肺炎球菌ワクチン、ケアマネの知識不足で接種機会を損失か~ケアマネはVPD(肺炎球菌、帯状疱疹)学習機会を求めている~

―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第40回―

全国のケアマネジャー(以下、ケアマネ)10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)はケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』にてVPD(ワクチンで防げる病気)に関するアンケートを実施しました。

■調査概要


調査名:CMNRメディカル(第40回) 「VPD(ワクチンで防げる病気)に関するアンケート」

調査期間:2023年7月22日~2023年7月26日

調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所または地域包括支援センターに勤務)

調査サンプル数:491名

調査方法:WEBアンケート


サマリー

・ケアマネは予防接種の啓発に前向きだが、対象者を狭く捉えている可能性がある

・ケアマネの予防接種に関する知識は不十分だが、学習意欲は高い

・ケアマネへの教育はワクチン接種の障壁を取り除く一助となり得る


ケアマネは、要支援/要介護高齢者(以下、利用者)がなるべく長く自立して自宅で暮らせるように支援するのが職務であり、利用者が肺炎に罹患して入院したり、長引く痛みなどによりADLやQOLが低下したりすることを予防するモチベーションが高い職種であると考えられます。


そこで今回は、予防接種に関する知識や利用者・家族への啓発意欲がどの程度あるのか、利用者が予防接種を受けるにあたりどんなことが障壁になっているのかなどを知るために調査を実施しました。



■ケアマネは予防接種の啓発に前向きだが、対象者を狭く捉えている可能性がある


当調査では、ケアマネに「予防接種の必要性について利用者へ伝えることが必要だ」と思うかどうか聞いたところ、64.4%が必要だと答えました。28.5%はどちらでもないと回答し、必要ないと答えたのは7.2%のみでした。ケアマネの多くは予防接種への啓発に前向きであることが確認できました。


また、ケアマネが利用者に接種意向を聞き取ったことがあると答えたワクチンは、新型コロナ(96.1%)とインフルエンザ(88.8%)が多く、次いで肺炎球菌(71.5%)が挙がり、帯状疱疹については32.4%にとどまりました。


肺炎球菌ワクチンについて接種意向を聞き取るケアマネが多いことから、肺炎球菌による肺炎を予防したいと考えているケアマネが多いことが推察されます。


そこで「肺炎になると重症化しやすい高齢者が肺炎球菌ワクチンを接種していない状況は、その方にとって問題だ」と思うかどうかを聞いた結果を下図に示します。肯定的な回答(とてもそう思う17.1%、そう思う41.8%)が過半数を超えていました。



 しかし、具体的に「肺炎にかかりやすく重症化しやすい人」の特徴について尋ねたところ、下図のような結果となりました。



この図に示す項目はすべて肺炎の重症化リスクとなり得るものですので、全項目を選ぶのが正解です。今回の調査に回答したケアマネの多くは「喘息・COPD」(81.3%)は選ぶことができましたが、その他の項目では正答率が低いという結果となりました。


すなわち易感染性や重症化リスクの高い疾患・状態に対してケアマネの認識は不十分であり、肺炎球菌ワクチンを勧めるべき対象者を狭めている可能性があります。



■ケアマネの予防接種に関する知識は不十分だが、学習意欲は高い


このように、ケアマネは予防接種の啓発に前向きでありながら、知識不足によりその力が十分に発揮できていない可能性があります。


実際に、今回の調査では「VPD(ワクチンで防げる病気)」について説明できるケアマネはわずか7.1%にとどまり、名前を聞いたことがあるケアマネが31.4%で、残り61.5%のケアマネは知らないと答えました。


また、自治体の接種助成制度を説明できるか聞いた設問に対しては、インフルエンザについては72.3%のケアマネが説明できると答えたのに対し、肺炎球菌は47.9%にとどまり、帯状疱疹はわずか17.1%でした。


このように、現状においてケアマネの予防接種に関する知識は十分であるとは言えませんが、その反面、学習意欲は高いようです。今回の調査では、帯状疱疹については71.5%、肺炎球菌については64.0%のケアマネが「学ぶ機会があれば活用したい」と回答しています。



■ケアマネへの教育はワクチン接種の障壁を取り除く一助となり得る


ケアマネに予防接種の知識を学ぶ機会を提供することは、正しい知識を利用者や家族に啓発する機会を増やすだけではなく、接種の障壁を取り払うことにもつながる可能性があります。


下図は、ワクチン接種に行かない利用者や家族にとっての障壁は何なのか、ケアマネに尋ねた結果を示したものです。



ケアマネが多く選んだ回答を分類すると、「ワクチンのメリットが分からない」(54.0%)と「感染症のリスクがわからない」(44.0%)という知識面の障壁と、「移動手段がない」(51.5%)と「付き添いがいない」(44.8%)という移動面の障壁の2つが大きな問題になっているようです。


知識面の障壁に関しては、知識を得たケアマネからの啓発活動が解消の一助になると考えられます。例えば、ケアマネにワクチン接種の啓発チラシを持たせて、興味を示しそうな利用者にそれを渡しながら声かけをしていただくことができそうです。


また、ワクチンを受けたいと利用者が希望した場合は、ケアマネ自ら、もしくはヘルパー等に依頼する形で通院支援を行うことができますし、ケアマネからかかりつけ医に定期受診のタイミングで接種ができないか情報連携するという方法もあり得ます。


特に学習意欲の高かった帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンについては、ケアマネへの教育と啓発用ツールの提供により、高齢者の接種行動を大きく変える可能性を秘めていると考えています。




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業種
医療・福祉
本社所在地
東京都千代田区二番町11-19  興和二番町ビル2階
電話番号
03-6897-4773
代表者名
別宮 圭一
上場
東証グロース
資本金
2億5099万円
設立
2001年05月