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【国立科学博物館】⿓涎⾹の⼈⼯的な合成系を確⽴して、新しい薬理活性を発⾒しました

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 新潟⼤学農学部(⽣物有機化学分野)の佐藤努教授・上⽥⼤次郎助教、同⼤学⻭学部の柿原嘉⼈助教、農学部の原崇准教授、国⽴科学博物館の⼭⽥格博⼠・⽥島⽊綿⼦博⼠らの共同研究グループは、マッコウクジラ由来の「幻の⾼級⾹料・漢⽅薬」である⿓涎⾹の⼈⼯的な合成系を確⽴して、⾻代謝改善とアルツハイマー病の薬剤につながる可能性がある新しい薬理活性を発⾒しました。⿓涎⾹を⾹料や薬剤等として利⽤するための新たな道を拓く成果です。
 本成果は、2020 年 11 ⽉ 12 ⽇付で、Scientific Reports 誌に掲載されました。

【本研究成果のポイント】


● 微⽣物の酵素を⼈⼯的に改変して創出したアンブレイン合成酵素によって、アンブレイン(⿓涎⾹の主成分)の効率的な酵素合成法を確⽴しました。
● アンブレインから⿓涎⾹の⾹気成分への効率的な化学変換に成功しました。
● ⾻代謝改善とアルツハイマー病予防に働く可能性があるアンブレインの新しい薬理活性を発⾒しました。


 
  • Ⅰ.研究の概要 
 まず、細菌の酵素を改変することにより、アンブレインを⼤量⽣産するための「アンブレイン合成酵素」を創出しました。アンブレインの収率は、以前報告されたものの約 20 倍向上できました。次に、アンブレインから⿓涎⾹の⾹気成分への効率的な化学変換系を確⽴しました。⾹気成分の収率は、既知の⽅法や天然の⿓涎⾹の約 8〜15 倍でした。光増感剤の種類によって、⾹り成分の⽐率が異なっており、反応条件によって「⼈⼯⿓涎⾹」の⾹りを変えることができることが⽰唆されました。最後に、酵素合成したアンブレインを⽤いて、破⾻細胞の分化促進とアミロイドβ誘導性神経細胞死の抑制という 2 つの新しい薬理活性を⾒出しました。今後、⾻代謝改善とアルツハイマー病予防に働く薬剤の開発につながる可能性があります。
 

 

⽣合成経路が不明な希少天然物、アンブレインを研究室内で創出した酵素を使った⼈⼯⽣合成経路で合成し、その合成効率を⾶躍的に⾼めることができました。アンブレインの⽣合成においては、真の⽣産者のみならず天然由来の⽣合成酵素も未だ特定されておりません。本研究は、⽣合成遺伝⼦の利⽤の適⽤が困難な天然物を異なる⽣合成酵素のデザインから創出したことに⼤きな意義を持ちます。 

図1:龍涎香の人工的な合成系の確立と新しい薬理活性図1:龍涎香の人工的な合成系の確立と新しい薬理活性

  • Ⅱ.今後の展開 
 本研究基盤は、⿓涎⾹を⾹料や薬剤等として利⽤するための新たな道を拓く成果です。加えて、天然を凌ぐ薬理活性や⾹りを持つ「⼈⼯⿓涎⾹」の創出にもつながるものであり、現在、さらなる成果創出に向けた産学連携・異分野融合の共同研究を進めています。 
 
  • Ⅲ.研究成果の公表
論⽂タイトル:Construction of an artificial system for ambrein biosynthesis and investigation of some biological activities of ambrein 
著者:Yota Yamabe1#, Yukina Kawagoe1#, Kotone Okuno1, Mao Inoue1, Kanako Chikaoka1, Daijiro Ueda1, Yuko Tajima2, Tadasu K Yamada2, Yoshito Kakihara3*, Takashi Hara1* and Tsutomu Sato1* 

 1 Department of Agriculture, Faculty of Agriculture, and Graduate School of Science and Technology, Niigata University, 8050 Ikarashi-2, Nishi-ku, Niigata, Japan 
 2 Department of Zoology, National Museum of Nature and Science, Tsukuba, Ibaraki, 4-1-1Amakubo, Japan 
 3 Division of Dental Pharmacology, Faculty of Dentistry & Department of Tissue Regeneration and Reconstruction, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, 2-5274 Gakkocho-dori, Chuo-ku, Niigata, 951-8514, Japan. 

#These authors contributed equally to this work. 
*) Corresponding authors 

掲載:Scientific Reports volume 10, Article number: 19643 (2020)
doi: 10.1038/s41598-020-76624-y 

<サポート> 
 本研究は、2017〜2018 年度 U-go グラント(学内の異融合研究プロジェクト)、科学研究費補助事業・基盤研究 B(課題番号 18H02145)・挑戦的研究(萌芽)(課題番号 19K22273)・新学術領域研究「⽣合成リデザイン」(課題番号 19H04648)・研究活動スタート⽀援(課題番号19K23663)によって実施されました。 

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本社所在地
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111
代表者名
都倉俊一
上場
未上場
資本金
-
設立
1968年06月
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