2021年、ノバルティスは売上高の一桁台半ばの成長と利益率向上、強力な製品パイプラインの前進を達成

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2022年2月2日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
  • 2021年第4四半期の売上高は6%増(実質ベース[1]、米ドルベース 4%増)、コア営業利益は12%増(実質ベース、米ドルベース 9%増)
    • イノベーティブ メディスンの売上高は7%増(実質ベース、米ドルベース 5%増)、コア営業利益は15%増(実質ベース、米ドルベース 12%増)
    • サンドの売上高は2%増(実質ベース、米ドルベース 0%)、コア営業利益は前年同期比横ばい(実質ベース 0%、米ドルベース 0%)
  • 2021通期の売上高は、イノベーティブ メディスンの力強い業績に牽引され4%増(実質ベース、米ドルベース 6%増)
    • イノベーティブ メディスンの売上高は6%増(実質ベース、米ドルベース 8%増)、サンドの売上高は2%減(実質ベース、米ドルベース 0%)
    • 主要成長製品が好調:エンレスト(実質ベース 40%増)、コセンティクス(実質ベース 17%増)、ゾルゲンスマ(実質ベース 46%増)、ケシンプタ(372百万米ドル)、レボレード(実質ベース 15%増)、Kisqali(実質ベース 36%増)
  • 営業利益は13%増(実質ベース、米ドルベー 15%増);売上高の伸び、生産性向上、訴訟費用の減少が主に貢献
  • コア営業利益は6%増(実質ベース、米ドルベース 8%増)、イノベーティブ メディスンのコア売上高営業利益率は36.2%(実質ベース 1.3ポイント増)に上昇
  • 純利益は240億米ドル;ロシュ社株式の売却益(146米ドル)が寄与
  • コアEPS6.29米ドル(実質ベース 7%増、米ドルベース 9%増);主にコア営業利益の拡大による増益効果が株式売却後のロシュ社からのコア営業利益の減少にわずかに影響される
  • フリーキャッシュフローは133億米ドル(米ドルベース 14%増)
  • ロシュ社の無記名株式を207億米ドルで売却。資本配分の優先事項に則り最大で150億米ドルの自社株購入を開始。サンドの戦略的見直しを進める
  • 2021年第4四半期のイノベーションにおける主なマイルストーン:
    • Leqvioが米国で初めてかつ唯一のLDL-C低下作用を示すsiRNA療法として承認される
    • コセンティクスの化膿性汗腺炎(HS)適応に関する第III相臨床試験が主要評価項目を達成
    • 第II相臨床試験においてCOVID-19に対する肯定的データが得られたensovibepの導入に関するオプション権を行使(2022年1月)
    • シェーグレン症候群適応に関するlanalumab肯定的試験データ(第II相臨床試験)が得られる。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および多発性骨髄腫(MM)に対する次世代T-Charge TMプラットフォーム
    • BeiGene社とのociperlimab(臨床後期段階のTIGIT阻害薬)のライセンス契約、UCB社とのパーキンソン病に対する疾患修飾薬の共同開発・共同販売に関する契約に合意
    • Gyroscope Therapeutics社(地図状萎縮に対する遺伝子治療)を買収
  • 2021年の年間配当金は、前年比3.3%増の1株当たり3.10スイスフランを提案
  • 2022年通期業績予想[2] ノバルティス グループの売上高およびコア営業利益は、一桁半ばの成長率を示すと予想。イノベーティブ メディスンの売上高は一桁半ばの成長率、コア営業利益は売上高を上回る一桁台半ばから後半の成長率を予想

202222日、スイス・バーゼル発 ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2021年通期の業績について次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、2021年も売上高の一桁台半ばの成長、コア売上高営業利益率の改善、強力なフリーキャッシュフローを含めた堅調な業績を達成しました。ノバルティスの既存の成長製品がすべての地域で引き続き好業績を示し、中長期的な成長見通しへの自信を支えています。開発パイプラインでいくつかの後退があったものの、ノバルティスは、エンレスト、177Lu-PSMA-617、iptacopan、KisqaliLeqvioなどにおいて重要なマイルストーンを達成しました。今後私たちは、2026年までの承認が見込まれ、大きな売上が期待される20以上のプロジェクトを含めた開発パイプラインの進展ならびに重要なテクノロジープラットフォームの上市に注力して取り組んでいきます。ノバルティスの資本配分の優先事項は引き続きバランスが取れたものとなっており、イノベーションへの投資を続けながら株主への資本還元を行っていきます」

主要数値1
第4四半期(10~12月)

通期(1~12月)


戦略アップデート
ノバルティスは、医薬品事業に特化した企業です。2021年、ノバルティスは、5つのコア疾患領域(心腎臓、免疫、神経科学、オンコロジー、血液)ならびに技術プラットフォーム(標的タンパク質分解、細胞療法、遺伝子治療、放射線リガンド療法、xRNA)を引き続き強化するとともに、バランスの取れた地理的基盤の整備を進めました。短期的な売上高の拡大は、10億ドル以上の売上高を示す複数の製品(コセンティクス、エンレスト、ケシンプタ、ゾルゲンスマ、KisqaliLeqvio)によって牽引されています。2030年までの、そして、さらにその先の成長を促進するものとして、ノバルティスには、潜在的に少なくとも10億米ドルの売上高が期待され、2026年までの承認が見込まれる20以上の新製品が控えています。ノバルティスはまた、先端技術プラットフォームへの転換に先頭に立って取り組んでいます。

ノバルティスは、医薬品事業に特化した企業としての戦略に則り、Roche Holding AG(ロシュ社)の株式を一度の二社間取引によって207億米ドルで売却しました。

サンドの戦略的見直しが進んでおり、ノバルティスは、遅くとも2022年末までに本件に関するアップデートをお知らせする予定です。今回の見直しにおいては、株主価値の最大化につながる方法を決定するために、事業の維持から分離までを含めたあらゆる選択肢を検討していきます。

ノバルティスは、資本配分における規律と株主中心を維持し、既存事業ならびに価値創造型の新規事業への投資と、増配および自社株購入を通じた株主への資本還元のバランスを取っていきます。

ノバルティスは、社会との信頼構築において引き続き大きく前進しました。私たちは、2025年までのScope 1および2、2030年までのScope 1、2、3、2040年までのバリューチェーン全体における二酸化炭素排出量差し引きゼロを掲げ、カーボンニュートラルの達成をコミットしています。ノバルティスのESGへの取り組みは、いくつかの第三者ESG評価機関からの評価引き上げによって認められています。私たちは、長期的な業績向上と競争力強化に向け、インスピレーションと好奇心に富み、非管理的な組織を目指す取り組みを続けています。

財務業績
2021年第4四半期(1012月)の業績
2021年第4四半期の売上高は、委託製造関連の収入がその他の収入から売上高に分類変更となったことによる1ポイントを含む、販売量の11ポイントの伸びが寄与し、132億米ドル(4%増、実質ベース6%増)となりました。販売量の伸びは、価格低下による3ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による2ポイントのマイナス影響によって一部相殺されました。

営業利益は、販売費ならびに研究開発費の増加、売却益の減少、金融資産、偶発的対価によるマイナス要因が売上高の増加を上回った結果、26億米ドル(3%減、実質ベース 1%減)となりました。

純利益は、ロシュ社株式の売却益146億米ドルがあり、163億米ドルとなりました。1株当たり純利益(EPS)は7.29米ドルでした。

コア営業利益は、売上高の伸びによる増益効果が、販売費および研究開発費の拡大により一部相殺され、38億米ドル(9%増、実質ベース 12%増)となりました。コア売上高営業利益率は、1.5ポイント増(実質ベース 1.6ポイント増)の28.9%となりました。

コア純利益は、コア営業利益の増加が、ロシュ社株式の売却に伴う関係会社からの収益の減少ならびに税率上昇により一部相殺されたことが主な要因となり、31億米ドル(3%増、実質ベース 6%増)となりました。コアEPSは1.40米ドル(4%増、実質ベース 7%増)となり、コア純利益よりも高い伸び率を示しました。

フリーキャッシュフローは、前年同期の33億米ドルから30億米ドル(米ドルベース 9%減)に減少しました。法人税の増加と売却益の減少が、非現金項目調整後の営業利益の増加を上回りました。

イノベーティブ メディスンの売上高は、107億米ドル(5%増、実質ベース 7%増)でした。販売量は、委託製造関連の収入の分類変更に伴う1ポイントを含め、売上高の伸びに対し10ポイント貢献しました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、アフィニトール、グリベック、Travatanを中心に3ポイントに上りました。価格によるマイナス影響は、1ポイントでした。医薬品事業部の売上高は、エンレスト、コセンティクス、ケシンプタ、ゾルゲンスマが大きく伸長し、9%増(実質ベース)となりました。委託製造関連の収入108百万米ドルが分類変更され、エスタブリッシュト医薬品に計上されたことにより、医薬品事業部の売上高の伸びに2ポイント貢献しました。オンコロジー事業部の売上高は、Kisqali、タフィンラー・メキニスト併用療法、レボレード、ジャカビの好調に牽引され、3%の伸び(実質ベース)を示しました。

サンドの売上高は、25億米ドル(0%、実質ベース 2%増)となりました。販売量が、委託製造関連の収入の分類変更に伴う1ポイントを含め、11ポイントの伸びを示したものの、価格によるマイナス影響が9ポイントに上りました。欧州の売上高が4%の伸び(実質ベース)を示す一方、米国の売上高は8%低下(実質ベース)しました。バイオ医薬品の全世界での売上高は、555百万米ドル(8%増、実質ベース 11%増)に拡大しました。

2021年通期(112月)の業績
2021年通期の売上高は、516億米ドル(6%増、実質ベース 4%増)となりました。販売量が売上高の伸びに8ポイントの貢献を示したものの、価格低下による2ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による2ポイントのマイナス影響により一部相殺されました。

営業利益は、売上高の増加と訴訟費用の減少による増益効果が、販売費および研究開発費の拡大と無形資産償却費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、117億米ドル(15%増、実質ベース 13%増)となりました。

純利益は、ロシュ社株式の売却益146億米ドルが寄与し、240億米ドルとなりました。EPSは、10.71米ドルでした。

コア営業利益は、売上高の伸びが販売費および研究開発費の拡大により一部相殺され、166億米ドル(8%増、実質ベース 6%増)となりました。コア売上高営業利益率は、0.4ポイント増(実質ベース 0.5ポイント増)の32.1%となりました。

コア純利益は、141億米ドル(7%増、実質ベース 5%増)となりました。コアEPSは6.29米ドル(9%増、実質ベース 7%増)となり、発行済み株式数の加重平均値が減少したことにより、コア純利益の伸びを上回りました。

フリーキャッシュフローは、133億米ドル(米ドルベース 14%増)に増加しました。フリーキャッシュフローの増加は、非現金項目調整後の営業利益の増加と訴訟引当金の支払いの減少によるプラスの影響が、BeiGene社の関係会社からのtislelizumabのライセンス導入に伴う前払金650百万米ドルにより一部相殺されたことが主な要因です。

イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量の伸びによる貢献が9ポイントあり、420億米ドル(8%増、実質ベース 6%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は、Ciprodex、アフィニトール、ディオバン、グリベックを中心に3ポイントに上りました。売上高の伸びに対する価格の影響は、ほとんどありませんでした。医薬品事業部の売上高は、エンレスト、コセンティクス、ゾルゲンスマ、ケシンプタに牽引され、7%拡大(実質ベース)しました。オンコロジー事業部の売上高は、レボレード、Kisqali、ジャカビ、タフィンラー・メキニスト併用療法に牽引され、4%の伸び(実質ベース)を示しました。

サンドの売上高は、96億米ドル(0%、実質ベース 2%減)となりました。販売量は、委託製造関連の収入の分類変更に伴う1ポイントを含め、7ポイントの伸びとなりました。価格によるマイナス影響は9ポイントとなり、販売量の伸びを上回りました。欧州の売上高は2%の減少(実質ベース)を示し、米国の売上高は15%減少(実質ベース)しました。バイオ医薬品の全世界での売上高は、米国以外での販売の伸びと米国でのZiextenzo(pegfilgrastim)の好調が続いたことにより、21億米ドル(10%増、実質ベース 7%増)となりました。

2021年第4四半期の成長の主な原動力
第4四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました(第4四半期の売上高の伸びに対する貢献順):

 

 

 


イノベーティブ メディスン売上上位20製品2021年)


研究開発関連のアップデート4半期の主な進捗
新規承認


承認審査関連の最新情報


進行中の臨床試験の結果およびその他のハイライト

 

* 取引の完了には、規制当局の承認を含む通常の取引完了条件を満たす必要があります。ノバルティスおよびGyroscope Therapeutics社は、取引完了まで引き続き個別の独立した企業として事業運営を行います。

資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは、今後も引き続き優先されます。

2021年通期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2020年11月に発表された最大で25億米ドルの自己株式購入の一環としての1,960万株(18億米ドル)、ならびに社員持ち株制度による希釈化影響を緩和するための860万株(8億米ドル)、2021年12月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入の一環としての250万株(2億米ドル)を含め、合計3,070万株の自己株式を28億米ドルで買い戻しました。さらに、150万株(1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2021年通期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,030万株(株式価値8億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2020年12月31日時点と比べて2,190万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が21億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は30億米ドルとなりました。

2021年12月31日現在の純負債額は、2020年12月31日時点の245億米ドルから9億米ドルに減少しました。236億米ドルの減少は、主にロシュ社株式の売却益207億米ドルならびに2021年通期のフリーキャッシュフロー133億米ドルが、74億米ドルの年間配当金の支払いと30億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)によって一部相殺されたことによります。

2021年通期、ノバルティス グループでは、COVID-19の状況に関連した流動性またはキャッシュフローに関する混乱は見られませんでした。私たちは、ノバルティスが金融債務の返済能力を備えており、通常の事業活動をサポートするのに十分な流動性を確保していると考えています。

2021年第4四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。

2022年通期業績予想
不測の出来事を除く

この業績予想は、処方のダイナミクスを含めた全世界の医療システムが通常に戻る傾向が続くこと、さらに、米国においてサンドスタチンLARのジェネリック医薬品が市場に参入しないことを前提としています。

外国為替の影響
2022年1月下旬の為替レートが2022年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2022年通期での為替の影響は、売上高に対しマイナス3ポイント、コア営業利益に対しマインス4ポイントとなると予想しています。業績に対する為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約11万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.com
  1. 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の50ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載される場合を除き、すべて前年同期に対するものです。
  2. 業績予想の前提条件に関するガイダンスの詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧下さい。

以上

 

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬
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会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
レオ・リー
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月