新型コロナウイルス検査を外国人向けに「やさしい日本語」で
通訳同行が困難な検査場面で使えるフレーズを動画で公開
順天堂大学医学部医学教育研究室の武田裕子教授は、医療現場における外国人支援の一環として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査の際に活用できる動画『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス検査編-』を作成し公開しました。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本で生活する外国人が医療機関で検査を受けるケースも多く見受けられていますが、受診にあたり言語面のサポートが必要な場合でも、感染の恐れから検査の場に通訳者の同行がかなわなかったり、通訳者不足から十分なサポートが受けられない事態が生じています。一方で、検査の際に医療者が使う表現は定型的なものも多く、「やさしい日本語」に置き換えることで理解できるケースも多く見込まれます。そこで、新型コロナ禍における医療現場での外国人支援に役立てることを目的に、実際の検査場面で使われる「やさしい日本語」の表現をまとめた動画教材を作成。新型コロナウイルス検査を行う所定の検査・医療機関の医療者に広く活用いただけるよう、無料で公開しています。
「やさしい日本語」とは…
動画『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス検査編-』について
新型コロナウイルス検査時の声かけで使われる表現を、日本語を母語としない外国の方にも理解される「やさしい日本語」を用いて説明しています。新型コロナウイルス検査を行う所定の検査・医療機関の医療者向けに、全国の検査場面に共通する一連の流れをまとめました。患者さんの入室から体温測定、血圧測定、酸素飽和度測定、検査実施、検査終了後の声かけまでの流れを、通常使われる表現と「やさしい日本語」の表現を比較しながら、イラストを交えてわかりやすく伝えます。
検査時のこんなフレーズを「やさしい日本語」で表現
動画イメージ(体温測定)
〇通常使われる表現
→体温を測定して頂けますか? 腋(わき)の下に挟んでしばらくお待ちください。
◎「やさしい日本語」の表現
→熱を測ります、調べます。ここに挟んでください(※検査者が、自分の腋の下に指を挟んで見せます)
- ポイント:漢語を和語にする。身体の部位や場所は、言葉ではなく実際に示す。身体に触れられたくない文化の方に配慮する。
〇通常使われる表現
→お鼻の中に綿棒を差し入れます。
◎「やさしい日本語」の表現
→鼻にこれを入れます。(※「綿棒」を相手に見えるように示します)
- ポイント:「お」をつけない。言葉ではなく、実物を見せる。なるべく簡単な言葉にする。
<フレーズ3:検査終了時の説明の場面>
〇通常使われる表現
→結果の方は、後日、電話でお知らせさせていただく形になります。
◎「やさしい日本語」の表現
→明日には、結果が出ます。電話をします。
- ポイント:日時は具体的に伝える。カレンダーを指さすと伝わりやすい。一文を短くする。尊敬語や謙譲語は避けて丁寧語を用いる。「です」「ます」で文章の終わりを、はっきり述べる。
動画と合わせて解説用リーフレットや問診票も無料で公開
動画『医療で用いる「やさしい日本語」-新型コロナウイルス検査編-』は、新型コロナウイルス検査を行う所定の検査・医療機関の医療者に広く活用いただけるよう、無料で公開しています。動画は、 医療×「やさしい日本語」研究会(助成:JSPS科研費18H03030及びトヨタ財団特定課題2019年度「外国人材の受け入れと日本社会」) と共同で作成しており、この動画で用いられている「やさしい日本語」とその解説リーフレット(PDF)、「やさしい日本語」言い換え版の問診票(PDF)は同研究会ウェブサイトよりダウンロードいただけます。
- 動画公開サイト : https://www.juntendo.ac.jp/co-core/consultation/yasashii-nihongo2020.html
- 医療×「やさしい日本語」研究会ホームページ: https://easy-japanese.info/
武田裕子教授コメント
武田 裕子 教授
<関連記事のご紹介:順天堂大学特設サイト「CO-CORE」>
■社会的処方を身につけ、本当の意味で患者さんに寄り添える医師を育成(武田裕子教授インタビュー)
→ https://www.juntendo.ac.jp/co-core/education/yuko_takeda.html
■日本で暮らす外国人のための医療関係者向け「やさしい日本語」ワークショップを開催
→ https://www.juntendo.ac.jp/co-core/education/yasashii-nihongo.html
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