中学生の人形浄瑠璃部員が小学生へ浄瑠璃を披露
豊城中学校の人形浄瑠璃部は、校区内の豊橋市飽海町で江戸時代の慶長の頃から始まり400年の歴史があるとされる、豊橋市の指定無形民俗文化財「飽海人形浄瑠璃(あくみにんぎょうじょうるり)」を保存・継承する活動を行っており、これまで15年に渡り活動してきました。さまざまなイベントや文化祭で演目を披露しており、地元の吉田文楽保存会が講師を務めています。1体の人形を3人で操り、太夫(語り手)と三味線が紡ぐストーリーに合わせて、物語が展開します。
今回の演目は、「あな、懐かしや」などの昔ながらの言葉遣いや歴史背景が小学生にとって難しいため、少しでもわかりやすいようにと、スライドを作って物語のあらすじや登場人物を説明した上で、浄瑠璃を披露しました。
豊城中学校の生徒が八町小学校で公演を行うのは初めて。今回の公演は八町小学校の稲田教頭の「子どもたちに生の伝統芸能、それも自分たちが住んでいる地域の芸能を体感してもらいたい」という思いから実現したとのことです。
八町小学校の稲田教頭は、「地域の歴史や文化を学ぶ上で、飽海人形浄瑠璃ははずせない存在」と語る一方で、「子どもたちが地域の伝統芸能に触れる機会が減少している」と感じており、「生の人形浄瑠璃を子どもたちに見せたかった」と語ります。昭和50年代には八町小学校にも人形浄瑠璃のクラブが存在していましたが、現在では存続されていません。
公演を見た八町小学校6年の鈴木さんは「3人で人形を操っているのに、動きが不自然でなくすごいと思った。話は難しかったけどなんとなくわかった。人形が驚く仕草が、本当に驚いているようだった」と感想を話してくれました。
豊城中学校人形浄瑠璃部部長の2年佐藤さんは、テレビで人形浄瑠璃を見たことが興味を持ったきっかけと言い、「人形によって表情が変わるところが魅力。小学生に興味を持ってもらい、すごいと思ってもらっただけで嬉しい。来年以降豊城中学校に入学してくる際に、入部してくれると嬉しい」と今後の活動への意欲を見せてくれました。
10月には八町小学校3年生を対象に、実際に人形操作を体験する「吉田文楽体験講座」が開催される予定。稲田教頭は「今日の公演を人形浄瑠璃との出会いとし、今後より深く知っていってほしい」と思いを語ります。
なお、豊城中学校人形浄瑠璃部は設立以来の無形民俗文化財の保存・継承活動を認められ、令和4年度愛知県教育文化奨励賞教育委員会表彰を受賞しました。
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