【ケロイド治療調査】傷跡の盛り上がりを67.7%が放置、治療満足度はステロイド注射58.3%・手術切除は82.4%と大差〜再発率と費用を形成外科医が比較解説〜

全国300名への調査で判明した「ケロイド・肥厚性瘢痕」の認知度と治療選択の実態、形成外科医が最適な治療法選びのポイントを解説

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント 

【結論】ケロイドと肥厚性瘢痕では治療法の選択基準が異なります。肥厚性瘢痕は圧迫療法やステロイド注射で改善するケースが多い一方、ケロイドは手術切除と術後放射線療法の併用が最も効果的です。保険適用で治療可能ですが、体質的要因が大きいため早期の専門医受診が重要です。

・傷跡の盛り上がりを「放置している」と回答した人が67.7%に達した

・ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを「正しく理解している」人はわずか18.3%

・手術切除と放射線療法併用の満足度は82.4%で、ステロイド注射単独の58.3%を大きく上回った

用語解説 

■ ケロイドとは 

ケロイドとは、傷が治る過程で線維芽細胞が過剰に増殖し、元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで盛り上がりが広がる疾患である。遺伝的素因が関与し、自然に縮小することはほとんどない。前胸部・肩・耳たぶなどに好発する。 

■ 肥厚性瘢痕とは 

肥厚性瘢痕とは、傷跡が赤く盛り上がるが、元の傷の範囲内にとどまる状態を指す。ケロイドと異なり、時間の経過とともに自然に改善する傾向があり、圧迫療法などの保存的治療が有効である。

 

■ ケナコルト注射(ステロイド局所注射)とは 

ケナコルト注射とは、トリアムシノロンアセトニドというステロイド薬を病変部に直接注射する治療法である。コラーゲン産生を抑制し、ケロイドや肥厚性瘢痕の盛り上がり・かゆみ・痛みを軽減する効果がある。

ケロイド・肥厚性瘢痕の治療法比較

比較項目

ステロイド注射

圧迫療法

手術切除+放射線

効果の程度

軽度〜中等度に有効

軽度に有効

中等度〜重度に有効

再発率

40〜60%

30〜50%

10〜20%(放射線併用時)

治療期間

3〜6ヶ月(月1回)

6ヶ月〜1年以上

手術1日+放射線2〜3日

費用目安(3割負担)

1回500〜1,500円

1,000〜3,000円/月

15,000〜50,000円

痛み・負担

注射時の痛みあり

ほぼなし

術後1〜2週間の痛み

保険適用

適用あり

適用あり

適用あり

※当院監修医師の30,000件以上の皮膚外科手術実績に基づく数値です。症状の程度や部位により個人差があります。

医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、ケロイド・肥厚性瘢痕(傷跡の盛り上がり)に関する意識調査を実施しました。当院は皮膚腫瘍・皮膚外科領域において30,000件以上の手術実績を持つ監修医師のもと、保険診療を中心とした皮膚科・形成外科治療を提供しています。

調査背景 

手術や怪我の後に傷跡が赤く盛り上がる「ケロイド」や「肥厚性瘢痕」は、見た目の問題だけでなく、かゆみや痛みを伴うことも多い疾患です。しかし、「体質だから仕方ない」「どこで治療すればいいかわからない」という理由で放置されているケースが散見されます。そこで当院では、傷跡の盛り上がりに悩む方々の実態を把握し、適切な治療法選択の啓発につなげるため、本調査を実施しました。

調査概要 

調査対象:過去に手術や怪我をした経験があり、傷跡の盛り上がりを経験したことのある全国の20〜60代の男女 

調査期間:2026年4月6日〜4月15日 

調査方法:インターネット調査 

調査対象人数:300名

調査結果

 【調査結果】67.7%が傷跡の盛り上がりを放置、医療機関受診はわずか2割 

設問:傷跡が赤く盛り上がった経験について、現在どのような対応をしていますか?

約7割が傷跡の盛り上がりを放置していることが判明しました。ケロイドは自然治癒しにくく、放置すると範囲が拡大する可能性があるため、早期受診の啓発が必要です。

【調査結果】ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを正しく理解している人はわずか18.3%

設問:「ケロイド」と「肥厚性瘢痕」の違いについて、どの程度理解していますか?

8割以上が両者の違いを理解していないことがわかりました。ケロイドと肥厚性瘢痕では最適な治療法が異なるため、正確な診断を受けることの重要性が示唆されます。

【調査結果】放置理由の1位は「体質だから治らないと思っていた」が38.4%

設問:傷跡の盛り上がりを放置している理由として、最も当てはまるものは何ですか?(放置している方のみ回答)

「治らない」という誤解や受診科がわからないという情報不足が放置の主な原因となっています。ケロイドは保険適用で治療可能であり、形成外科や皮膚科で専門的な治療を受けられることの周知が必要です。

【調査結果】手術切除+放射線療法の満足度が82.4%で最高

設問:ケロイドの治療を受けた方にお聞きします。どの治療法を経験しましたか?(複数回答可・最も効果を感じたもの1つ)

ステロイド注射が最も多く選択されていますが、満足度では手術切除と放射線療法の併用が突出しています。中等度〜重度のケロイドには積極的な治療介入が有効であることを示しています。

【調査結果】78.0%が手術前にケロイド予防の相談を希望

設問:今後、手術を受ける予定がある場合、ケロイド予防について事前に相談したいと思いますか?

約8割が手術前のケロイド予防相談を希望しています。ケロイド体質の方は術前から予防策を講じることで発症リスクを軽減できるため、事前カウンセリングの重要性が高まっています。

調査まとめ 

本調査により、傷跡の盛り上がり(ケロイド・肥厚性瘢痕)を経験した方の67.7%が放置しており、その主な理由は「体質だから治らない」という誤解であることが判明しました。また、ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを正しく理解している人は18.3%にとどまり、疾患への理解不足が適切な治療機会を逃す原因となっています。治療経験者への調査では、手術切除と放射線療法の併用が82.4%と最も高い満足度を示し、ステロイド注射単独の58.3%を大きく上回りました。約8割の方が手術前のケロイド予防相談を希望しており、予防から治療まで一貫した専門的アプローチの需要が高いことが明らかになりました。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師

当院監修医師の30,000件以上の皮膚外科手術実績から申し上げると、ケロイドと肥厚性瘢痕は見た目が似ていても全く異なる疾患であり、治療戦略を誤ると再発や悪化につながります。まず正確な診断を受けることが、治療成功の第一歩です。

ケロイドは遺伝的素因が大きく関与する疾患で、傷が治る過程でコラーゲンが過剰に産生され、元の傷の範囲を超えて周囲に広がっていきます。一方、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまり、時間とともに自然に改善する傾向があります。この違いを見極めることが適切な治療選択の基本です。

治療法の選択については、軽度の症状であればステロイド注射や圧迫療法から開始しますが、中等度〜重度のケロイドには手術切除と術後放射線療法の併用が最も効果的です。手術単独では再発率が50〜100%と非常に高いですが、放射線療法を併用することで再発率を10〜20%程度に抑えることができます。

また、ケロイド体質の方が手術を受ける際は、術前から予防策を講じることが重要です。テープによる張力軽減、術後早期からの圧迫療法、必要に応じて予防的ステロイド注射を行うことで、ケロイド発症リスクを大幅に軽減できます。

「体質だから仕方ない」とあきらめる必要はありません。現在は保険適用で様々な治療法を受けることができ、適切な治療を継続すれば症状の改善が期待できます。

【エビデンス】日本皮膚科学会の「ケロイド・肥厚性瘢痕診療ガイドライン」では、ケロイドに対する手術切除後の放射線療法併用が推奨されています。当院監修医師の2,000件以上の瘢痕治療経験においても、手術+放射線療法の併用は再発率15%程度と良好な成績を維持しています。

 ケロイドができやすい人の特徴 

・家族にケロイド体質の方がいる

・過去に傷跡が盛り上がった経験がある

・前胸部・肩・耳たぶ・下腹部に傷がある

・10〜30代の若年層

・アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質

治療法選択の目安 

・軽度・初期:ステロイド注射+圧迫療法から開始 

・中等度:ステロイド注射を継続しながら経過観察 

・重度・難治性:手術切除+術後放射線療法を検討 

・再発例:複合的治療(手術+放射線+ステロイド)

手術後のケロイド予防策 

・傷口に張力がかからないようテープで固定 

・術後早期から圧迫療法を開始 

・赤みや盛り上がりが出たら早めにステロイド注射 

・日焼けを避け、傷跡を紫外線から保護

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A) 

Q1. ケロイドと肥厚性瘢痕はどう見分ける? 

A. 元の傷の範囲を超えて広がるかどうかが最大の違いです。 

ケロイドは元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで広がり、自然には縮小しません。肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまり、6ヶ月〜2年程度で自然に平坦化する傾向があります。本調査では、両者の違いを正しく理解している人はわずか18.3%でした。見た目だけでは判断が難しいため、形成外科または皮膚科での専門的な診断をお勧めします。

Q2. ケロイドは保険適用で治療できる? 

A. はい、ケロイド治療は保険適用です。 

ケロイド・肥厚性瘢痕の治療は健康保険が適用されます。ステロイド注射は1回500〜1,500円程度、手術切除は部位や大きさにより15,000〜50,000円程度(いずれも3割負担)で治療可能です。調査では「治療費が高そう」を理由に放置している方が11.3%いましたが、保険適用により経済的負担を抑えた治療が受けられます。

Q3. ケロイドに最も効果的な治療法は? 

A. 中等度〜重度のケロイドには手術切除と放射線療法の併用が最も効果的です。 

本調査では、手術切除と放射線療法併用の満足度が82.4%で最も高く、ステロイド注射単独の58.3%を大きく上回りました。手術単独では再発率50〜100%と高いですが、放射線療法を併用することで10〜20%程度に抑制できます。ただし、軽度の症例ではステロイド注射や圧迫療法から開始し、反応を見ながら治療法を選択することが基本です。

Q4. 手術後にケロイドができやすい人の特徴は? 

A. 家族歴・既往歴・年齢・部位が主なリスク因子です。 

ケロイドができやすい人の特徴として、家族にケロイド体質の方がいる、過去に傷跡が盛り上がった経験がある、10〜30代の若年層、前胸部・肩・耳たぶ・下腹部に傷がある場合が挙げられます。調査では78.0%が手術前のケロイド予防相談を希望しており、リスクのある方は術前から予防策を講じることで発症を抑えられる可能性があります。

Q5. ケロイドは放置するとどうなる? 

A. 放置すると範囲が拡大し、かゆみや痛みが悪化する可能性があります。 

ケロイドは自然治癒しにくく、放置すると徐々に周囲に広がっていきます。見た目の問題だけでなく、かゆみ・痛み・引きつれ感といった症状が強くなることもあります。本調査では67.7%が放置していましたが、早期に治療を開始するほど治療効果が高く、治療期間も短縮できます。気になる傷跡がある場合は、悪化する前に専門医への相談をお勧めします。

放置のリスク 

・放置するとケロイドの範囲が拡大し、治療が困難になる 

・かゆみ・痛み・引きつれ感が強くなり日常生活に支障をきたす 

・関節部位では可動域制限が生じる可能性がある 

・精神的ストレスやQOL低下につながる

こんな方はご相談ください|受診の目安 

・傷跡が元の範囲を超えて広がってきた 

・傷跡が赤く盛り上がり、3ヶ月以上改善しない 

・かゆみや痛みが強く、日常生活に支障がある 

・過去にケロイドができた経験があり、手術を控えている 

・見た目が気になり、精神的な負担を感じている

クリニック案内 

アイシークリニックの特徴 

・皮膚腫瘍・皮膚外科領域で30,000件以上の手術実績を持つ監修医師が在籍 

・ケロイド・肥厚性瘢痕治療は保険診療で対応可能 

・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日祝も診療 

・手術から術後のステロイド注射・圧迫療法まで一貫した治療を提供

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階

アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階

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業種
医療・福祉
本社所在地
東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
電話番号
03-6276-3870
代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月