TBSテレビの「みんなにやさしい番組作りプロジェクト」がグッドデザイン賞を受賞
科学的アプローチによるユニバーサルデザインの番組制作とワークフロー化の取り組み

株式会社TBSテレビが推進する、番組制作におけるユニバーサルデザインの取り組み「みんなにやさしい番組作りプロジェクト」が、グッドデザイン賞を受賞いたしました。テロップ、音響、配色などのデザインにおいて科学的アプローチを導入し、多様な視聴環境に対応する制作ワークフローを定着させている点が評価されました。
■感覚則から科学的アプローチへの転換と視聴ストレスの軽減
これまで制作者の感覚や経験則に委ねられてきたテロップ、音響、配色などの番組デザインに対し、本プロジェクトでは客観的データに基づく科学的なアプローチを導入しています。慶應義塾大学との共同研究による脳波測定を用いた視聴ストレスの可視化を通じて、情報のインプットにかかる負荷を客観的に検証しました。その結果に基づき、テロップの文字サイズを従来の130%に拡大し、1行あたり17文字以内に制限するとともに、太字だけでなく細字もあえて使うことで、視聴者の読むストレスを劇的に軽減しています。また、音響面ではBGMの音量をメインとなるアナウンサーの声よりも15dB以上小さく設定し、より聞き取りやすい最適なバランスを導き出しています。




■色覚多様性への配慮と制作ワークフローへの定着
色覚多様性への配慮として自社開発のAIツール「カラーUDチェッカー」を開発。また、配色だけでなく円グラフの境界に白線を入れるなどの改善を施しています。これらの最適解を導き出すだけでなく、『Nスタ』をはじめとする自社番組から全国のJNN系列局の報道番組まで、誰もが心地よく視聴できる日々の制作ワークフローとして定着させている点が評価されました。
■ 審査委員評価コメント
「放送現場の経験則や感覚知に委ねられてきたテロップやBGMの設計に対し、脳波測定による視聴ストレスの可視化やAIを用いた配色チェックといった科学的アプローチを導入した。即時性や正確性が最優先される報道メディアにおいて、演出意図とアクセシビリティが調和したデザインを実現することは容易ではない。本件は、その最適解を客観的データから導き出しながら、単なるガイドライン策定にとどまることなく、日々の制作実務に組み込むワークフローへと昇華させている。自社の帯番組や特番から系列局の報道番組へ運用を定着させ、大学との共同研究成果を業界全体へ共有している点にも注目した。主観的な慣習を客観的な指標へと置き換えることで、多様な色覚特性や高齢化に対応した、心地よい視聴環境を確実に担保しており、マスメディアが果たすべき情報アクセシビリティの質的向上を力強く牽引している。」
TBSは今後も科学的な知見に基づくやさしい放送を追求し、マスメディアが果たすべき情報アクセシビリティの向上に努めてまいります。
■ 取り組み概要
慶應義塾大学との共同研究による脳波測定を活用した視聴ストレスの可視化や、AIツール「カラーUDチェッカー」を用いた色覚多様性への配慮など、科学的データに基づくユニバーサルデザインの番組制作ワークフローの構築と展開。
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