交換用胃ろうカテーテル「イディアルボタンZERO」を発売
独自の低侵襲設計により、より安全な手技をサポート
オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、体外から胃に直接栄養を送るための交換用胃ろうカテーテル「イディアルボタンZERO」を、2023年6月30日から国内で発売を開始します。
経皮内視鏡的胃ろう造設術(PEG [ペグ]:Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)とは、口から食事を取れない、あるいは飲み込むことが困難な患者さんの胃に栄養を送るため、内視鏡を用いて体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくる手技です。また胃ろうカテーテルは、その穴に留置させ胃に直接栄養剤等を投与するチューブで、定期的な交換が必要となります。
今回発売する「イディアルボタンZERO」は、カテーテル先端を挿入時にカプセルへ収納するなど、従来に比べて手技の安全性をさらに高める独自の設計を実現しました。これにより、カテーテル交換における、患者さんの苦痛と医療従事者のストレス軽減、医療事故リスクの低減に貢献します。
▪発売の概要
製造販売元はSBカワスミ株式会社です。
▪主な特長
1.カテーテル先端のバンパー(胃内部ストッパー)がカプセルに収納された独自構造により、安全でスムーズな 挿入手技をサポート
2.形状記憶ワイヤを先に引き抜くことで、バンパーを収縮した状態で抜去でき、患者さんの苦痛軽減に寄与
イディアルボタンZERO
▪発売の背景
近年、高齢化に伴う脳血管障害や神経疾患などを始めとして、食事を口から取れない、あるいは飲み込むことが困難な患者さんが増えています。PEGは、そのような患者さんが必要な栄養を摂取し生命を維持するだけでなく、再び自力で食事をするためのリハビリにも重要な役割を担っています。また頭頸部がん治療における支持療法としての適用も拡大しています。いずれも、PEGによって十分な栄養摂取が可能なことにより、少しずつ自力で食事をしたり、体力、免疫力を落とさず治療に専念したりすることをサポートします。
交換用胃ろうカテーテルには、バンパー型とバルーン型の2種類があります。バンパー型は、カテーテルが抜けにくく交換までの期間が長い一方で、交換時には多少の痛みが伴うため、患者さんだけでなく医療従事者もストレスに感じることがありました。
今回発売する「イディアルボタンZERO」は、バンパー型を採用しながらも、手技の安全性をさらに高める独自の設計により、カテーテル交換における患者さんの苦痛や医療従事者のストレス軽減、医療事故のリスク低減に寄与します。オリンパスは、本製品により、PEGを必要とする多くの患者さんの治療・回復に貢献することを目指します。
左:バンパー・ボタン型、右:バルーン・ボタン型
▪主な特長の詳細
1. カテーテル先端のバンパー(胃内部ストッパー)がカプセルに収納された独自構造により、安全でスムーズな挿入手技をサポート
留置時の意図しない抜去を防ぐため、カテーテル先端のバンパーは挿入ルート(ろう孔)よりも大きくなっています。本製品は、バンパーをカプセルに収納する独自の構造にすることで、スムーズな挿入をサポートし、腹腔内誤挿入のリスク低減に寄与します。挿入後はカプセルを胃内に脱落させバンパーを展開することで、カテーテルを留置します。
バンパー展開イメージ
カプセルは胃内で溶解する素材でできている。
2. 形状記憶ワイヤを先に引き抜くことで、バンパーを収縮した状態で抜去でき、患者さんの苦痛軽減に寄与
本製品は、独自の技術により、シリコンの膜と形状記憶ワイヤのリングにより形成したバンパーを実現しました。これにより、留置時は形状記憶ワイヤのリングが展開していることにより意図しない抜去を防ぎます。また、交換時にカテーテルを抜去する際には、形状記憶ワイヤを先に引き抜くことでバンパーにはシリコンの膜のみが残ります。シリコンの膜は折り畳まれた状態で回収できるため、患者さんの苦痛および医療従事者のストレス軽減に寄与します。
左:留置時のバンパー、右:抜去時のバンパー
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
オリンパスについて
オリンパスは「私たちの存在意義」として掲げる、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指しています。世界をリードするメドテックカンパニーとして、私たちは医療従事者の方々と共に、病変の早期発⾒、診断、そして低侵襲治療に役立つ最適なソリューション・サービスの提供を通じて対象疾患における医療⽔準の向上に貢献してまいります。創業から100余年、オリンパスはこれからも世界中のお客様に最適な価値をもたらす製品を提供することで、社会への貢献を目指します。詳しくはオリンパスの公式サイト(www.olympus.co.jp)ならびにTwitter(@Olympus_Corp_JP)をご覧ください。
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