激動の海運市況:2025年の総括と2026年の展望
Shippioはサプライチェーン強靭化に繋がるAI時代の貿易DXを推進

貿易DXを推進する株式会社Shippio(本社:東京都港区、代表取締役CEO:佐藤 孝徳、以下Shippio)は、2025年12月に開催したオフラインイベント「海運トレンド2025年振り返りと2026年見通し–激動の一年を振り返り、どう備えるか–」の内容をもとに、海運市況の2025年の総括と2026年の展望をまとめました。相次ぐリスクにより「これまでの常識」が通用しなくなった今、Shippioが推進してきた活動と、提供価値の進化についても併せてご報告いたします。
日本郵船 調査グループ・原 源太郎氏による、2025年の総括と2026年の展望
2025年の総括:”不透明さ”を契機とした現状確認
世界全体の2025年のコンテナ荷動きは、8月に過去最多を記録しました。関税により年初は荷動きの減速が予想されましたが、中国の輸出貨物が増加したことにより、増加率は当初予想を上回りました。
関税を避けるため中国から東南アジアへの生産拠点移転が進行したことも特記事項となります。その結果、アジア域内の荷動きは拡大し、荷動きの遠洋と域内の『二層構造』がはっきりとしてきました。インド・中東・アフリカ向けが2桁成長を遂げたことも、大きな変化となりました。
中東情勢の影響で喜望峰の迂回運航は今なお続いています。迂回に必要な船腹は2024年末までには竣工しています。今年竣工した新造船は、荷動きのさらなる拡大に対応するものとなりました。


2026年の展望:変動する状況下でも安定輸送できる体制が要
引き続き中東情勢、ウクライナとロシア、タイとカンボジアの国境衝突など、地政学のリスクに対しては、サプライチェーンが「止まらない仕組み」が必要です。変化に際しては現状確認を続けることが、仕組みづくりには重要です。
また、スエズ運河が再開する場合、喜望峰ルートとスエズルートからの本船が同時到着することにより、欧州およびアジアの港湾混雑が悪化する可能性もあります。さらに、米国では中間選挙も控えています。関税など制度変化の可能性もふまえ、米国向け荷動きにも注視する必要があります。

Shippioエバンジェリスト 川嶋 「貿易DXは”競争力の前提条件”へ」
2025年を振り返り2026年を見通す中で見えてくるのは、企業競争力の源泉は「価格で競うサプライチェーン」ではなく、「混乱時でも機能し続ける仕組み」にあるということです。
こうした予測不可能な状況下でも安定輸送の維持を可能にするには、貿易情報の一元化と動静の可視化、そしてさらなる貿易データの活用といった変革が重要になってくると考えます。Shippioが多くの企業の貿易の基盤となれるよう、引き続きShippio Platformの拡充、並びに海運市況の発信活動に励んでまいります。

Shippio 2025年の進捗(1):AI活用を前提とした開発と資金調達
激動する貿易領域において2025年、Shippioは単なる業務効率化ツールを超え企業のサプライチェーン戦略に寄与するプラットフォームへと進化すべく、あらゆる角度から活動を推進してまいりました。特に象徴的な出来事をピックアップいたします。
▼詳細は以下の記事もご一読ください。
Shippio note:Shippioの2025年(1)ハイライトで振り返る

ピックアップニュース
■ 2025年3月:ビジョン・ミッションの刷新と「Shippio Platform構想」を宣言
ミッション「産業の転換点をつくる」ビジョン「国際物流を、アドバンストに」に刷新。併せて貿易総合プラットフォーム”Shippio Platform構想”を発表し、荷主・物流事業者の双方が Shippioで繋がることで、属人化された情報、コミュニケーション、プロセスの統合を目指すことを宣言しました。
■ 2025年6月: 貿易DXに取り組む企業を讃える「Shippio Advanced Award」を初開催
2025年に新設した「Shippio Advanced Award」では、 貿易DXという変革を推進する6社の企業を表彰いたしました。
■ 2025年9月:新サービス、AI通関クラウド「Shippio Clear」提供開始
”Shippio Platform”4つ目のサービスとしてAI通関クラウド「Shippio Clear」を発表いたしました。手作業が当たり前であった通関業務をAIで自動化し、劇的な効率化を実現するサービスにより、通関の価値を再定義することを目指しています。
■ 2025年10月:シリーズC 32.4億円の資金調達
調達した資金は、プロダクト開発の加速、M&A、組織拡大に充当。「2030年までに日本発着貨物の30%シェア獲得」を目指す野心的な目標に向け、基盤を強固なものにしてまいります。
■ DX、AI関連で3つのアワードを受賞
DX推進やAI活用の取り組みが評価され、2025年は3つのアワードで受賞いたしました。長年、業務のやり方が変わらなかった領域におけるテクノロジー活用、老舗通関会社との共創といった新たな取り組みをご評価いただきました。
・7月:日本DX大賞2025「事業変革部門」大賞
・10月:ニッポン新事業創出大賞 最優秀賞
・12月:生成AI大賞2025 特別賞
Shippio 2025年の進捗(2)導入事例から見える提供価値の広がり
サービスの提供対象は荷主企業に加え物流事業者に広がり、2024年に提供開始した物流事業者向け貿易管理クラウド「Shippio Works」は1年で導入企業80社を突破いたしました。
こうした顧客層・顧客数の拡大もあり、2025年はShippio導入企業の貿易DX事例が数多く集まる年にもなりました。その内容からはサービスの提供価値が、従来の「可視化・標準化・効率化」から「コスト削減」「サプライチェーン強靭化」にまで広がっていることが見て取れます。

【広がる提供価値と顧客事例(抜粋)】
部門間・関係各社との連携の強化
YKK AP株式会社様( Shippio Cargo利用)
部門間での確認・問い合わせの往復が減少、情報の解釈違いや手戻りが発生しにくくなり、在庫最適化・納期調整といった物流を起点とした部門横断の議論がしやすくなった。
株式会社ダイフク様( Shippio Cargo利用)
現地の担当者や海外拠点からの問い合わせが大幅に削減され、社外パートナーも含めたスムーズな連携を実現。組織全体でデータを共有し、多角的な視点でアドバイスを送り合える強固な体制へ。
顧客満足度の向上
三井物産グローバルロジスティクス株式会社様( Shippio Works利用)
業務の透明性と迅速性は顧客体験の向上にも直結し、営業活動の強力な後押しにもなっており社内では Shippio Worksを「営業の武器」と呼ぶほどまでになっている。顧客への迅速な提案とスムーズな案内が可能となった。
コスト可視化・削減
ナカ工業様( Shippio Forwarding利用)
導入後は、輸送費の大幅な削減を実現した。原価の内訳が明確になったことで、工場や購買部門全体のコスト意識が向上した。またShippioで日常業務が後任に引き継げたので、集中購買品の価格交渉、原価管理、商社との契約更新といった上流の購買マネジメントに注力できている。
サプライチェーン強靭化
アイシン様( Shippio Cargo利用)
サプライチェーン全体の可視化をかなえるピースとしてShippioで得られる船の動静データを活用する。リードタイムの精度向上や在庫最適化といった全体最適化の基盤構築を進めている。この取り組みをグローバル約40拠点へ展開し、「2030年までの物流コスト半減」を目指す。
最後に
2025年は改めて Shippioの目指す未来をミッション・ビジョンで宣言し、貿易プラットフォームとして事業を着実に前進させてまいった1年となりました。また、AI活用サービス・機能の開発も進捗し、それが様々な企業で活用されるとともに外部からご評価いただく機会にも恵まれ、AIと貿易業務との相性のポテンシャルを実感しています。
2026年も引き続き日本の貿易DXを推進する企業として、多くのステークホルダーや政府と連携を深め、島国である日本に欠かせない貿易というインフラを支えるプラットフォームとなれるよう、事業・プロダクト開発を前進させてまいります。

株式会社Shippio
Shippioについて
Shippioは「国際物流を、アドバンストに」をビジョンに掲げ、貿易プラットフォームを構築しています。Shippioの提供するクラウド上では、貨物船トラッキングや見積もり・発注、貿易書類の一元管理・関係者間での情報共有、チャットコミュニケーション等が可能となり、デジタルを活用したビジネスプロセスの構築とオペレーションの提供を通じて貿易DXを推進しています。
https://www.shippio.io/
Shippio会社概要
会社名 :株式会社Shippio (英語名: Shippio, Inc.)
所在地 :東京都港区芝浦1-1-1 BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S 9階
代表者 :代表取締役 佐藤 孝徳
設立 :2016年6月
事業内容:国際物流プラットフォームの企画・開発・運営
URL :https://www.shippio.io/corp/
取得ライセンス等:第一種 貨物利用運送事業者(関自貨第1714号)、第二種 貨物利用運送事業者(国総国物第107号)、第二種 貨物利用運送事業者(国自貨第386号)、IATA公認代理店認可取得
一般社団法人 国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)正会員、国際複合一貫輸送約款(2013)、WAYBILL約款(2013)(国総国物第107号の2)
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