトレードオフを明らかにします。
当プレスリリースは、2025年10月20日(米国現地時間)にキンドリルが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照してください。https://www.kyndryl.com/us/en/about-us/news/2025/10/kyndryl-releases-2025-readiness-report
キンドリル(Kyndryl Holdings, Inc.)について
キンドリル(NYSE: KD)は、ミッションクリティカルなエンタープライズ・テクノロジー・サービスのリーディングプロバイダーで、60カ国以上で数千にのぼる企業のお客様にアドバイザリー、インプリメンテーション、マネージドサービスを提供しています。世界最大のITインフラストラクチャーサービスプロバイダーとして、世界中で日々利用されている複雑な情報システムの設計、構築、管理、モダナイズを行っています。 詳細については、www.kyndryl.com(英語)またはwww.kyndryl.com/jp/jaをご覧ください。
