【特許権利化】AIを制しても、半導体を制さなければ意味がない。AIの頭脳=特定重要物資「半導体」の模造品対策。1個ごとに“履歴書”を持たせ、製造から廃棄まで企業を跨ぎ真贋を証明する日本初の特許(※1)

AIとは「半導体」の上で動くソフトウェアです。その1個が模造品なら、止まるか、狂うか、乗っ取られる―1個の「半導体」に「履歴書」を持たせ「企業の壁」を越えて真贋を証明する「鑑定証明システム」を権利化

cycaltrust株式会社

 サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江剛、以下「サイカルトラスト」)は、日本国特許(特願2026-099333)について、2026年8月4日、特許庁より特許査定を受領し権利化が確定したことを発表します。特許番号は、付番後に別途公表します。

 ”AIとは、「半導体」の上で動くソフトウェア”です。生成AIも、AIエージェントも、人と共に働くフィジカルAIも、その「頭脳」をたどれば、最後は1個の「半導体」に行き着きます。つまり、どれほど賢いAIも、足元の「半導体」が本物でなければ、信用することはできません。ところが、人には経歴を示す「履歴書」があるのに、半導体1個には「どこで作られ、どんな検査を受け、誰の手を経てここまで来たのか」を示す「履歴書」がありません。「半導体」の模造品は、この ”空白” に入り込みます。そして、模造品を取り込んだAIは、ある日突然、止まるか、狂うか、乗っ取られます。

 「半導体」は、経済安全保障推進法で「特定重要物資」に指定された部品です。それは、人命に関わるクルマや医療機器に入っているからだけではありません。これから社会を動かすすべてのAIが、その上に積み上がるからです。

 本特許技術は、この ”空白” を埋めるものです。要点は3つ ――

 第1に、「半導体」1個ごとに「履歴書」を持たせます。

 第2に、製造・検査・出荷・保守・廃棄までの全記録を、別々の会社が別々のシステムで持っていても、それらを置き換えることなく「1本」につなぎます。

 第3に、「1本」につなぐ過程で疑義が生じた場合、そのつじつまの合わない箇所を見つけ、原因の候補と「次に誰へ何を確かめるべきか」まで示してから出荷前に確実に止めます。

 サイカルトラストは、2025年に大手半導体商社、伯東株式会社と「半導体」の模造品対策に係る「PoC(概念実証)」を完遂しています(※2)。本特許技術は、その実証で見えた「企業をまたぐたびに、データ連携が途切れてしまう(=「企業の壁」)」という最後の課題を解決するものです。

 第1章(背景) 「半導体の模造品」はどれだけ流れ、AIの時代にどれだけの ”損失” と ”混乱” を招くのか 

第1節 世界で645兆円、「半導体」だけで年間約1.2兆円

 国際商業会議所(ICC)の委託により英国の調査会社Frontier Economicsがまとめた報告によれば、模造品や海賊版が世界にもたらす経済損失は年間645兆円(1ドル160円換算)に達します(※3)。これは日本の1年分の名目GDPに匹敵する規模です(※4)。その中でも、「半導体」の模倣品や使い回し品(以下「模造品」)による被害額だけで、年間約1.2兆円(1ドル160円換算)を超えるとされます(※5)。

第2節 ”AIとは「半導体」の上で動くソフトウェアである”

 ここで、視点をAIへ移します。生成AIも、AIエージェントも、フィジカルAIも、その正体は「『半導体』の上で動くソフトウェア」です。AI事業は、「A層」から「K層」へ、次の「11の層」で積み上がっています。以下に、各層の代表的なビジネスモデルを3つずつ挙げます(※10)。

 〔A.「半導体」を作る層〕

  •  AI半導体の設計=学習・推論用チップを設計して売る 

  • ファウンドリ=他社が設計したAIチップを受託製造する 

  • エッジAIチップ=クルマ・医療機器・カメラの中で推論するチップを売る

 〔B.「半導体」を置く層〕

  •  AIデータセンター=AI専用の施設を建てて貸す 

  • ネオクラウド=GPUだけを大量に持ち時間貸しする 

  • AI向け電力(原子力・再エネ)=AI施設専用の電源を売る

 〔C.頭脳を動かす層〕

  •  最先端モデルのAPI販売=使った分だけ課金する 

  • 領域特化モデル(医療・金融)=業界データで鍛えたモデルを売る 

  • ロボット基盤モデル=物理世界を理解し動作を生成するモデルを提供する

 〔D.頭脳にデータを与える層〕

  •  データラベリング=学習用データに正解を付ける 

  • 専門家フィードバック=医師・弁護士の判断をAIに教える 

  • 現場データ収集=工場・クルマ・農地の実データを集める

 〔E.頭脳を組み立てる層〕

  •  AIコーディング=AIがプログラムを書く 

  • エージェント実行基盤=エージェントを安全に動かす環境を貸す 

  • ツール接続=AIが外部システムを操作する接続部品

 〔F.頭脳を働かせる層〕

  •  AIエージェント=あらゆる業務システムと連携し作業を代行する 

  • エージェンティックコマース=AIが探索・比較・購入を代行する 

  • エージェント向け決済=AIが支払うための決済手段を提供する

 〔G.人が使う層〕

  • 消費者向けAIチャット=月額課金で対話する 

  • AI検索・回答エンジン=検索結果ではなく「答え」を返す 

  • AI翻訳・音声=医療や外交の現場で言語を変換する

 〔H.業種ごとに使う層〕

  •  医療AI=診療記録・診断支援・画像診断 

  • エネルギーAI=電力の需給を自律調整する 

  • 防衛AI=偵察・分析・ドローン

 〔I.現実世界で動く層〕

  •  ロボタクシー・自動運転=運転手なしで人と荷物を運ぶ 

  • 手術・介護ロボット=医療と介護の現場で人を補助する 

  • ヒューマノイド=人型ロボットが人と並んで働く

 〔J.それらを守る層〕

  •  コグニティブセキュリティ=偽情報による世論操作を検知し防ぐ 

  • フロンティアAIへの防御AI=高度なAIによるサイバー攻撃を自動で防ぐ 

  • AI監査・認証=第三者がAIの安全性を鑑定し証明する

 〔K.それらで稼ぐ層〕

  •  AIコンサルティング・システム構築=導入設計と構築を請け負う 

  • AI運用代行=AIの運用を丸ごと引き受ける 

  • GPU担保ファイナンス=GPUを担保に資金を貸す

 

 以上のとおり、この「33のビジネスモデル」のうち、「半導体」が介在しないビジネスモデルは1つもありません。AIの全産業は、最下層にある「半導体」1個が本物であるという前提の上に積み上がっています。

第4節 模造品を取り込んだAIは、止まるか、狂うか、乗っ取られる

 その前提が崩れたとき、何が起きるのでしょうか。模造品の「半導体」がAIにもたらす被害は、3つの型に分かれます。第1は、「止まる型」です。模造品は性能が足りず、早く壊れます。第2は、「狂う型」です。仕様どおりに動かない「半導体」の上では、AIの判断そのものが狂います。第3は、「乗っ取られる型」です。悪意をもって仕込まれた「半導体」は、外部からの合図で、ある日突然、AIを別の目的で動かします。米国では、国防総省の供給網に紛れ込んだ模造「半導体」について、上院軍事委員会が約1,800件の事例を認定した報告があり(※11)、各国政府が最も警戒する型です。

 第2章(課題) 模造品を止められない「3つの課題」 

第1節 「ロット」でしか追えない

 現在の半導体流通における管理は、まとめて製造・出荷される「ロット(箱)」単位が基本です。箱のラベルに記載された型番と数量が合致していれば、企業の受け入れ検査は通過してしまいます。しかし、箱の中の1個だけがすり替えられていた場合、ラベルからそれを検知することはできません。「箱の表記は正しいが、中身が違う」という物理的な死角が、最初の侵入口となります。

第2節 履歴が会社ごとに分断されている

 製造元の試験データ、商社の出荷記録、組み立て工場の検査結果、そしてAIデータセンターの受け入れ記録などは、各企業が独自のシステムで厳重に管理しています。

 しかし、これらは互いに連携していません。加えて、原価や取引条件を含むデータは、機密情報として取引先にも開示できないのがビジネスの実情です。この「情報を見せられないから、真贋を確かめられない」という「企業の壁」に阻まれ、製品が次の企業へ引き継がれるたびに、安全を証明する履歴は途切れてしまいます。

第3節 異常に気づいても「次の一手」が分からない

 万が一、受け入れ検査で「何かがおかしい」と気づいても、履歴が途切れているため追跡がそこで止まります。原因が特定できなければ、「誰に」「どの証拠を」求めて事実確認をすべきかという次の一手が打てません。結果として、最終製品やAIサービスに組み込まれた後に故障や誤動作が発生し、初めて模造品の混入が発覚します。これが巨額のリコールと、上記、第1章で示した「止まる・狂う・乗っ取られる」を引き起こすメカニズムです。

 これら3つの課題に共通しているのは、「現場の検査精度」が足りないからではなく、「半導体1個ずつの履歴を『企業の壁』を越えて途切れずに追跡・共有する仕組み」がサプライチェーン上に存在しないという構造的な欠陥です。

 第3章(解決策) 特許技術(「鑑定証明システム(R)」)による「3つの解決策」 

第1節 「ロット」ではなく「1個ごとの『履歴書』」で追う

 半導体をロット単位ではなく、1個ごとに固有のIDを付与して管理します。このIDに、製造時の試験、出荷、受け入れ、保守、廃棄といった一連の出来事を紐づけたデータが「半導体」の「履歴書」となります。

 万が一、箱の中身がすり替えられたり、外見を偽装したリマーク品が混ざったりしても、データ上の「履歴書」と「実際の読み取り記録や型番」の間で必ず矛盾が生じるため、目視に頼らず模造品を見破ることができます。

第2節 「企業の壁」を越えてつなぐ、見せずに確かめる

 本特許技術の最大の優位性は、各社が現在使っているシステムを一切置き換えない点にあります。「企業の壁」を越えるためにシステムを単一に統合するのではなく、企業ごとに「見せられるデータ」と「見せられないデータ」の開示ルールを設定(ゼロ知識証明)し、「履歴書」に接続します。原価などの機密情報は中身を開示せず「検証済みの結果」だけを共有する仕組みです。これにより、企業秘密を完全に保護したまま真贋の検証を継続できます。

第3節 異常を「次の一手」に変える

 「履歴書」データに少しでも矛盾が生じると、システムが自動で「どこで起きた異常か」「原因の候補は何か」「追加で誰に何の確認が必要か」を組み立て、関係各所へ即座に照会します。正しい証拠データが揃うまでは出荷をシステム制御で止めるため、現場の「たぶん大丈夫」という見切り発車を根本から封じ込め、巨額のリコールを未然に防ぎます。 

 なお、本特許技術には、AI(AGI・ASI)が原因究明をサポートしてその理由を人間が読める形で提示する仕組みや、将来の量子コンピュータの脅威にも耐えうる暗号方式の選択機能(PQC、QKD)も特許権利範囲に含まれており、長期的な優位性を担保しています。

 第4章(結論) サイカルトラスト 代表取締役 須江 剛 コメント

 私たちは、「半導体」の模造品対策は「検査の精度」の問題ではなく、「履歴が途切れる構造」の問題だと考えています。いくら検査を厳格にしても、「企業の壁」で履歴が途切れる限り、模造品はその隙間から入り込んでしまいます。

 今年、日本でも「AIは核兵器並みの脅威だ」と語られるようになりました。しかしながら、核兵器には査察があります。核物質がどこで作られ、どこへ運ばれ、誰の手にあるかを国際社会は履歴で追っています。ところが、AIの頭脳である「半導体」には、その査察に当たるものがありません。どこで作られ、どんな検査を受け、誰の手を経てAIの中に入ったのかを誰も証明できないのです。「核兵器並みの脅威」を「履歴書」のない「半導体」の上で動かしている ―― それが、いまのAI社会の姿です。

 世界はいま、AIの性能競争に目を奪われています。より賢いモデル、より多くのGPU、より大きなデータセンター。しかし、上記、第1章で述べたとおり、”AIとは「半導体」の上で動くソフトウェア” です。頭脳主権も、人命も、そして国家判断も、突き詰めれば「半導体」1個の真贋に行き着きます。どれほど賢いAIを作っても、その足元の「半導体」が本物であることを検証(証明)できない国は、他国の合図ひとつで頭脳を止められる国です。AIを制しても、「半導体」を制していなければ、何も制していない ―― 私たちはそう捉えています。

 だからこそ、本特許を権利化しました。サプライチェーンに「『履歴書』のない半導体は流通できない」という新常識をつくりたい ―― それは製品のリコールを防ぐためだけではありません。AIが本物の「半導体」の上で動いていることを、世界に証明するためです。「半導体」の模造品対策をサプライチェーンで押さえた国こそが、AI競争の本当の勝者になると私たちは確信しています。

 サイカルトラストはこれまで「トラスト(真正性)」を追求し、特許群を日米欧台にまたがるグローバルな資産へと拡大させてきました。さらに、「国際標準規格(ISO 26345)」のルール作りも主導しています。標準を世界に開きつつ、コア技術は特許で強固に守る。この「オープンクローズ戦略」により、誰もが安心して繋がれる基盤を目指します。

 第5章 サイカルトラストに関しまして 

(1)会社概要

 サイカルトラストは、「AIオーケストレーション」×「ブロックチェーン」を用いて、あらゆる資産の「真正性(トラスト)」、「本人証明」、「商品の所有者証明」、「サプライチェーン・トレーサビリティ証明」、「環境デューデリジェンス証明(GX)」、その他「人権デューデリジェンス証明」などを担保する「鑑定証明システム(R)」を開発・運営する企業です。

 中核となる特許群は、その基本特許としての功績が認められ、2025年に「発明大賞(発明功労賞)」を受賞しています。また、ブロックチェーンの国際標準規格「ISO/TC307(WG8)」においては、日本代表として「ISO 26345」の策定を主導。3層構造の「オープンクローズ戦略」を展開し、市場における差別化、競合優位性、さらには参入障壁を確立して参る所存です。

【公式Webサイト】

https://cycaltrust.co.jp/

【公式X】

https://x.com/cycaltrust

【公式YouTube】

https://www.youtube.com/@cycaltrust_official 

(2)ヴィジョン:「ウソ・偽りのないトラストな世界を」

 かつてインターネット黎明期、偽サイトや盗聴からWebの世界を救ったのは、「http」から「https」への格上げとそれを支えた「セキュリティ認証局」の誕生でした。通信相手がトラスト(本物)であることを第三者が証明する仕組みが整ったことで、世界中で安心安全なEコマースや金融決済が可能になりました。

 そして今、AIエージェントが自律的に社会を動かす時代を迎え、私たちは当時とは比較にならない規模の脅威、すなわち「フロンティアAI」の制御不能化や「ディープフェイク」による偽装に直面しています。次の時代、世界中のすべてのAIに必須となるのは、そのAIが「本物か」・「安心安全か」を第三者としてリアルタイムに鑑定証明する「AI認証局」であると、私たちは考えています。サイカルトラストは、この未来のAI社会における「『関所となるシステム』=『鑑定証明システム(R)』」について、特許群の権利化を引き続き進めて参ります。

 私たちは、「AI認証局」という次世代インフラの確立を、充電・通信端子の世界共通化を成し遂げた「USB タイプC」の軌跡になぞらえています。かつてApple社の「ライトニング端子」は、強大なエコシステムを背景に「業界標準(デファクトスタンダード)」としての地位を誇っていました。しかしながら、決して「国際標準規格(デジュールスタンダード)」ではありませんでした。一方の「USB タイプC」は、「国際標準規格(IEC 62680-1-3)」として認定されたことで、それまで世界を席巻していた「ライトニング端子」に取って代わり、真の世界共通インターフェースへと飛躍を遂げました。最終的に市場を制したのは、「国際標準規格」という正当性を獲得した側でした。

 サイカルトラストも、40件超の国内外特許・出願からなる特許網(知財の盾)に加え、世界中のサプライチェーンや企業が安心して繋がり合うための国際標準規格「ISO 26345」について、提案・原案作成を主導しています。私たちが目指すのは、乱立する独自技術を一つの共通ルールに収れんさせ、あらゆるビジネスが世界中でその恩恵を等しく享受できる、トラスト領域における「USB タイプC」のポジションです。

 かつて安全なインターネットが世界にイノベーションをもたらしたように、サイカルトラストは「国際標準規格」により「ウソ・偽りのないトラストな世界を」実現して参ります。

 第6章 本リリースの出典 

(※1)2026年9月4日時点のWeb調査、サイカルトラスト調べ(J-PlatPat検索)。「日本初」とは、半導体を個体単位で識別し、ライフサイクルの記録を接続した履歴に基づいて複数の整合性を判定した権利化が「日本初」であることを指します。比較対象および選定基準は、J-PlatPatで検索可能な公開特許公報および特許公報の全件を母集団とし「半導体デバイスの個体識別」「複数主体を跨ぐ履歴接続」の要素を含む検索式で抽出された1,087件の特許請求の範囲を精査したものです(未公開出願を除く)。

(※2)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000044818.html

(※3)Frontier Economics「The Economic Impacts of Counterfeiting and Piracy」2017年

(※4)内閣府 国民経済計算(GDP統計)

(※5)日刊工業新聞「半導体の模倣品を排除せよ!SEMIがブロックチェーンで供給網を管理へ」(2021年6月23日)

(※6)ERAI「2025 Annual Report」2026年

(※7)(JEITA)半導体部会「半導体模倣品に対する注意のお願い」

(※9)日本経済新聞「熊本地震で供給網に痛手 港湾に被害、半導体やトヨタの生産停止続く」2026年7月

(※10)ガートナージャパン「フィジカルAIとは?生成AIとの違いや活用例、将来性を解説」2026年

(※11)米国上院軍事委員会「Inquiry into Counterfeit Electronic Parts in the Department of Defense Supply Chain」(Report 112-167、2012年)

(※12)内閣府「経済安全保障推進法」および特定重要物資の指定

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区幡ヶ谷1-29-2 THE STEPS 302
電話番号
-
代表者名
須江 剛
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
2020年05月