「好き」が国境を越え、今度はウクライナから日本へ―― 双方向の「世界まなびあいプロジェクト」が実現!
熊本の復興、山形の芋煮、広島のスケートボード、岡山のアニメと漫才がウクライナへ。ロート子どもの夢基金による探究学習から生まれた教材が世界をつなぐ。英国Windsorでも教育モデルを発表へ
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、2026年10月26日、ウクライナ西部リビウから、日本の子どもたちに向けて制作された動画教材を受け取りました。映像には、リビウの街並みや伝統料理、カフェ文化などが日本語字幕付きで紹介され、熊本県や山形県遊佐町の子どもたちへ向けたメッセージが収められています。
この動画が持つ意味は、単にウクライナから日本へ映像が届いたことではありません。これまで日本からウクライナへ届けてきた教材を受けて、今度はウクライナの人々が自分たちの文化や暮らしを日本へ教える教材を制作したことにあります。
一方、日本からは、広島のスケートボーダーDAIGOによる技術解説動画、岡山のイラストレーターCHINATSUによるウクライナの伝統料理ボルシチに使われるビーツの擬人化アニメキャラクター、岡山の高校生による漫才、山形県遊佐町立遊佐中学校の生徒による郷土料理「芋煮」の紹介プレゼンテーションなど、全国の参加者が制作した教材がすでにウクライナへ送られています。
これらは、なかよし学園がロート製薬株式会社の「ロート子どもの夢基金」の助成を受けて実施している「世界とつながる夢探究アカデミー」などの取り組みから生まれた成果です。
なかよし学園が目指すのは、世界の誰かを一方的に支援する教育ではありません。世界各地で暮らす同世代の子どもたちが、自分と同じ「好きなもの」を通じてつながり、文化や価値観の違いを知り、その違いを尊重しながら互いに教え合う教育環境です。
こうした取り組みは、2026年10月26日から28日に英国で開催される「ICCC Windsor Consultation」においても、なかよし学園代表・中村雄一、事務局長・中村里英が発表する教育・平和構築モデルの実践事例として紹介されます。

■ウクライナから届いた一本の動画。「戦争」だけではない、私たちの街を知ってほしい
10月26日、なかよし学園にウクライナから送られてきた動画には、リビウの街を歩きながら地元の建物や食文化を紹介する様子が映されていました。
ウクライナの伝統料理ヴァレーニキや飲み物のウズヴァル、お気に入りのカフェのクロワッサン。日本の子どもたちにも伝わるよう日本語字幕を付け、自分たちの日常にあるものを一つひとつ紹介しています。




そして動画の最後には、「熊本のみなさんや山形遊佐中学校のみなさん、よかったら、いってみてください」というメッセージが添えられていました。

この言葉が示しているのは、日本とウクライナの間に具体的な学びの相手が生まれているということです。
これまでウクライナの子どもたちは、熊本地震からの復興やくまモン、日本の学校生活などを学んできました。今度は自分たちが先生となり、日本の子どもたちにウクライナの魅力を伝えようとしています。
戦争が続くウクライナにも、好きな食べ物があり、お気に入りのカフェがあり、友達と過ごす時間があります。ニュースで報じられる戦争や被害だけでは知ることのできない人々の日常を、現地で暮らす人自身が教材にして届ける。そこに、今回の交流が持つ教育的な価値があります。
相手を「助けてあげる人」として見るのではなく、「自分が知らないことを教えてくれる友達」として出会う。日本とウクライナの学び合いは、そんな関係へと発展しています。

■広島のスケートボード、岡山のアニメと漫才、山形の芋煮。日本の「好き」がウクライナに届いた
今回の学び合いを支えているのは、全国の学校や参加者が、自分たちの興味や得意分野を生かして制作したオリジナル教材です。
2026年10月17日・18日に長崎県壱岐市で行われた「壱岐島 PEACE CAMP 2026」では、日本全国から参加した中高生が、ウクライナの若者との対話などを通じて世界の現状を学び、自分にできる行動を考えました。そこで生まれた教材は、すでにウクライナへ送られています。
広島県・スケートボーダーDAIGO「スケートボード教習ビデオ」
広島のスケートボーダーDAIGOが、自らスケートボードに乗り、技術や楽しさを伝える映像を制作しました。言葉や文化が異なっても、同じスポーツを好きな若者同士なら、映像を通じて技術を学び、楽しさを共有することができます。日本の一人のスケートボーダーが持つ技術が、ウクライナの若者にとって新しい学びのきっかけになります。


岡山県・イラストレーターCHINATSU「ウクライナのビーツをアニメキャラクターに」
岡山のイラストレーターCHINATSUは、ウクライナの伝統料理ボルシチに使われる野菜「ビーツ」を擬人化したアニメキャラクターを制作しました。ウクライナの食文化と日本のアニメ文化を組み合わせることで、互いの文化を楽しく知る教材が生まれました。日本のアニメが好きなウクライナの子どもたちにとっても、自国の食文化を新しい視点で見つめ直すきっかけとなる作品です。

岡山県・高校生「日本のお笑いを世界へ届ける漫才」
岡山の高校生JUNTAが制作したのは、漫才を通じて笑いを届ける映像教材です。日本独自の掛け合いや言葉の表現を紹介することで、ウクライナの同世代に日本のお笑い文化を伝えます。笑いのツボや表現方法が違うことも、互いの文化を知る学びになります。世界の人と笑顔を共有したいという思いを、実際の行動に変えました。

山形県・遊佐町立遊佐中学校「郷土料理・芋煮の紹介プレゼンテーション」
山形県遊佐町立遊佐中学校では、生徒たちが地域の食文化を探究し、山形の郷土料理「芋煮」をウクライナの人々に紹介するプレゼンテーションを制作しました。日本では当たり前に知られている地域の食文化も、海外の人々に説明しようとすると、その由来や特徴、地域の暮らしとの関係を改めて考える必要があります。地元を深く知る探究が、そのまま世界とつながる学びへと変わりました。


これらの教材に共通しているのは、特別な専門知識や多額の資金がなければ国際協力に参加できない、という考え方を変えていることです。
スケートボードが好き。絵を描くのが好き。人を笑わせるのが好き。自分の町の食べ物が好き。その「好き」を誰かに伝わる教材へ変えることで、世界の同世代とつながることができます。
なかよし学園は、こうした全国の子どもや若者の教材を受け取り、海外の教育現場へ届けるだけでなく、そこで生まれた反応や新しい教材を日本へ戻す仕組みをつくっています。
■熊本の復興からリビウの暮らしへ。「支援する側」と「支援される側」が入れ替わる教育
日本とウクライナの教育交流は、2026年9月、なかよし学園がウクライナのキーウとリビウで実施した教育活動を通じて大きく進展しました。
リビウ市内の武道館学校では、日本から寄贈された鉄道模型やミニ四駆などを使った「未来のまちづくり」授業を実施。児童生徒たちは、自分たちが暮らしたい未来の街を考え、家や学校、病院、公園などを配置しながら、互いに意見を交わして街をつくりました。

その後も現地教員による教育活動は続き、日本から届けられた熊本地震の復興教材を使った授業も行われています。
熊本の子どもたちや教員が伝えたのは、2016年の熊本地震と、その後の復興の歩みです。震災を経験しながらも地域の未来をつくり続けてきた熊本の経験を、戦争の中で暮らすウクライナの人々へ届けました。
すると、ウクライナの子どもたちから熊本へ、今度は自分たちが応援する側となるメッセージが返されました。

そして今回、さらにリビウの文化や街並みを紹介する教材が日本へ届けられました。
最初は「熊本がウクライナへ教える」関係だったものが、「ウクライナが熊本へ教える」関係にも発展したのです。
なかよし学園では、このように学ぶ側が次の教える側となり、互いの知識や経験をつないでいく教育方法を「教えあい・学びあいリレー」と呼び、国境を越えて展開する取り組みを「世界まなびあいプロジェクト」として推進しています。
教育の中で重要なのは、誰が知識を持っているかによって立場を固定しないことです。熊本には復興の経験があり、山形には芋煮の文化があり、広島にはスケートボードの技術がある。そして、ウクライナにはウクライナの歴史、文化、日常、戦争の中で培ってきた経験があります。
誰もが誰かに教えられることを持ち、同時に誰もが他者から学ぶことを持っています。

■ロート製薬「ロート子どもの夢基金」が後押しする、子どもたちの「好き」を世界への行動に変える教育
今回の教材制作や探究学習の取り組みは、ロート製薬株式会社と特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが連携して設立した「ロート子どもの夢基金」の助成を受けて実施されています。
なかよし学園は2026年度の第3回助成先に採択され、「世界とつながる夢探究アカデミー ~離島・不登校・困難を抱える10代の“進路と自己効力感”を育む一年間プログラム~」を進めています。
この事業が大切にするのは、子どもたちが置かれている地域や環境にかかわらず、自分の可能性を発見し、夢や希望を具体的な行動へと変えていくことです。
PEACE CAMPでは、参加者が世界の課題を学ぶだけでなく、自分に何ができるかを考え、スケートボード、アニメ、漫才、地域紹介などの教材を完成させました。そして今回、それらの教材が実際にウクライナへ送られたことで、子どもたちの活動は国内のイベントで終わらず、世界の誰かとつながる実践になりました。
自分の作品や技術が世界の誰かに届く。誰かがそれを見て学び、返事をしてくれる。その経験は、子どもたちが「自分にも社会に働きかける力がある」と実感する機会になります。
なかよし学園は今後も、国内での夢探究学習と海外の教育現場をつなぎ、子どもたちの小さな挑戦が新たな学びや交流を生み出す仕組みを発展させていきます。

■10月26日〜28日、英国Windsorで国際発表。「学び合い」を平和構築の教育モデルへ
こうした日本とウクライナでの実践は、2026年10月26日から28日に英国で開催される国際会議「ICCC Windsor Consultation」においても発表されます。
なかよし学園からは代表・中村雄一と事務局長・中村里英が登壇し、世界各地の紛争や災害の現場で積み重ねてきた教育実践をもとに、新しい平和構築のあり方を提案します。
中村雄一が発表するテーマは「Adaptive Peacebuilding through Education(教育を通じた適応型平和構築)」。従来のように、外部の専門家や支援団体が解決策を考えて現地へ提供するのではなく、地域の人々自身が考え、行動し、互いの反応から学びながら未来をつくっていく教育モデルです。
その中心となるのが、次の5つの学習過程です。
INPUT(学ぶ)→ CREATE(つくる)→ DELIVER(届ける)→ RETURN(返ってくる)→ ADAPT(学びをもとに変える)
今回の日本とウクライナの教材交流は、この循環が実際の教育活動として動き始めた事例です。日本の子どもたちが教材をつくり、ウクライナへ届ける。ウクライナの子どもたちが日本の文化を学び、自分たちの文化を伝える教材を制作する。その教材を日本で活用し、新しい気づきや反応を再びウクライナへ返していく。

また、中村里英は「CHOICE Education Model」を通じて、一人ひとりの子どもが自分自身の未来を選び、行動する力を育てる教育のあり方を発表します。
中村里英が取り組む「個人が自分の人生を選び取る力」と、中村雄一が提案する「地域や社会が共に学び、変化に対応して未来をつくる力」。この二つを結びつけることで、子ども一人ひとりの主体性が地域の平和構築へつながる教育の可能性を示します。

2026年10月12日には、なかよし学園が世界各国で取り組んできた平和教育モデルが「EXPO FUTURES AWARD 2026」の「平和と人権」部門テーマ特別賞(グランプリ)を受賞しました。
今回の英国での発表では、受賞という評価にとどまらず、日本とウクライナの学校や若者が実際につくり出している教材の往還を紹介し、世界の異なる地域でも応用できる教育の仕組みとして提案します。
平和を外部から与えるのではなく、人々が自ら学び、考え、行動し、未来を共につくる力を育てる。なかよし学園は、この教育の実践を国際社会へ発信していきます。
■代表・中村雄一コメント
10月26日、ウクライナからリビウを紹介する動画が届きました。動画を見て、ものすごく嬉しかったんです。そこには、私たちが9月にウクライナで授業をしたときに伝えた『今度はみんなが日本の子どもたちに教えてほしい』という言葉への答えがありました。
日本には、スケートボードが好きな子も、絵を描くのが好きな子も、漫才が好きな子もいます。山形の芋煮を一生懸命調べている中学生もいます。その子たちが、自分の好きなことや得意なことを使ってウクライナの同世代に教材を届けた。すると今度は、ウクライナから自分たちの街や食べ物を教える動画が返ってきたんです。
私はこれこそが、これからの国際教育だと思っています。
世界とつながるために、特別な才能や難しい知識が必要なわけではありません。自分が好きなこと、自分が知っていることを誰かに教える。そして、自分とは違う文化や考え方を持つ人から新しいことを教えてもらう。そこから相手への尊敬が生まれると思います。
戦争を経験しているウクライナの子どもたちも、単に支援される存在ではありません。日本の子どもたちに教えられることがたくさんあります。そして日本の子どもたちも、誰かを助けるだけでなく、世界から多くのことを学ぶことができます。
今回、ロート子どもの夢基金の支援によって、全国の子どもたちの『やってみたい』を実際の教材という形にすることができました。その教材がすでにウクライナへ届き、同時にウクライナからも日本へ教材が返ってきている。この循環を一度きりで終わらせず、世界中に広げていきたいと思っています。
平和は、違いをなくすことではなく、違う人同士が互いを尊重し、一緒に未来をつくれる関係を育てることだと考えています。そんな関係を、日本とウクライナの子どもたちが今、実際につくり始めています。
この実践を英国Windsorでも発表し、世界中の学校や地域に広げるための新しい一歩にしたいと思います。

■今後の展開――世界の誰もが先生になり、誰もが生徒になる教育環境へ
なかよし学園プロジェクトは、熊本、山形、広島、岡山など全国からウクライナへ送られている教材と、今回ウクライナから届いた地域紹介動画を活用し、日本とウクライナの間で継続的に学び合う教育環境の構築を進めます。
今後は、ウクライナから届いた動画を日本国内の学校や探究学習で活用するとともに、実際に教材を見た子どもたちの感想や質問、新しい作品をウクライナへ返すことを目指します。また、参加する学校や個人をさらに増やし、スポーツ、食文化、アート、音楽、地域文化、防災など、さまざまな「好き」や「得意」から世界とつながる機会を広げていきます。
世界には、自分と同じスポーツを好きな子がいます。同じアニメに夢中になる子がいます。同じように友達と笑い合い、将来の夢を語る子がいます。一方で、暮らす国や地域によって、文化も言葉も生活環境も異なります。
共通する「好き」を入り口に友達になり、違いを知ることで相手をもっと理解する。その経験を通じて、自分とは異なる他者を尊重し、共に生きる力を育むことが、なかよし学園の目指す平和教育です。
なかよし学園は今後も、「世界とつながる学び」「世界まなびあいプロジェクト」「教えあい・学びあいリレー」を通じて、日本全国の学校や地域、個人の学びを世界と結びつけ、ウクライナをはじめアフリカ、アジアなどの教育現場へと広げていきます。
日本からウクライナへ。そしてウクライナから日本へ。
届けるだけの支援から、互いに教え合い、学び続ける関係へ。2026年10月26日、リビウから届いた一本の動画は、その教育モデルが現場で実際に動いていることを示す、新たな一歩となりました。

■関連情報
ロート子どもの夢基金(ロート製薬株式会社)
https://www.rohto.co.jp/sustainability/society/education/yumekikin/
壱岐島 PEACE CAMP 2026
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000166170.html
山形県遊佐中学校「世界とつながる学び」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000166170.html
ウクライナから熊本への復興応援メッセージ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000166170.html
ウクライナ・武道館学校での双方向型授業
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000166170.html
■本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
公式サイト:https://nakayoshigakuen.org
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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