【8月M&Aレポート】93件で前年同期比微減(2件) 金額は今年最多の1兆4686億円
アクティビストの要求からTOBに発展も
累計では、前年同期を104件上回る
2024年8月のM&A件数(適時開示ベース)は93件で、前年同期の95件をわずかに下回りました。1月から8月までの累計件数は774件で、前年同期の670件を上回り、ハイペースが続いています。
上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は
除く)について、M&A Onlineが集計しました。
取引金額の総額
8月のM&A取引金額は今年最多の1兆4686億円でした。総額5500億円超の富士ソフトのTOBを筆頭に、1000億円超の大型案件が複数発表され金額が伸びました。
8月の傾向
8月のM&Aでは、アクティビストの要求からTOBに発展するケースがありました。富士ソフトが米投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)のTOB(株式公開買い付け)の受け入れを表明した案件です。9月に入り、初期的提案を退けられていた米投資会社のベインキャピタルは対抗TOBの意向を表明しました。
取引総額の大きい企業上位3位
富士ソフト
・取引内容:米投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)のTOBを受け入れ
・取引金額:5583億円
・詳細:富士ソフトは大株主でシンガポール拠点の投資会社、3Dインベストメント・パートナーズの
改善提案に対応するなかで、要求のひとつである株式非公開化を模索。買付主体に選ばれたKKRはT
OBで3Dなど株主から買い取り、非公開化を目指します。
JT(日本たばこ産業)
・取引内容:米4位の紙巻きたばこメーカー、ベクター・グループを子会社化
・取引金額:3780億円
・詳細:世界では紙巻きたばこの需要が底堅く、米国でのシェアを2.3%から8%に高めることを見込
んでいます。
伊藤忠商事
・取引内容:デサントに対するTOB
・取引金額:1826億円
・詳細:現在デサントの株式44.44%を保有する伊藤忠商事が、今回のTOBで22.22%を下限に株式を
取得し、デサントの完全子会社化を目指します。
8月M&A:金額上位(100億円以上)
1.富士ソフト:米投資ファンド、KKRのTOBを受け入れて非公開化 5583.7億円
2.日本たばこ産業:米国たばこ4位のベクター・グループを子会社化 3780億円
3.伊藤忠商事:スポーツ衣料品大手のデサントをTOBで子会社化 1826.2億円
4.大塚ホールディングス:米国創薬企業のジュナナ・セラピューティクスを買収 1208億円
5.JTOWER:米投資会社デジタルブリッジグループによるTOBを受け入れて株式非公開化 757.9億円
6.石井鐵工所:MBOで株式を非公開化 290.9億円
7.APAMAN:株式非公開後に賃貸管理子会社のApaman Propertyを日本産業推進機構に譲渡
270.4億円
8.協和キリン:医薬品製造の中国子会社「協和麒麟(中国)製薬」を香港WHに譲渡 150億円
9.APAMAN:MBOで株式を非公開化 133.7億円
10.アルプスアルパイン:パワーインダクター事業を台湾DELTA ELECTRONICSの日本法人に譲渡
103億円
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名 称:株式会社ストライク
所在地:東京都千代田区大手町1-2-1 三井物産ビル15階
代表者:代表取締役社長 荒井 邦彦
設 立:1997年7月
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編集:株式会社ストライク
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