世界40カ国・地域におけるスマートフォンのOS・機種のシェア調査【2025年7月版】
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このたび、世界40カ国・地域を対象に、2024年5月から2025年5月までのモバイルにおける主要OS、主要機種メーカーの国別のシェア状況を調査しましたので、その結果をお知らせいたします。
前回(2024年06月27日)のリリースはこちらをご覧ください。
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■調査結果の概要
2025年5月の全世界におけるモバイルのOSおよび機種のシェア率は、昨年調査時と大きな変化はなく、OSシェアではAndroidが、機種メーカーシェアではAppleが1位となりました。
※( )内、対前年同月比
<OSシェア(全世界)>
1位 Android:72.72%(+1.2%)
2位 iOS:26.2%(-0.8%)
<機種メーカーシェア(全世界)>
1位 Apple:26.92%(-0.8%)
2位 Samsung:22.71%(-1.3%)
一方、国・地域別に見ると、シェア率に変化が表れるケースも見受けられました。
OSシェアでは、フィリピンやメキシコにおいて、Androidのシェア率が増加しました。フィリピンでは対前年同月比で+9.0%となる92.65%、メキシコでは、対前年同月比で+10.4%となる87.6%へ急伸し、他の国や地域と比較して顕著な変動が見られました。
インドネシアでは、Appleの「iPhone16」の販売禁止により、機種のシェア率にも影響を与えました。一方、Xiaomiについては、製品戦略と販売体制などが効果を発揮し、機種のシェア率で1位に浮上しました。
ポーランドにおいては、OSシェアでiOSが対前年同月比+16.6%、機種シェアではAppleが対前年同月比+ 16.5%と、今回の調査対象国・地域の中でもっとも高い増加率となり、iOSおよびAppleが同国市場で強い存在感を示していました。
■フィリピンとメキシコでAndroidのシェア率増加
フィリピンでは2024年9月頃から、メキシコでは2024年11月頃から、OSシェアにおいてAndroidのシェア率が増加しました。この変化は、両国の特定の経済状況や市場トレンドが複合的に作用した結果といえます。
・フィリピンにおけるAndroidシェア率増加の背景
フィリピンのOSシェアでは、Androidのシェア率が対前年同月比で+9.0%という高い増加率となり、機種シェアでは、VivoとRealmeがシェア率の上位に浮上しました。
その背景として、IDC(インターナショナル データ コーポレーション)によると、2024年のフィリピンで出荷されたスマートフォンは、半数以上が100ドル未満の価格帯であったとしており、これは主に中国のブランドのTranssion(Infinix、Tecno、Itelなどのサブブランド)による低~中価格帯のAndroid機種における積極的な投入にあるとされています(※1)。さらに今回の調査では、Realme、Vivo、OPPOといったその他の中国ブランドも低価格~中価格帯のAndroid機種としてシェア率を大きく伸ばしています。
フィリピンにおける1年間のモバイル機種シェア率推移

・メキシコにおけるAndroidシェア率増加の背景
メキシコのOSシェアにおいても、Androidのシェア率が対前年同月比で+10.4%という高い増加率となり、機種シェアでは、SamsungとMotorolaがシェア率の上位に浮上しました。
また、The Competitive Intelligence Unit (CIU)の調査によると、2024年にメキシコのスマートフォンユーザーの68.8%が、中価格帯の機種を選択したとされており(※2)、価格と性能のバランスを重視する傾向が強まっていることが示されています。
メキシコにおける1年間のモバイル機種シェア率推移

■インドネシアで販売が禁止された「iPhone16」と、Xiaomiのシェア率増加
・インドネシア政府によるiPhone16の販売禁止
インドネシアでは、スマートフォンの販売にあたり、製品の40%以上の部品を国内で調達または生産することを求める「TKDN(Tingkat Komponen Dalam Negeri、国内生産基準証明)」(以下TKDN)というインドネシア産業省による認証が必要とされています。しかし、iPhone16においては、この要件を満たさなかったとして、2024年10月からのiPhone16シリーズの販売が政府により正式に禁止(※3)され、機種のシェア率にも影響を与えました。
その後Appleは、TKDNの要件を満たすため、追加投資やイノベーションセンターの設置を進め、2025年4月にiPhone16の販売を再開しました(※4)。
・Xiaomiのシェア率増加
Xiaomiにおいては、2025年5月にインドネシアにおける機種シェアで1位に浮上しました。これを受けて、PT. Xiaomi Technology Indonesiaは、2025年第1四半期に19%の市場シェアを獲得したとして、イギリスの調査会社Canalys(カナリス)の調査結果を引用する形で、LinkedInにて紹介しています(※5)。Redmi AシリーズやNoteシリーズなどの中価格帯の機種をはじめ、幅広い製品ラインアップや、AIoT製品との連携強化など、価格と性能のバランスを重視するインドネシアの消費者ニーズに合致した戦略が、シェア率増加の一因になったといえます。
インドネシアにおける1年間のモバイル機種シェア率推移

インドネシアのスマートフォン市場は、SamsungやOppoなども引き続き強い存在感を示しており、iPhone16の販売再開による高価格帯の市場にも再び動きが見られると予想されます。消費者ニーズの変化や、各社の対応、政府の規制など、今後の市場の動向に注目です。
■ポーランドのOS・機種シェアにてiOSとAppleがともに最も高いシェア率の増加を記録
ポーランドのOSシェアでは、依然としてAndroidが最も高いシェア率を獲得しているものの、iOSが対前年同月比+16.6%となる30.23%のシェア率を獲得しており、今回の調査対象国・地域の中でもっとも高い増加となりました。さらに、機種シェアにおいては、Appleがシェア率の1位に浮上し、対前年同月比+16.5%となる30.21%のシェア率を獲得しています。
この要因として、2025年2月28日に発売されたiPhone16eの効果が大きく、これをきっかけにAppleにおけるシェア率1位への後押しになったといえます。
ポーランドにおける1年間のモバイル機種シェア率推移

今回調査を実施した、スマートフォンの所有率を含む国別データなどの詳細は、アウンコンサルティングのWebサイトをご覧ください。
■調査概要
【調査主旨】
世界40カ国、主要OS・機種シェア状況 【2025年7月版】
【調査要綱】
・対象国・地域: OECD加盟主要国を中心に当社にて抽出した39カ国・地域
・各国人口参照元: Worldometers.info
http://www.worldometers.info/world-population/population-by-country/
・OS/機種データ参考: Stat Counter
・スマートフォン所有率参考: DataReportalにて、イランを除く、各国・地域の「Digital 2025」シリーズのレポートより、インターネット普及率およびスマートフォン所有率を参照し、独自に算出。
・調査実施期間:2025年6月11日~2025年7月4日
【出典】
(※1) IDC(インターナショナル データ コーポレーション) - Philippines Smartphone Market Sees Continued Growth for the Second Consecutive Year in 2024, says IDC(2025年2月10日) , https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prAP53189425
(※2) Mexico Business News - Mid-Range Smartphones Dominated the Mexican Market in 2024(CIU調査より)(2025年4月11日) , https://mexicobusiness.news/tech/news/mid-range-smartphones-dominated-mexican-market-2024
(※3)NNA ASIA - iPhone16、国内での売買は現状禁止=産業省(2024年10月29日), https://www.nna.jp/news/2721566
(※4)VOI(Voice of Indonesia) - Seri iPhone 16 Resmi Dijual di Indonesia, Segini Harganya(2025年4月11日) . https://voi.id/teknologi/474816/seri-iphone-16-resmi-dijual-di-indonesia-segini-harganya
(※5)LinkedIn - Xiaomi Indonesia(2025年5月) , https://www.linkedin.com/posts/xiaomiindonesia_xiaomi-innovationforeveryone-indonesia-activity-7328363305134186496-qxxy/
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