神奈川県が新型コロナウイルス感染症患者の搬送管理にkintoneを採用

県がマッチングを支援し、医療機関間のスムーズな転院を実現

サイボウズ株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役社長：青野慶久、以下「サイボウズ」）は、新型コロナウイルス感染症対策として緊急医療体制「神奈川モデル」の一環として行われている「後方搬送」を円滑に実現するための基盤として、kintone（キントーン）が採用されたことを発表いたします。これにより、容態が回復した患者を重点医療機関から他の医療機関へ転院させる際の調整を効率化し、病床利用率の低下を実現します。

■神奈川県が推進する「後方搬送」の概要
新型コロナウイルス感染症による医療崩壊を防ぐ「神奈川モデル」では、中等症・重症患者を診る医療機関を選別し、医療リソースを集約する方針でした。しかし、陽性者数の増加に伴い、中等症・重症患者の容態が回復した後に、別の医療機関に搬送する「後方搬送」件数を増やさなければ、新規感染者の入院受入れが難しいという状況になりつつありました。
そこで県では、新型コロナウイルス感染症が軽快したものの引き続き入院が必要な患者の転院を円滑に進め、同感染症患者に対応する病床を有効に活用していくため、後方搬送の神奈川モデルを構築しました。本モデルでは、県の後方支援病院確保チームが転院先となる医療機関への働きかけを行うとともに、後方搬送調整チームが医療機関間の転院の調整を支援することで、円滑な転院を実現しています。kintoneは本モデルにおける後方搬送マッチングシステムとして活用されています。

神奈川県が推進する後方搬送の概要

■kintoneで構築した後方搬送マッチングシステムの概要
神奈川県の後方搬送マッチングシステムはワークログ株式会社（https://www.worklog-inc.com/）が約1週間で開発を行いました。医療機関が該当者の基礎情報を登録し搬送を依頼する「搬送調整依頼アプリ」、受入可能な医療機関を検索する「受入可能医療機関アプリ」、医療機関のマスターデータとなる「下り搬送に係る調査アプリ」等で構成されています。

後方搬送マッチングシステムの全体設計

 

「搬送調整依頼アプリ」に搬送したい患者の情報を登録し、医療機関・県職員と共有します。

 

 

「受入可能病床管理アプリ」では受入可能な患者の条件（診療科、入院期間など）で絞り込みを行い、 検索結果を地図上で確認できます。

■取組の成果
新型コロナウイルス感染症に限らず、転院先を探すために通常は1日以上を要しますが、後方搬送の仕組みでは9割以上が2時間半程度で転院先が見つかっておりスムーズな調整が実現しています。

■神奈川県におけるその他のkintone活用例
神奈川県においては、新型コロナウイルス感染症対策に関わる戦略的モニタリング基盤としてkintoneを採用しているほか、2020年11月に全国に先駆けて開設した「発熱等診療予約センター」の管理システムとしても活用されています。
 

神奈川県発熱等診療予約センターでは、診療希望者と医療機関との予約調整を県が代行

■神奈川県医療機関調整担当部長 足立原 崇様のコメント
本県では、新型コロナウイルスの感染症の流行が始まった昨年3月から、全国に先駆けて構築した緊急医療体制「神奈川モデル」の中で、様々な情報を集約する基盤としてサイボウズ株式会社様のkintoneを活用させていただき、医療機関や市町村や保健所などと情報を共有し、連携を図ってきました。
さらに、昨年末のコロナ感染症患者の急増に伴い、これに対応する病床を有効に活用していくため、コロナは軽快したものの、引き続き入院が必要な患者の転院を円滑に進める「後方搬送の神奈川モデル」を構築し、「後方搬送マッチングシステム」を稼働させましたが、その情報基盤として、kintoneを活用しています。
搬送先となる後方支援病院が受入可能病床数や診療科などを登録することで、神奈川モデル参画医療機関が互いに照合できます。また、患者の搬送元となる病院が性別、年齢、転院を希望する市区町村などの患者情報を登録し、互いに照合できるこの「後方搬送マッチングシステム」を活用することで、効率的な転院調整ができるようになりました。

■自治体向けの導入相談窓口
サイボウズ株式会社 営業本部 営業戦略部 公共グループ
MAIL：[e-mail]

■kintoneとは
製品サイト：https://kintone.cybozu.co.jp/
サイボウズ株式会社が提供する、業務アプリ開発プラットフォームです。営業の案件管理、お客様からの問い合わせ履歴やクレーム対応の管理、プロジェクトの進捗やタスク管理、従業員の業務日報など、お客様の用途に合わせた業務アプリの作成が可能です。アプリケーションはノンプログラミングで開発できます。また、社内SNSのようなコミュニケーション機能を活用することでスピーディな情報共有が可能になり、業務効率化を実現します。

■新型コロナウイルス感染症「後方搬送」の神奈川モデルについて
2021年2月９日 公開 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/prs/r3065400.html

■神奈川県での新型コロナ対策にkintoneを活用
新型コロナウイルス感染症対策に関わる戦略的モニタリング基盤としてkintoneを採用
2020年3月11日 公開 https://topics.cybozu.co.jp/news/2020/03/11-8780.html




※記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。また、当社製品には他社の著作物が含まれていることがあります。個別の商標･著作物に関する注記については、下記をご参照下さい。
http://cybozu.co.jp/company/copyright/other_companies_trademark.html