国産SAFのサプライチェーン構築に向けた「廃食用油の供給および利用に関する基本合意書」を締結
~全国の病院や介護施設5,500事業所からの廃食用油をSAF原料として供給へ~
今回の基本合意による各社の役割は以下のとおりです。
① 日清医療食品は受託している約5,500件の病院や介護施設、保育園等の厨房から出る廃食用油をSAFの原料として供給いたします。日清医療食品の病院給食の受託市場における企業シェアは業界トップの33%*にのぼり、今回の取り組みによる廃食用油の供給量は年間最大およそ120万ℓを見込んでいます。
② レボインターナショナルは、全国の日清医療食品受託施設より廃食用油を収集し、サファイア・スカイ・エナジーが運営するSAF製造装置向けに引き渡します。
③ サファイア・スカイ・エナジーは、2024年度下期~2025年度初頭の生産開始を目指し、大阪府堺市で建設中の日本初となる国産SAFの大規模生産プラントにおいて、レボインターナショナルから引き取った廃食用油を原料としてSAFの製造を行います。本取り組みによる廃食用油から年間最大約100万ℓのSAF製造を見込んでいます。
④ 日揮HDは、廃食用油を原料とするSAF製造事業に関するサプライチェーンの全体構築を主導します。
本取り組みによるCO2削減量は年間約2,700トンとなります。
*日清医療食品の受託施設数、ならびに病院給食の受託市場における企業シェア(2023年7月「給食受託シェア・カバレッジ状況」)
【日清医療食品が本取り組みの基本合意に至った背景】
日清医療食品は医療インフラを支えている病院給食のリーディングカンパニーとして1日に約130万食を日本全国の病院や介護施設、保育園等に提供しています。今回の基本合意である廃食用油の供給が、今後、広く給食業界全体にも拡がることで、国産SAFの普及や地球環境保全に資する資源循環促進の契機となることを企図しています。
日清医療食品は、ヘルスケアフードのオンリーワン企業として、これまでも食を通じて日本の医療福祉サービスの質の向上に貢献してまいりました。この度、レボインターナショナル、日揮HD、サファイア・スカイ・エナジーという全く業態の異なる企業との協創により、日清医療食品単独では達成が難しかった食を通じた脱炭素への貢献が可能となります。今回の取り組みは誰しもが脱炭素に貢献できる可能性を示しており、全国の受託施設やおよそ5万人の日清医療食品社員に対する、SAFを通じた資源循環による脱炭素社会実現の普及・啓発についても、レボインターナショナル、日揮HD、サファイア・スカイ・エナジーと共に実施していく考えです。
【SAFが注目されている理由】
SAF(Sustainable Aviation Fuel)は、廃食用油などを原料とする航空燃料として、従来の航空燃料と比較し二酸化炭素排出量を大幅に削減することが可能なエネルギーです。航空機は自動車などと違い、電気や水素などの燃料では代替しにくいことからSAFの利用によるCO2排出削減が世界で求められています。
日本では、国土交通省が2030年時点で国内航空会社による燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、さらに2050年には、カーボンニュートラルにすることを目指しています。その実現に向けて、政府の「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」では、エネルギーセキュリティの確保やライフサイクルでの二酸化炭素削減効果の向上の観点から、国産原料の活⽤が重要である一方、国内で排出される廃⾷用油は全体の約 3割(約10万トン強)が海外に輸出されていると指摘されており、国内での活用拡大が期待されています。
【国産初のSAF大規模生産事業の概要】
日揮HD、レボインターナショナルは、コスモ石油株式会社と共同で国内での廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年に新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指しています。なお、本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より採択※を受けた助成事業です。
※NEDOホームページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100312.html
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