五大陸の動物ジオラマや日本の伝統玩具人形656点
動物テーマに夏休み展!世界的恐竜学者も講演 坂井市龍翔博物館(福井)
海外のフィギュアと日本の張り子、土人形競演

福井県坂井市三国町の龍翔博物館で、夏休み特別展として古今東西の動物人形や玩具を集めた「動物大集合~フィギュア×はりこetc」が9月23日まで同館で開かれている。精巧なつくりで世界的に有名な、ドイツのシュライヒ社製の動物フィギュアと、明治・大正の日本の郷土玩具である張り子や土人形など、西洋と東洋の人形を対比させる場面をはじめ、動物であふれる地球をイメージさせるジオラマなど展示点数は650点余り。“動物好き”“おもちゃ好き”にはたまらない展示となっている。また、この企画展に合わせ7月27日には、福井市出身で世界的な恐竜学者、小林快次(こばやし・よしつぐ)・北海道大学総合博物館教授(52)が来館し、「生物の繁栄、絶滅、そして私たち」と題して講演した。過去に絶滅した恐竜や現代の動物の進化をたどりながら、「この夏の猛暑も、最近の気候変動、環境変化によるもので、人類の絶滅がゆっくりと進行中かもしれない。恐竜のように大量絶滅しまうのを少しでも長引かせる意味からも、今から環境を守る行動を起こそう」などと訴えた。
同展は福井県立こども歴史文化館(福井市)との共催。同文化館では来年春に同様の展示会が開かれる。展示されているのは、旧三国町の故・内嶋玉峰さんが集めた大正末期から昭和初期にかけ、日本全国で集めた土人形や張り子など郷土玩具(通称・内嶋コレクション)の一部、世界的にファンが多いことで知られるドイツ・シュライヒ社製の動物フィギュア、犬の複製フィギュアでは世界的に知られる米国サンディキャスト社製の置物など合計656点。
「ガチンコバトル」コーナーでは、日本の張り子に虎とアフリカのライオンのフィギュアを“対面”展示し、どんな場面に見えるか…など見る者の想像力をかき立てるような展示となっている。五大陸を再現した縦2.4メートル、横3.7メートルのジオラマでは、アフリカのサバンナや酷寒の南極大陸までつくられ、それぞれにキリンやライオン、シマウマ、さらにペンギンなどの多様な動物フィギュア323点がずらり。中にはさりげなく、恐竜のトリケラトプスや絶滅した哺乳類、マクラウケニアなどのフィギュアが今の動物に交じって展示され、「見つかるかな」とゲーム感覚で展示が楽しめる。
小林教授講演に70人 生物の進化と繁栄、絶滅学ぶ
さらに「坂井郡の猫泥棒」を伝える古文書コーナーでは、江戸時代中期に実際に坂井郡野中村であった、猫を盗まれたと訴える一農民の訴状(口上書)を展示している。自分の飼っていた猫がいなくなったことから、メス猫の毛並みや色など特長を細かく書き、「私の猫に間違いありません」と盗んだと思われる相手から暴力を受けたと長々とつづり、「どこから買ったのか明らかに」と訴えている。笠松雅弘館長は「江戸時代、蚕などを襲うネズミは農民にとっても大敵で、そのネズミを捕る猫は大変、重宝された。それがこの坂井の地でもあったことを証明する大変珍しい史料」としている。
小林快次教授の講演には約70人が来場した。小林教授は「今日は、生物に関するお話だから、あなたたちが期待するほど恐竜の話をしないよ…」と前置きで笑わせながら、生物の進化について詳しく解説。講演途中には時折、「現代で生きている動物で、恐竜に最も近い動物は何だと思う?」、「『ジュラシック・ワールド』の新作で話題のモササウルスに近く、絶滅せずに今も生き残っている動物は?」とクイズ形式で聴衆に問いかけ、聴衆を恐竜話で楽しませていた。
同展は9月23日まで特別展示室で開催。開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。毎週水曜休館。入館料は一般400円。高校生以下は無料。

小林先生サイン会

水生生物のフィギュア

西洋と東洋の人形にらめっこ
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