プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES
  • Top
  • テクノロジー
  • モバイル
  • アプリ
  • エンタメ
  • ビューティー
  • ファッション
  • ライフスタイル
  • ビジネス
  • グルメ
  • スポーツ

PR TIMESのご利用について

資料をダウンロード

滋賀県立琵琶湖博物館
会社概要

比良山麓地域にのこる生態系を活かした防災・減災に関する調査研究成果が出版されました

滋賀県立琵琶湖博物館

 総合地球環境学研究所によるプロジェクトの一環で、当館学芸員らが大津市北部でおこなってきた調査研究も含む成果が、一般向けの書籍である地球研叢書(発行元:総合地球環境学研究所)として、2024年3月に公刊されました。

 比良山地東麓における自然がもたらす恵みと災いの相互の関わり、そして、災いを避け、災害復旧してきた人々の知恵や技術の蓄積について、様々な分野のプロジェクトメンバーが、やさしく紹介しています。


  • 概要

書誌情報

 吉田丈人・深町加津枝・三好岩生・落合知帆編『地球研叢書 災害対応の伝統知――比良山麓の里山から』昭和堂、2024年3月。


もとになったプロジェクト

 総合地球環境学研究所「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」(プロジェクトリーダー:吉田 丈人(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授、総合地球環境学研究所客員教授))


当館学芸員の研究活動との関連する内容(肩書は発刊当時)

・第4章「山の荒廃と土砂対応」

 渡部圭一(京都先端科学大学准教授、元琵琶湖博物館主任

 学芸員)・島本多敬(琵琶湖博物館学芸員

・第8章「石材利用と地域文化」

 渡部圭一・落合知帆(京都大学地球環境学堂准教授)・佐 

 藤啓花(京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程)


 ※本書全体の章構成は、下記の出版社URLからご参照ください。

   http://www.showado-kyoto.jp/book/b640797.htm


  • 本書の紹介

地球研叢書について

 地球環境問題の解決に向けた研究活動を進める大学共同利用機関法人「総合地球環境学研究所」(略称:地球研)が実施した研究の成果を、一般向けに紹介するシリーズの書籍です。

 今回発刊された『災害対応の伝統知――比良山麓の里山から』は、滋賀県大津市の旧志賀町域、特に比良山地東麓の地域(比良山麓地域)を対象に、2018年度から2022年度にかけて本格的な調査を進めてきたプロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」の成果をまとめたものです。


 ◆当館学芸員が調査研究に関わった内容

第4章:渡部圭一・島本多敬「山の荒廃と土砂対応」

 花崗岩が風化した砂が多量に川や水路へ流出する比良山麓地域で、住民が土砂の堆積にどのようにして対応してきたのかを取り上げています。昭和20年代(1955年頃)まで、大津市北比良地区では比良川や船溜まり、水田に堆積した土砂を除去する共同作業や労働慣行をおこなっていました。また、比良山麓の複数の地区で築かれた土砂を留める沈砂池は、そのいくつかが江戸・明治期の古地図にも描かれ、位置や形態・素材などを変えつつ、現在も維持管理され残されています。年代が明らかなもので最も古い沈砂池は、遅くとも1679年(延宝6年)には築造されていたと考えられます。


第8章 渡部圭一・落合知帆・佐藤啓花「石材利用と地域文化」

 大津市南小松・北比良地区で生産された花崗岩の石材について取り上げています。北比良の石材業は昭和戦前期に「親方」を筆頭にして、巨大な石を斜面から落とす、石を運搬する、浜に設けられた小屋で仕上げるなどの各作業が分業でおこなわれていました。同じ花崗岩でも隣接する地区で質や大きさが微妙に異なり、北比良では家屋の基礎に用いられた「長石」など長尺の製品、南小松では精巧な加工を施された灯籠などが製作されてきたのも特徴です。また、地区に残る明治期の文書から、大きな石の採掘・運搬で傷んだ山道を修復する慣行や、採石で「荒れた」山の斜面に施された石工らによる砂防工事の実施が明らかになりました。


  • 今回の成果と当館の活動の関わり

石を切り出しアカマツ林を採取してきた山の様子をジオラマ展示

 琵琶湖博物館B展示室にある「山の利用ジオラマ」は、本書第4章・第8章に関わる調査をもとに、大津市北比良地区をモデルとして作製しています。ジオラマでは、石材や燃料用のアカマツ林の採取、その結果、土砂の流出という災いと付き合いながら自然の恵みを得ていた様子を再現し、聞き取りで得られた情報をもとに、デジタル端末で解説しています。本書をお読みいただくと、ジオラマに再現された比良山麓の景観の詳しい状況や歴史的文脈がわかります。

                   

「北比良の石屋用具」を収蔵し資料整理

 本書で紹介されている大津市北比良地区で石工の「親方」をつとめた家から寄贈された「北比良の石屋用具」1,112点(2023年(令和5年)3月17日、滋賀県有形民俗文化財に指定)は、当館に収蔵されています。比良山麓地域における石材の生産活動の全体がよくわかる資料群で、当館で整理をおこなって大切に保管しています。上記「山の利用ジオラマ」でもその道具のいくつかが再現されています。


  • お問い合わせ先

【本書に関わる当館学芸員の活動および展示・収蔵資料について】

滋賀県立琵琶湖博物館 担当学芸員:島本、加藤

E-mail: info@biwahaku.jp

Tel: 077-568-4811

【研究プロジェクトおよび書籍に関することについて】

総合地球環境学研究所 広報室 岡田、柴田、松本

E-mail: kikaku@chikyu.ac.jp

Tel: 075-707-2450 / 070-2179-2130

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー新規登録無料

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


種類
その他
関連リンク
https://www.biwahaku.jp/
ダウンロード
プレスリリース.pdf
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

滋賀県立琵琶湖博物館

5フォロワー

RSS
URL
https://www.biwahaku.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
滋賀県草津市下物町1091番地
電話番号
077-568-4811
代表者名
高橋啓一
上場
未上場
資本金
-
設立
1996年10月
トレンド情報をイチ早くお届けPR TIMESを友達に追加PR TIMESのご利用について資料をダウンロード