全国の中高生・学校関係者から絶賛の声が続々!額賀澪最新作『願わくば海の底で』が2月19日発売!
2011年の“あの日”を境に姿を消した、青年の生きた軌跡と鎮魂の物語。
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幅広い題材の青春小説の書き手として注目を集める実力派作家・額賀澪の最新作『願わくば海の底で』が刊行されました。
本作は東北地方のとある高校が舞台に、そこで起こるささやかな謎を描いた連作短編集です。各話で語り手を変えながら、物語全体を通して描かれるのは「菅原晋也」という青年。大切なものほど失くしてしまうという悪癖に悩まされながら、それでも飄々と過ごす彼が、2011年の“あの日”以来、姿を消してしまう――。
防ぎようもない悲劇に真摯に向き合った本作は、大切な、でも薄れていた記憶を呼び起こさせ、改めて思いを馳せる――、そんな物語になっています。
『願わくば海の底で』の刊行にあたって、全国の学校関係者に作品の先読みを募集したところ、たくさんの応募と感想コメントが寄せられました。
100を超えるコメントの中から一部をご紹介します。
こんなにも切なく、こんなにも優しい震災の小説を読んだことがない。あの日の海を、町の様子を、人々の様子を、著者は丁寧に書いていてとても良かった。震災の記憶の無い若い世代に。是非読んでほしい本。そして今も海の底で眠っている多くの人がいることを、忘れずに胸に刻んでほしい。
仙台市立加茂中学校 図書事務 M・Kさん
追悼って、弔いって、何なのだろう。生きている者の勝手だと、遺された者の我儘だと、そう言われてしまえばきっと、私には何も言い返せない。それは、この本を読み終えた今だって同じ。けれど、人はどうしたって祈ることをやめられない。正しいかどうかは分からなくたって、この本は少なくともそれを肯定してくれる。きっとあの日大勢いた「菅原晋也」に、出会うはずのなかった私から、持てるだけの祈りを込めて。
埼玉県立浦和第一女子高等学校 2年 M・Aさん
菅原くんの周囲の人への言動は憎みきれないもので、周囲の人からも愛され(時には嫉妬され)ていることが伝わってきました。最後は衝撃的でしたが、あの日、あの場所ではそのようなこともあったのかもしれないと想像しました。3月11日の前に読めてよかったです。
群馬県立盲学校の皆様
人間だれしもずるい部分、だめな部分がありそれにうんざりしても、それを受け入れたり、受け入れられたりしながら暮らしていくしかない。私は今まで人を妬んだりしたときにどうして自分はそんなに悪い人間なのだろうと自己嫌悪してしまうこともあったけど、この小説を読んで自分だけではないと思えて少し前向きになることができた。
共立女子中学校 3年 M・Yさん
数字を見るだけでは得られない、あの瞬間を生きた人たちがいて、それまでもそれからも、その人と自分も。ずっと地続きなんだという実感が迫ってくる場面が何度もありました。その感覚に怯え、忘れてしまいたくなるけど、それは世界で起こるあらゆる悲劇にあてはまることだから、向き合うことを諦めず、継承していくべきなんだと、最終話を読んで思いました。
東京都立六本木高等学校 3年 R・Sさん
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書店員からも絶賛コメントが寄せられており、WEB東京創元社マガジンで紹介しています。
■2月19日発売『願わくば海の底で』(額賀澪)書店員の感想コメント&書影を公開!【WEB東京創元社マガジン】
https://note.com/tokyosogensha/n/n8185c1f2cd03
2011年の“あの日”に思いを馳せるこの季節。
多くの読者の心を震わせる傑作『願わくば海の底で』にぜひご注目ください。
■書誌情報
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願わくば海の底で
額賀澪
判型:四六判並製
ページ数:220ページ
ISBN:978-4-488-02920-3
Cコード:C0093
価格:1,760円(税込)
装画:カチナツミ
装幀:岡本歌織(next door design)
■あらすじ
東北地方沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった二〇一一年の"あの日"以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身──。これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活三年間の軌跡を辿りなおす物語。
■著者プロフィール
額賀澪(ヌカガミオ )
1990年茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒。2015年『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞、『屋上のウインドノーツ』で第22回松本清張賞を受賞しデビュー。吹奏楽やスポーツを題材とした青春小説、お仕事小説など多彩なジャンルの書き手として注目を集める。また、出版業界の内状に切り込んだノンフィクション『拝啓、本が売れません』も評判となる。著作は他に『タスキメシ』『競歩王』『沖晴くんの涙を殺して』『モノクロの夏に帰る』『転職の魔王様』『夜と跳ぶ』などがある。
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