松波総合病院、「ユビー生成AI」を活用した電子カルテ連携による医療データ活用基盤を本格稼働開始
非構造データからのDPCコーディング支援を実現、退院サマリ自動化など多様なユースケースへの段階的拡張を目指す
Ubie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院(所在地:岐阜県羽島郡、病院長:松波和寿、以下「松波総合病院」)において、「ユビー生成AI」を活用したDPCサポーター機能をDWHとの連携の下で、運用を開始したことをお知らせいたします。本取り組みでは、電子カルテ情報との連携により、非構造データからのDPCコーディング支援を実現し、今後、退院サマリ自動化をはじめとする多様な業務効率化ユースケースへの段階的拡張を計画しており、医療機関におけるデータ活用の新たなモデルケースを構築してまいります。
<取り組み概要>
実施時期: 2025年8月〜
実施場所: 社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 データセンター
対象システム:同院にて稼働中のデータウェアハウス(ジャストシステム社「JUST DWH」)を活用
主な特徴:
・カルテ情報、医事データ等を用いたDPCコーディング支援の実務活用開始
・データウェアハウス経由での効率的なデータ連携と自動化
・各種医療文書作成への段階的拡張

■本取り組みの背景と意義
松波総合病院は、1933年の開設以来、地域の中核病院として急性期医療を担い、「地域住民の健康と福祉に貢献する」を理念に掲げ、高度な医療技術で患者様を支えています。同院では、医療の質向上と医療従事者の業務効率化の両立を目指し、DX推進に積極的に取り組んでいます。
DPC(Diagnosis Procedure Combination)制度において、適切なコーディングには医師・診療情報管理士・医事部門等の連携が重要ですが、電子カルテ内の膨大な診療情報から必要な情報を抽出・整理する作業は、関係部署にとって大きな負担となっていました。特に、入院患者1人あたり数十万字に及ぶカルテ記事など非構造化データからの情報収集は、多大な時間と専門知識を要する課題でした。
同院では、この課題を解決するため、「ユビー生成AI」のDPCサポーター機能の実務活用を開始いたしました。
■DPCサポーター機能の実務活用について
本機能の主な特長は以下の通りです。
1. データウェアハウス経由での効率的データ連携
電子カルテシステムのデータを、データウェアハウス(ジャストシステム社「JUST DWH」 )を経由して「ユビー生成AI」へ連携することで、必要な診療情報を効率的に活用できます。日次で全入院患者のデータを取得する仕組みにより、継続的な業務効率化を実現します。また、生成AIで一括処理された情報は、DWHのダッシュボード上で再表示して参照することも可能です。
2. 非構造データからのDPCコーディング支援
生成AI技術により、入院患者1人あたり数十万字に及ぶ医師や看護師等のカルテ記事など、従来個別のカルテ確認が必要だった非構造化データから、DPCコーディングに必要な情報を自動的に抽出・構造化します。これにより、情報収集の効率が飛躍的に向上し、見落としのリスクを低減します。
3. DPCコーディングの精度向上と業務効率化
AIが、医事データも参照した上で提示する情報に基づき、医療従事者はより迅速かつ正確にDPCコーディングを行うことが可能となります。これにより、入院早期から平均的な入院日数(DPC期間Ⅱ)を共有してベッドコントロールに活用できるほか、コーディングに関わる各職種の業務負担が大幅に軽減され、請求業務においてもコードの適正化により一定の収益増が見込まれます。
■期待される効果と今後の展望
今回構築した医療データ活用基盤は、電子カルテ本体だけでなく部門システム等を含む包括的なデータ活用に応用でき、DPCコーディング業務の迅速化、効率化と精度向上を実現し、医療従事者がより患者ケアに注力できる環境を整備します。
また、今回のDPCサポーター機能を皮切りに、1つのデータ連携基盤で複数業務の効率化を段階的に実現する設計となっており、以下のような展開を予定しています。
・患者サマリ:入院から現在までの入院経過を自動で要約して表示
・医療文書作成支援:サマリー(入院、退院、看護、リハビリ等)、 紹介状、診断書等の各種文書の下書き作成業務への展開
これらの取り組みは、同様のデータウェアハウスを活用する他の医療機関への展開も可能であり、医療業界全体のDX推進に貢献することが期待されます。
■社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 副院長 草深 裕光 様 コメント
DPCコーディング業務は、病院経営の根幹を支える重要な業務でありながら、その複雑さゆえに関係する職員にとって大きな負担となっていました。今回、当院のデータセンターとUbie社の協力のもと、生成AIを活用したDPCサポーター機能をデータウェアハウス経由で実現しました。特に非構造データからの情報抽出という、これまで困難であった領域での支援が可能となり、応用範囲はDPCコーディングだけに留まりません。本取り組みは、医療業界におけるDPC業務の効率化と精度向上、さらには入院患者の治療経過の把握と共有、医療文書の作成において、新たな道を開くものと確信しております。本機能の導入により、患者ケアに関わる全てのスタッフの負担が軽減され、より質の高い医療提供体制の構築に繋がることを期待しています。
【医療機関向け「ユビーメディカルナビ」について】
「ユビーメディカルナビ」は診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージです。問診業務効率化を図る「ユビーAI問診」や、認知向上をサポートする「ユビーリンク」などを提供しています。「ユビーAI問診」は紙の問診票のかわりにスマートフォンやタブレットを活用した、医療機関の業務効率化を支える問診サービスです。医師は文章に翻訳された問診内容と病名辞書の結果を活用することで、電子カルテ記載に伴う事務作業が大幅に削減されます。結果として、より患者さんに向き合う時間が増え、診察等の医師にしかできない業務により集中していただけるようになります。2024年10月時点で、病院・クリニック合わせて全国47都道府県・1,800以上の医療機関で導入されています。第三回日本サービス大賞で「厚生労働大臣賞」と「審査員特別賞」を受賞しました。2024年5月からは、複数の生成AIを活用し、病院内のさまざまな業務効率化を支援する「ユビー生成AI」を開始しています。2024年12月に「生成AI大賞2024」にて特別賞と優秀賞を受賞しました。
ユビーメディカルナビ:https://intro.dr-ubie.com/
ユビー生成AI:https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp
【Ubie株式会社が提供するサービス一覧】
▽生活者向け 症状検索エンジン「ユビー」
▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」
▽医療機関向け「ユビー生成AI」
https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp
▽製薬企業向け「ユビー for Pharma」
【Ubie株式会社について】
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」等を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。
所在地 :〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目8番4号 日本橋ライフサイエンスビルディング4 5F
設立 :2017年5月
代表者 :共同代表取締役 医師 阿部 吉倫・共同代表取締役 久保 恒太
URL :https://ubie.life
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像