「アーティストとして生きる。現代美術家 渡辺篤さん」アーツコミッション・ヨコハマでは若手アーティストをサポートしています。
アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)では、今年度から新たな助成制度、創造都市横浜における若手芸術家育成助成「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」を開始しました。これにより、横浜から新たな人材が育ち、さらに先駆的な活動が生まれることで、横浜の魅力が世界へ発信されることを目指します。
次世代を担う若手芸術家を横浜で育成・発信
「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」とは?
「クリエイティブ・チルドレン」とは、横浜市が文化芸術創造都市のさらなる推進を図るべく、子どもたちの創造性を養うと共に、多様な文化芸術を継承、発展、創造する次世代の人材育成プロジェクトです。
その構想に基づき、今年から横浜から世界に芸術文化を発信するアーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度を開始しました。
今回は「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」で選ばれた内の1人。
渡辺篤さんのインタビューをご紹介します。
小学校1年生の時、「氷川丸」を描いた絵で賞をもらったのがきっかけで美術に興味を持ち、中学2年生の時、NHKの番組をみて、美大を志したといいます。
「ひきこもり」「傷」「鬱」紆余曲折を経て、彼が今思うこと。彼にとってのアートとは?
(※「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/ より)
2016年、自らの経験から、HPで集めた人の心の傷に思いを馳せる,
プロジェクト作品『あなたの傷を教えてください』を作り始め、今秋に開催された「黄金町バザール2016」で発表した。アートファンだけでなく、実際に悩んでいる人、それを近くで見ている人、この作品によって多様な傷があると知った人…など、たくさんの人たちに共感を持って迎えられた。たくさんのメディアにも取り上げられ、ひきこもりを終えて、アートの世界に本格的に舞い戻ってから3年。
「今までとリズムが変わった。少しずつ何かが回り始めた」
と感じる1年だった。
世界を見据えるアーティストとしての身の処し方
「世の中には僕が想像したこともない傷がある。そんな声を聞き取れるのは僕だからできること。ある意味宿命だと思っている。止むに止まれぬ気持ちでやっています」
でも自分は正義ではない。作品はヒーリング・アートではないし、救済と呼ばれるものではない。
「政治、福祉、宗教ではできないことをアートでやろうと思っている。ただ、人がむやみに自分から死ななくてすむような提案をしたいだけです。」
傷を作品として昇華させるプロセスは自分自身のためでもある。しかし社会的なテーマを取り上げたり、募集型で作品を作ると、矢面に立たされているという感覚がある。さまざまな意見が寄せられる。それに向かい合う覚悟が求められる。
それでもこれからは外国の心の傷も知りたいと考えている。すでに英語、スペイン語、フランス語などでの応募があった。外国に出向き、現地の言葉でこのプロジェクトを展開したい。
「違う政治、文化、宗教によって作られた個人の感覚に触れてみたい。わからないから接してみたいと思います。先に世界に飛び出したアーティストたちからは、アートの概念が明快な国では制作活動がしやすいと聞いていますし」これからの現代美術には、海外をものともしないフットワークと視野の広さが必要だと感じている。レジデンス制作や国際的な展覧会にも参加してみたい…。
2016年に創造都市横浜における若手芸術家育成助成「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」に選ばれ、その助成は海外へ羽ばたくための準備に活用される。
2016年を振り返って、そして新しい年へ。
2016年はアーティスト、渡辺篤にとってはいい年だったのではないだろうか。
「ひきこもりをやめて、2013年に展覧会をしましたが、SNSで繋がっていた人たちは来てくれたけれど、当時アート関係の人たちは、まだほとんど来てくれなかった。アーティストとして、まだしろうとくさかったかもしれません。それが2016年になって、助成のコンペにも選んでもらえたし、テレビなどで取り上げられたりして、少しずつ何かが回り始めた。リズムが変わった年ですね。今後もやっていく自信ができた気がします」
『あなたの傷を教えてください。』シリーズを作りながら感じていたことは、世の中は多様だということ。
「辛いことは絵空事、ドラマの中の話ではなく、リアルな生活圏にあるということを今さらの様に気づかされました。社会ってこんなふうになっているんだなと。“ケガレ”と呼ばれる忌まわしい物事から人は目を反らしがちだけど、それと一緒に人間は生きているのだということ。ひどいショックを受けると、自分だけに起こったと思いがち。でもそんなことはない。ピーカンの幸福ばかりじゃなくても、ちょっと曇天で、晴れもあれば、雨もあって、そうやって毎日続いていく、ということを学びました。発見というべきかな」
アートがあるからもう挫けないと言った渡辺さん。ではあなたにとってアートとは?
「難しい…」と少し黙った後で
「まだピタッとしないけど、生きること」
曇天でも生き続けるということ。その気概はアートと呼ぶのにふさわしいと思う。
(創造都市横浜インタビューから抜粋)
2017年には、六本木ヒルズA/Dギャラリーでの個展も予定されている、渡辺さん。
今後も、アーティスト 渡辺篤 の活躍が楽しみです。
「アーティストとして生きる。現代美術家 渡辺篤さん」インタビューの全文は→「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/
アーツコミッション・ヨコハマとは?
横浜市芸術文化振興財団のプロジェクトのひとつです。横浜市の掲げる 「文化芸術創造都市・横浜」の取り組みを基にアーティスト、クリエーターの支援を通じ、その力を街に活かすと共に、クリエイティブな活動と街のプロモーションを行っています。http://acy.yafjp.org/
「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」とは?
「クリエイティブ・チルドレン」とは、横浜市が文化芸術創造都市のさらなる推進を図るべく、子どもたちの創造性を養うと共に、多様な文化芸術を継承、発展、創造する次世代の人材育成プロジェクトです。
その構想に基づき、今年から横浜から世界に芸術文化を発信するアーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度を開始しました。
今回は「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」で選ばれた内の1人。
渡辺篤さんのインタビューをご紹介します。
アーティスト、渡辺篤(わたなべ あつし)1978年神奈川県生まれ。2009年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修了。在学時代から自身の体験に基づく、傷や囚われとの向き合いを根幹とし、社会批評性の強い作品を発表してきました。
小学校1年生の時、「氷川丸」を描いた絵で賞をもらったのがきっかけで美術に興味を持ち、中学2年生の時、NHKの番組をみて、美大を志したといいます。
「ひきこもり」「傷」「鬱」紆余曲折を経て、彼が今思うこと。彼にとってのアートとは?
(※「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/ より)
2016年、自らの経験から、HPで集めた人の心の傷に思いを馳せる,
プロジェクト作品『あなたの傷を教えてください』を作り始め、今秋に開催された「黄金町バザール2016」で発表した。アートファンだけでなく、実際に悩んでいる人、それを近くで見ている人、この作品によって多様な傷があると知った人…など、たくさんの人たちに共感を持って迎えられた。たくさんのメディアにも取り上げられ、ひきこもりを終えて、アートの世界に本格的に舞い戻ってから3年。
「今までとリズムが変わった。少しずつ何かが回り始めた」
と感じる1年だった。
世界を見据えるアーティストとしての身の処し方
「世の中には僕が想像したこともない傷がある。そんな声を聞き取れるのは僕だからできること。ある意味宿命だと思っている。止むに止まれぬ気持ちでやっています」
でも自分は正義ではない。作品はヒーリング・アートではないし、救済と呼ばれるものではない。
「政治、福祉、宗教ではできないことをアートでやろうと思っている。ただ、人がむやみに自分から死ななくてすむような提案をしたいだけです。」
傷を作品として昇華させるプロセスは自分自身のためでもある。しかし社会的なテーマを取り上げたり、募集型で作品を作ると、矢面に立たされているという感覚がある。さまざまな意見が寄せられる。それに向かい合う覚悟が求められる。
それでもこれからは外国の心の傷も知りたいと考えている。すでに英語、スペイン語、フランス語などでの応募があった。外国に出向き、現地の言葉でこのプロジェクトを展開したい。
「違う政治、文化、宗教によって作られた個人の感覚に触れてみたい。わからないから接してみたいと思います。先に世界に飛び出したアーティストたちからは、アートの概念が明快な国では制作活動がしやすいと聞いていますし」これからの現代美術には、海外をものともしないフットワークと視野の広さが必要だと感じている。レジデンス制作や国際的な展覧会にも参加してみたい…。
2016年に創造都市横浜における若手芸術家育成助成「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」に選ばれ、その助成は海外へ羽ばたくための準備に活用される。
2016年を振り返って、そして新しい年へ。
2016年はアーティスト、渡辺篤にとってはいい年だったのではないだろうか。
「ひきこもりをやめて、2013年に展覧会をしましたが、SNSで繋がっていた人たちは来てくれたけれど、当時アート関係の人たちは、まだほとんど来てくれなかった。アーティストとして、まだしろうとくさかったかもしれません。それが2016年になって、助成のコンペにも選んでもらえたし、テレビなどで取り上げられたりして、少しずつ何かが回り始めた。リズムが変わった年ですね。今後もやっていく自信ができた気がします」
『あなたの傷を教えてください。』シリーズを作りながら感じていたことは、世の中は多様だということ。
「辛いことは絵空事、ドラマの中の話ではなく、リアルな生活圏にあるということを今さらの様に気づかされました。社会ってこんなふうになっているんだなと。“ケガレ”と呼ばれる忌まわしい物事から人は目を反らしがちだけど、それと一緒に人間は生きているのだということ。ひどいショックを受けると、自分だけに起こったと思いがち。でもそんなことはない。ピーカンの幸福ばかりじゃなくても、ちょっと曇天で、晴れもあれば、雨もあって、そうやって毎日続いていく、ということを学びました。発見というべきかな」
アートがあるからもう挫けないと言った渡辺さん。ではあなたにとってアートとは?
「難しい…」と少し黙った後で
「まだピタッとしないけど、生きること」
曇天でも生き続けるということ。その気概はアートと呼ぶのにふさわしいと思う。
(創造都市横浜インタビューから抜粋)
2017年には、六本木ヒルズA/Dギャラリーでの個展も予定されている、渡辺さん。
今後も、アーティスト 渡辺篤 の活躍が楽しみです。
「アーティストとして生きる。現代美術家 渡辺篤さん」インタビューの全文は→「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/
※アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)は、(公財)横浜市芸術文化振興財団が横浜市文化観光局の補助金を受けて運営する事業です。(横浜市中区山下町2産業貿易センタービル1F)
アーツコミッション・ヨコハマとは?
横浜市芸術文化振興財団のプロジェクトのひとつです。横浜市の掲げる 「文化芸術創造都市・横浜」の取り組みを基にアーティスト、クリエーターの支援を通じ、その力を街に活かすと共に、クリエイティブな活動と街のプロモーションを行っています。http://acy.yafjp.org/
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