“活き活き感”を引き出す「感性評価AI」を開発 ~画像診断だけでコーセーの美容専門家評価の再現が可能に~

 株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、電気通信大学 情報理工学研究科の庄野逸(しょうの はやる)教授との共同研究により、熟練の美容専門家のスキルをAI化した「感性評価AI」(※1)を開発しました。これは、お客さまの顔における感性印象の中でも、特に重要とされる“活き活き感”を向上させるために、一人ひとりに合わせて美容専門家が行う熟練のカウンセリングのスキルを再現した技術です。今後この技術をオンラインカウンセリングのサポートやセルフ診断などに応用し、よりお客さまの共感や満足を高めるサービスに繋げていきます。本技術を活用した美容カウンセリング手法については特許出願も行いました。
(※1)感性評価:「活き活き感がある」や「安心感がある」などの感覚的に捉えられる印象を評価する手法のこと

 

図1「感性評価AI」の概念図図1「感性評価AI」の概念図

 

図2 “活き活き感”評価に影響する部位マッピング図2 “活き活き感”評価に影響する部位マッピング

 ●“活き活き感”に影響する部分は個々人の顔形状や肌の見え方によって異なる
 ●例えば、右の“活き活き感”の低い顔画像では、鼻やほうれい線部分が”活き活き感”評価に強く影響を与えており、“活き活き感”を高めるためにはこの部分に対する美容提案が推奨される
  • 研究の背景 ~お客さま一人ひとりに合った“活き活き感”の提案~
 コーセーでは長年、美容専門家であるビューティコンサルタントが、一人ひとりのお客さまのなりたい印象に合わせたアドバイスを、化粧品売り場にて提供してきました。さまざまな印象の中でも、“活き活き感”は、多くのビューティコンサルタントが大切にしている印象であり、多くのお客さまにとっても重要な印象であることが示唆されています(※2)。しかしながら、“活き活き感”の印象につながる要素は人それぞれに異なるため、お客さまのなりたい“活き活き感”を理解し、叶えるための美容方法を提案することは熟練の経験とスキルを要し、簡単なことではありませんでした。また、対面でのカウンセリングは、実際に店舗に出向く必要があり、アクセス面での課題もありました。そこで我々は、長年コーセーでカウンセリングの経験を積んだビューティコンサルタントの“活き活き感”を評価する技術をAIに学習させ、数値化することで、的確な美容提案をいつでも、どこでも受けられるツールの開発を試みました。
(※2)「なりたい/大切にしたい顔の印象」に関する社内アンケート結果
2020年5月にコーセービューティコンサルタント1000人を対象とした「なりたい/大切にしたい顔の印象」に関するアンケートを実施しました。これによると「若々しさ」と「活き活き感」がほぼ同数で1,2位となり、3位には「健康感」が挙げられました。
  • 今回の研究概要と開発技術
 10代から70代までの日本人女性377名の顔画像(正面・真顔)に対し、カウンセリングや肌診断に長けた熟練のビューティコンサルタントにより“活き活き感”の度合いを7段階に評価しました。得られた評価値と顔画像を照らし合わせ、評価値を顔画像から予測するAIの構築を試みました。人間の目による感性評価は多様な見方が絡み合うため、それをAIで再現するにあたっては、評価の基準となる特徴部位を一律に設定することは容易ではありません。そこで、“活き活き感”評価の基準となっている特徴部位を画像データから自動的に抽出(学習)する「深層学習(※3)」および学習効率を高める「転移学習(※4)」の技術を応用することで、“活き活き感”評価値を高い精度で予測できる「感性評価AI」を構築しました(図1)。
 この「感性評価AI」を用いることで、例えば“活き活き感”の評価に大きく影響を与えている顔部位を可視化することができます(図2)。興味深いことに、評価への影響度が大きい部位は、個人の顔形状や肌の見え方によって異なることが明らかとなり、さらには評価の高低に対応してある程度の共通性も見出されました。例えば、高い“活き活き感”の顔では頬部位が、低い“活き活き感”の顔では鼻やほうれい線周辺部位が最も評価に影響する傾向がありました。このことから、“活き活き感”を高めるための適切な美容提案は一人ひとり異なることが示唆されるとともに、今回開発した「感性評価AI」を用いることでその個人特徴を判別し、パーソナライズされた美容提案ができる可能性が示されました。
  • 今後の展望
 本研究により、顔画像だけで熟練のビューティコンサルタントによる“活き活き感”評価を再現することができるようになります。また、印象への寄与度の高い顔特徴(部位)情報を活用することで、お客さま一人ひとりに適した美容アドバイスや商品提案へ繋げることが可能となります。今後は、“活き活き感”評価スキル以外の様々な感性知識・経験をも備えるAIを開発し、スマホアプリやオンラインカウンセリングなどへ実装していく予定です。当社は、このような研究開発を通じて、これまでに培った独自の専門美容スキルを最大限に活用し、お客さまが叶えたい感性や価値観を満たす美容体験を「いつでも・どこでも・誰でも」受けられる機会の創造を継続していきます。
  • ワード解説
(※3) 深層学習(ディープランニング)
人間の脳の複雑な神経構造を人工的に模倣した、ニューラルネットワークと呼ばれるモデルを用いて、人間が自然に行う認知や学習と同じように、コンピュータに学習させる手法の一つです。
(※4) 転移学習
ある領域で学習したモデル(学習済みモデル)を別の領域に適用することで、限られたデータ量でも効率的に学習させることができる手法です。

 
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