プログラミングコンテスト「ドコモ未来ラボ」 最終審査・表彰式を開催
応募総数1,195作品の中からグランプリに選ばれたのは「2024年物流問題を解決」 審査員からは「いろいろな角度から考え、組み立てて解決策を導き出した着眼点・発想力がすごい」と評価
「ドコモ未来ラボ」は、子どもの夢や未来の応援を目的とした新しい取組み「ドコモ未来プロジェクト」の一環としてスタートしました。初開催となる今年度は「未来の新発明」をテーマとして、全国の3歳から中学生までを対象にプログラミング作品を募集し、1,195作品の応募が集まりました。そしてこの度、最終審査・表彰式をdocomo R&D OPEN LAB ODAIBAで開催いたしました。
最終審査では、厚切りジェイソンさん、石黒不二代さん、石戸奈々子さん、西村真里子さん、原田康徳さん、ドコモの代表取締役副社長 栗山浩樹が審査員を務めました。最終審査に進んだ15名の参加者が自らプレゼンテーションを行い、作品のポイントや発明にかける熱い思いなどをアピールしました。すべてのプレゼンテーションが終了後、厳正な審査を経て、グランプリや最優秀賞、発想力賞、表現力賞、未来力賞の受賞者が決定いたしました。
グランプリは阿部 洸和さんの「AIトラックと空飛ぶ物流基地「スカイベース」」に決定
「2024年問題にいろいろな角度から考え、組み立てて解決策を導き出した着眼点・発想力がすごい」と評価
第1回のグランプリは、小学校4-6年生の部 阿部 洸和(あべ ひろと)さんに決定しました。
阿部さんからは「最優秀賞だけでも嬉しいのに、グランプリなんて。とてもうれしいです!」と受賞の喜びを語りました。
審査員の栗山副社長からは「将来のサービスを支えるようなプログラミング・アプリケーションなど、これからもいろんな発明をしていただければ嬉しい」と、未来への期待感あふれる作品の魅力に評価しました。
グランプリ
お名前:阿部 洸和(あべ ひろと)
作品名:「AIトラックと空飛ぶ物流基地「スカイベース」」
使用言語:Scratch
作品概要:トラック運転手の負担を軽減する、AIシステムとドローン物流基地
「ニュースで物流の2024年問題を知り、その問題を解決するためのAIトラックシステムと空飛ぶ物流基地を作りました。工夫した点は、人もモノもルートも最適化するために、生物の進化の仕組みを真似た遺伝的アルゴリズムを活用してみたことです。」
審査員コメント:2024年問題に対して、アルゴリズムで解決しようとした発想力がすごい。またソースコードを見ても、とても驚きました。スカイベースというネーミングセンスも素晴らしく、技術もセンスを持ち合わせた作品でした。(西村)
※小学校4-6年生の部の最優秀賞作品です。
「第1回ドコモ未来ラボ」応募作品の傾向
AIやメタバースなど、近年注目されているデジタル技術を取り入れた作品が多数。
「未来の新発明」にあわせて様々な作品を応募いただきました。応募作品の中には「居眠り運転防止」や「置き配BOX」など、生活に身近な問題に対して斬新なアイデアで解決するような作品も多く見られました。またAIやメタバースなど、近年注目されているデジタル技術を取り入れた作品も見られ、子どもたちの柔軟な発想がうかがえる作品が多く集まりました。
▼受賞者のご紹介
・未就学児童の部 発想力賞
お名前:細田 櫂 (ほそだ かい)
作品名:「未来の空飛ぶロボ」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:空を飛んで移動する未来のロボット
「羽をパタパタと左右で同じ動きにすることが難しかったです。また、未来はとても暑いと思うので、後ろにドライアイスの羽をもった野生生物を連れています。」
審査員コメント:一見簡単に思えても、作る人にしかわからない苦労がある。羽を左右同時に動かすことも、とても難しかったと思う。その中で、頑張って完成させたことは、すごいことだと思います。(原田)
・未就学児童の部 表現力賞
お名前:グスマン 真輝男(ぐすまん まてお)
作品名:「みらいみらい」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:高速でお餅をつくことができるロボット
「高速でお餅をつくことができるので、待たずに、大勢の人がみんなでお餅を食べることができます。頑張ったことは全部のパーツを赤にすることです。カッコイイので、赤色を選びました。」
審査員コメント:お餅つきってみんな好きで、それが便利になること、多くの人が喜ぶだろうなと思いました。みんなの好きな餅つきを、もっと便利に表現した作品は素晴らしいです。(原田)
・未就学児童の部 未来力賞
お名前:古山 立樹(こやま たつき)
作品名:「おさかな なかよし マシーン」
使用言語:Viscuit
作品概要:お魚と仲良くなって、海を豊かにするマシーン
「僕はお魚が大好きです。だから、人もロボットも魚も、みんなが平和になるような未来のマシーンを作りました。お魚が上に動いたり、下に動いたりさせるのが難しかったけど、あきらめずに頑張りました。」
審査員コメント:相当たくさんのメガネが必要だったと思います。こんなに小さいのに、複雑なプログラムを作ってくれたことに、とても感動しました。(原田)
・小学校1-3年生の部 最優秀賞
お名前:平田 紫風(ひらた しふう)
作品名:「居眠り運転の事故をおこさない発明」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:居眠り運転をすると自動で安全に停車する未来の自動車
「ニュースで居眠り運転のことを知って、自分も巻き込まれたらと考えると、すごく怖くなりました。なので、運転する人が居眠りしても、事故が起き、人がけがをしない車を作りました。思ったよりまっすぐ進まなかったり、曲がれなかったりしたので、何回も作り直して、プログラムを調整しました。」
審査員コメント:どうやったら車を移動できるのかなど、いろんなことを考えて、工夫して、努力したことが、伝わってくる作品でした。未来の発明家として、これからもどんどん発明していってください!(西村)
・小学校1-3年生の部 発想力賞
お名前:松井 優輝(まつい ゆうき)
作品名:「おじいちゃんと無限お話ロボット」
使用言語:Scratch
作品概要:おじいちゃんとコミュニケーションをとり、もの忘れを防ぐ対話型アプリ
「おじいちゃんのもの忘れが増えてきたので、もの忘れを防止したり、大事なことを教えてあげたりできるアプリを作りました。効果音を入れることで、おじいちゃんが楽しく、明るい気持ちでコミュニケーションができるように工夫しました。おじいちゃんと僕、家族や周りのみんなが笑顔になれる未来がいいです。」
審査員コメント:愛を感じました。問題のバリエーションもすごく豊富で、おじいちゃんや家族の笑顔が浮かぶ、思いやりが伝わる、素晴らしい作品でした。(石戸)
・小学校1-3年生の部 表現力賞
お名前:石川 颯大(いしかわ そうた)
作品名:「海のお掃除ロボット」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:ハサミを使って海洋ゴミを回収するザリガニ型ロボット
「海の中には、人間の出したゴミがたくさんあって、魚たちが食べてしまっていることを知り、綺麗にしたいと考えました。お掃除ロボットは、ザリガニの形にすることで、海の生き物を怖がらせず、足が小さいのでサンゴも壊しません。これからは便利な道具だけでなく、地球にとって優しい道具が作られる未来になればいいなと思います。」
審査員コメント:ほかの生き物をびっくりさせない、サンゴを壊さないなど、海の生き物のことを想像する、優しい気持ちに感動しました。いろんな生き物と共存できるロボットを表現した素晴らしい作品でした。(石黒)
・小学校1-3年生の部 未来力賞
お名前:根岸 暖(ねぎし だん)
作品名:「未来の釣り船で冒険しよう」
使用言語:Lua(Roblox)
作品概要:テクノロジーの力で海にも釣り人にもやさしい未来の釣り船
「僕は釣り船で釣りに行くのが夢なので、ライセンスがなくても自由に乗れる未来の釣り船をデザインしました。Robloxでのゲーム作りは始めたばかりだったので、最初は動かず、教室の先生やお父さんに教えてもらいました。」
審査員コメント:ソーラーパネルやAI、自動運転などが組み込まれていて、本当に未来の釣りはこうなるんだろうなと納得しました。とても未来を感じる作品でした。(厚切りジェイソン)
・小学校4-6年生の部 最優秀賞
お名前:阿部 洸和(あべ ひろと)
作品名:「AIトラックと空飛ぶ物流基地「スカイベース」」
※グランプリを受賞。
・小学校4-6年生の部 発想力賞
お名前:加藤 あおい(かとう あおい)
作品名:「海を守るゴミ収集箱」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:ゴミの正しい分別を教えてくれる未来のかわいいゴミ収集箱
「ビーチクリーンやゴミ拾いの経験から、海はゴミ箱じゃない、魚がかわいそう、と思うようになり、海のゴミ収集箱を作りました。見たときに可愛いと思ってもらえるように、デザインは優しい顔のウサギにしました。また人が気持ちよく利用してもらえるように、分別を間違えたときもなるべく優しい言葉で語りかけることをこだわりました。」
審査員コメント:社会課題を解決するにあたり、役に立つ技術の開発にとどまらず、人の心をくすぐるデザインの工夫で、他者の行動を促す、とても考えられた作品でした。(石戸)
・小学校4-6年生の部 表現力賞
お名前:河尻 智基(かわじり ともき)
作品名:「AIライフサイクルCO₂スカウター」
使用言語:Stretch3
作品概要:画面に映ったもののCO₂排出量を表示し、削減方法をアドバイスしてくれるアプリ
「地球が抱えている温暖化という課題に対して、みんながどうしたらいいか考え、アプリを開発しました。未来は経済的に豊かになっていると思いますが、その反面、環境問題は深刻になると思っています。そのため、自分が使っている製品の使用時や製造時のCO₂を数字で分かるようにすることで、みんなが環境のことを考えるきっかけになればいいなと思います。」
審査員コメント:脱炭素は本気で取り組まないといけないことだけど、なかなか取り組んでくれる人は多くない。でも、このアプリは、知識がない人でもCO₂の排出に気づける仕掛けがあって、どんな人でも脱炭素に参加できるなと感じました。みんなが参加すれば。世界が変わることを気づかせてくれる作品でした。(石黒)
・小学校4-6年生の部 未来力賞
お名前:加藤 友規(かとう ともき)
作品名:「未来の建設現場」
使用言語:Unity、Blender
作品概要:環境に優しい未来の建設現場
「未来の建設現場を作りました。資材はゴミをリサイクルして作ります。また建物は上空に浮いているため、騒音問題もありません。そういった未来の建設現場をゲームで体験できるようにしました。オブジェクトはすべて自作し、見た目の自然さやゲームとしてもちゃんと機能するかなど、細部までこだわりました。」
審査員コメント:空に浮いてる建設現場って、もうSFじゃん!でも、SFで描かれたことは、いつか現実になっている。今後実現して、いろんなことを解決するんだろうなと、とても未来を感じる作品でした。(厚切りジェイソン)
・中学生の部 最優秀賞
お名前:石澤 滉基(いしざわ こうき)
作品名:「これからの生活に大活躍!置き配box」
使用言語:KOOV micro:bit MESH
作品概要:荷物が届くとスマホに通知&配達者にお礼をしてくれる置き配BOX
「人手不足やネットショッピング需要の増加によって、置き配やドローン配達が増えていくことが考えられます。しかし、現在の置き配のシステムは防犯的にもあまり安全だとは思いません。そのため、自動でふたが開閉する宅配boxを作りました。一見軽そうに見えるふたですが、なかなか上手く開閉することができず、苦労しました。試行錯誤の末、滑車型の形に落ち着きました。」
審査員コメント:配達員へのお礼や、置き配のセキュリティなど、視野が広くて、トータルで考えられた作品だと思いました。実際にサービス化して、世の中に広めることができるんじゃないかと、とても可能性を感じる作品でした。(西村)
・中学生の部 発想力賞
お名前:牧村 陸央(まきむら りくお)
作品名:「トイレットペーパーロボ」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:センサー式でトイレットペーパーが自動で出てくるロボット
「トイレットペーパーは手を洗う前に触れるため、大勢の人が利用する公共のトイレだと不衛生だなと思ったことが開発のきっかけです。そのため、非接触でトイレットペーパーを使えるロボを作りました。トイレットペーパーを巻き取る・出すという動きが、意外と難しく、何度もモーターのパワーなどを試行錯誤しました。」
審査員コメント:洞察力が鋭いと感じます。指摘されるとみんなが共感できる、でもうっかりと見逃している身近にある課題を発見し、それを解決する方法を実装する力は素晴らしいと思います。発明王として、鋭い洞察力で、生活を便利にする発明をたくさん生み出してくれることに期待しています。(石戸)
・中学生の部 表現力賞
お名前:佐久間 柊介(さくま しゅうすけ)
作品名:「メタバース絵本 ~ウサギとカメ~」
使用言語:Unity
作品概要:絵本の中に入り込み、物語を体感できるメタバース
「絵本の中に入ってみたいという妹の願いを叶えるために、絵本をメタバースの中で再現しました。絵本のようにページをめくる感覚をメタバースでも再現するため、ワープのギミックを工夫しました。」
審査員コメント:妹さんのために開発した、その優しさがとても素敵だなと思いました。メタバースの開発は世界で進んでいるが、求められている人・小さい子に向けたものって意外となかったりします。
小さい子は想像力が豊かで、そこにメタバースがかけ合わさると、さらに子どもの世界を広げてくれる作品だなと思いました。(石黒)
・中学生の部 未来力賞
お名前:松田 琥樹(まつだ こうき)
作品名:「ロボットアーム」
使用言語:レゴ® エデュケーションSPIKE™
作品概要:自動で手に張り付き、荷物を持つことができるロボットアーム
「アイデアの発端は、自動で手に張り付くロボットアームがあればかっこいいなと思ったことでした。しかし、試行錯誤するうちに、手が不自由な人でも簡単に装着できて、重いものを簡単に持ち運べるんじゃないかということに気が付いて、今の形になりました。」
審査員コメント:最近はウェアラブルなデバイスが、どんどん進化している中で、もしかしたら未来には付け腕が出てくるかも!と思いました。もし実現すれば、人間を超えるような機能が付いてるのかな?とか、僕ならどんな機能をつけようかな?とワクワクさせてくれる作品でした。(厚切りジェイソン)
「第1回ドコモ未来ラボ」最終審査員による講評
子どもたちの自由な発想と課題解決に向けた強い探求心による豊かな未来創造を期待
・厚切りジェイソン(テラスカイグループ役員/タレント)
本当に素晴らしい作品が多くて、未来はどんなワクワクできるようなものが出てくるのかと次々に新しい発想が湧いてきて、僕も挑戦したくなりました!若い人たちと手を取って一緒に社会を変えていければ、きっと素晴らしい未来が待ってるんじゃないかと、熱い気持ちになりました。今日はありがとうございました。
・石黒 不二代(ネットイヤーグループ 取締役)
長らくIT業界にて、日本のIT技術に不安を感じることもあったのですが、今日の皆さんの発表を見て、日本の未来は明るいなと確信しました。教育にも携わる人間として、皆さんが自分のやりたいことにもっと熱中できるような、優しい教育プログラムを考えていきたいと思います。
・石戸 奈々子(慶應義塾大学教授/CANVAS代表)
イマジネーションには2種類あって、未来を思い描く想像力、それを形にする創造力があります。未来を思い描くにはたくさんの知識が必要で、それを形にしようと思うとたくさんのスキルが必要で、その2つの「そうぞう」を兼ね備えた皆さんが作る未来が楽しみです。きっと次の社会は皆さんが作ってくれると思います。今日の発表のようにワクワクする未来を実現してください!
・西村 真里子(株式会社HEART CATCH 代表取締役)
プログラミングや発想力だけじゃなく、人の心に響くようなものを作れる皆さまだなと思いました。
海洋汚染など、大人たちが作った今に対して、未来をもっと良くしようとする作品が多かったと思います。これからも、大人の意見に振り回されず、皆さんが正しいと思うものを作って、もっといい未来を築いていただければいいなと思います。
・原田 康徳(ビスケット開発者)
モノ作りには様々な手段がある中で、コンピューターの中のモノ作りは夢を本物にできる。
皆さんにはこれからも、夢を見る力を育てて、それを実現するプログラミングスキルを養うことで、夢を実現していってもらえれば嬉しいです。
・栗山 浩樹(株式会社NTTドコモ 代表取締役副社長)
皆さまには想像できないかもしれませんが、20年前はスマホがありませんでした。
でも今は、通信の手段だけじゃなくて、決済やヘルスケアなど、色んなことができるようなって、とても便利になりました。今はメタバースなど、ほかにもいろんな技術が生まれています。皆さまが、僕らの将来を支えてくれる色んな発明をしてくれたら嬉しいなと思っています。
「ドコモ未来ラボ」とは
「ドコモ未来プロジェクト」の一環としてドコモが開催する、「初めてだって、楽しめる!」をコンセプトとしたプログラミングコンテストです。審査基準は固定概念にとらわれない発想力、プログラミングを通した表現力、未来への期待感が感じられる未来力の3点で、プログラミングスキルの高さは問わないため、プログラミングの経験者はもちろん、初心者の人でも自由につくった作品を応募することができます。これにより、プログラミングに興味を持った子どもたちが、実際にプログラミングに触れ、学んだ知識を発揮できる場を提供しています。
※コンテストの詳細はドコモ未来ラボ公式ホームページをご覧ください。
「ドコモ未来ラボ」公式ホームページ: https://docomo-mirai.tda.docomo.ne.jp/lab/
「ドコモ未来プロジェクト」とは
子どもの夢や未来の応援を目的とした、ドコモの新しい取組みです。2023年で22回目を迎える創作絵画コンクール「ドコモ未来ミュージアム」の他、スポーツや文化芸術におけるプレミアムな体験を提供するイベント「ドコモ未来フィールド」、「未来の新発明」をテーマにしたプログラミングコンテスト「ドコモ未来ラボ」を開催し、未来へ歩き出す子どもたちに、ワクワクする経験の場や自由な発想を表現できる場を提供しています。
「ドコモ未来プロジェクト」公式サイト: https://docomo-mirai.tda.docomo.ne.jp/
別紙
初めてだって、楽しめる!プログラミングコンテスト『第1 回ドコモ未来ラボ』受賞者一覧
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