サンスター、毛髪のべたつきと皮脂成分の関連性を解析し、べたつき皮脂除去に適する洗浄成分PEG-20ラノリンを特定
~べたつき原因の「長鎖不飽和脂肪酸」を「PEG-20ラノリン」が効果的に洗浄~
サンスターグループ ヘルス&ビューティーカンパニー(以下サンスター)は、毛髪の見た目のべたつき感の原因となる皮脂成分が長鎖不飽和脂肪酸*1であることを詳細な成分解析により明らかにしました。*2
さらに、長鎖不飽和脂肪酸を効果的に洗浄できる成分を探索したところ、羊毛由来の油脂成分を構造体の一部に持つ界面活性剤*3 PEG-20ラノリンが、長鎖不飽和脂肪酸を効果的に洗浄できることを確認しました。
サンスターは、PEG-20ラノリンを男性用シャンプーの皮脂除去成分としての応用を進めてまいります。
さらに、長鎖不飽和脂肪酸を効果的に洗浄できる成分を探索したところ、羊毛由来の油脂成分を構造体の一部に持つ界面活性剤*3 PEG-20ラノリンが、長鎖不飽和脂肪酸を効果的に洗浄できることを確認しました。
サンスターは、PEG-20ラノリンを男性用シャンプーの皮脂除去成分としての応用を進めてまいります。
【研究の背景・目的】
頭皮は皮脂分泌量が非常に多い部位で、男性は思春期から30代にかけて皮脂分泌量が増加し、同世代女性より多く分泌される傾向があります。分泌された皮脂は、頭皮から毛髪表面に移行することでテカリ・束感による毛髪のべたつき感をもたらし、周囲に与える印象を損なう要因の一つになると考えています。
我々は生体由来サンプルの脂質成分を網羅的に解析する手法であるリピドミクス*4を活用すれば、毛髪表面に移行してきた皮脂成分、すなわち毛髪のべたつき感の原因となる皮脂成分を特定することができ、この解析結果をもとに、べたつき原因皮脂成分を効果的に除去する洗浄成分を見つけることで、毛髪のべたつきを抑えたいという男性のニーズに応えられると考えました。
【毛髪上のべたつき原因皮脂成分を解析】
2日間洗髪や毛髪の手入れをせずに放置した健常男性被験者を、毛髪がべたついて見える群(べたつき群)とべたついて見えない群(非べたつき群)に分け、頭皮と毛髪表面上の皮脂を採取したところ、頭皮の皮脂量には有意な差がありませんでした。さらに、リピドミクスにより皮脂成分を詳細に調べ、群間で比較しました。その中で、毛髪表面上の皮脂成分の中で最も構成比が高い成分として知られている遊離脂肪酸を調べたところ、べたつき群は、非べたつき群に比べ、炭素数14以上の長鎖不飽和脂肪酸の 割合が有意に高いという結果(図1)が出ました。
【不飽和脂肪酸が見た目のべたつき感をもたらすことを確認】
次に、べたつき群の毛髪表面上の皮脂に多く含まれる炭素数14以上の長鎖不飽和脂肪酸を、脂肪鎖長(炭素数)の違いで分け、種類毎に毛髪の毛束に同量を塗布して目視評価したところ、炭素数16以上の長鎖不飽和脂肪酸(炭素数16のパルミトレイン酸、炭素数18のオレイン酸、炭素数20のエイコセン酸、エイコサジエン酸)で束感などの顕著な見た目のべたつき感が観察されました(図2)。
これらの実験結果から、毛髪の見た目のべたつき感には、炭素数16以上の長鎖不飽和脂肪酸が関与している可能性が示唆されました。
【べたつき原因皮脂成分を効果的に除去する洗浄成分の特定】
次に、毛髪のべたつき感をもたらす長鎖不飽和脂肪酸を効果的に除去できる洗浄成分を、数十もの界面活性剤の中から探索したところ、PEG-20ラノリンが良好な洗浄効果を示しました。PEG-20ラノリンは、羊毛由来の油脂成分のラノリンと水になじむ部位を結合させた構造の界面活性剤で、ラノリンの部位は長鎖脂肪酸の構造を持つため、べたつき原因皮脂の長鎖不飽和脂肪酸になじみやすく、べたつき原因皮脂成分を水によく溶かすと考えました。さらにPEG-20ラノリンの実力を確認するため、従来から男性用シャンプーなどで皮脂除去力の高い洗浄成分として用いられる界面活性剤のラウリン酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルの2種と、洗浄力比較試験を行いました。比較試験は、長鎖不飽和脂肪酸のオレイン酸(炭素数18)、エイコセン酸(炭素数20)、エイコサジエン酸(炭素数20、不飽和結合2)をそれぞれ別々の布に染み込ませ、3種の界面活性剤の希釈液で洗浄力を確認しました。その結果、PEG-20ラノリンが、以下(図3)の通り、総合的に見て他の2種の洗浄剤に対して洗浄力が高いという結果が得られ、毛髪のべたつき感をもたらす長鎖不飽和脂肪酸を効果的に除去できる成分であることが示唆されました。
注釈
*1)長鎖不飽和脂肪酸 = 脂肪酸は炭化水素を骨格とする油脂、脂質成分の一種。炭素数12個以上のものを長鎖、炭素鎖に二重/三重結合を有するものを不飽和と呼ぶ。
*2)2017年11月29日開催の日本化粧品技術者会 第81回SCCJ研究討論会にて口頭発表。
演題: 毛髪表面上に存在する皮脂の脂肪酸解析
*3)界面活性剤 = 水になじむ部位と油になじむ部位を1つの分子に併せ持つ物質で、水と油を均一に混ぜて溶かす作用があり、石けん、洗剤の洗浄剤や、化粧品に用いられている。
*4)リピドミクス = 生体試料から脂質を抽出し脂質分子の種類や量を詳細に分析する手法。
●サンスターグループ ヘルス&ビューティーカンパニーについて
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、事業分野毎に全世界の研究・マーケティング・製造・販売を統括する、オーラルケアカンパニー、ヘルス&ビューティーカンパニー、SEカンパニー(接着剤、シーリング材等、モーターサイクル部品の事業を担当)の3事業カンパニーと、全世界のガバナンス、管理機能を統括する経営本部で構成、グローバルな事業運営を行っています。
ヘルス&ビューティーカンパニーは、「健康道場」ブランドの健康食品・飲料、「EQUITANCE」ブランドのスキンケア製品、「VO5」ヘアスプレイ、「サンスタートニック」シャンプーなどを製造・販売しています。
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