ジョンソン・エンド・ジョンソン、Momenta Pharmaceuticals Inc.を買収し、自己免疫疾患の新規治療におけるヤンセンのパイプラインを拡大

Johnson & Johnson

Momenta一株あたり52.50ドルの現金交付による公開買付けにより65億ドルで買収
リードアセットであるnipocalimabにより、ヤンセンは自己抗体による自己免疫疾患の革新的治療を提供する機会を取得
マサチューセッツ州ケンブリッジにあるMomenta本拠地は、主要イノベーションハブにおけるジョンソン・エンド・ジョンソンのフットプリントと能力を向上
本プレスリリースは、2020年8月19日(米国時間)に、米国ジョンソン・エンド・ジョンソンが発表したプレスリリースを翻訳・編集し、皆さまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、https://www.jnj.com/johnson-johnson-to-acquire-momenta-pharmaceuticals-inc-expanding-janssens-leadership-in-novel-treatments-for-autoimmune-diseasesをご参照下さい。なお、本文中には日本未承認薬、未承認適用症に関する資料が含まれています。

ニュージャージー州ニューブランズウィック(2020年8月19日)ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は本日、免疫介在性疾患の新規治療にかかる創薬・開発企業であるMomenta Pharmaceuticals Inc.(以下Momenta)を現金交付による公開買付けで約65億ドルにて買収する正式契約を締結したことを発表しました。

この買収により、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカルカンパニーズ(以下、ヤンセン)は、免疫介在性疾患におけるパイプラインを拡大し、自己抗体性疾患への拡大を通じてさらなる成長を推進します。この取引には、臨床的に立証された、ベスト・イン・クラスの抗FcRn抗体となりうるnipocalimab(M281)の全世界的な商業的権利の取得が含まれます。nipocalimabによって、ヤンセンは、母児間障害、神経炎症性障害、リウマチ、皮膚疾患、自己免疫血液疾患領域において、アンメットメディカルニーズ(満たされていない医療ニーズ)を伴う多くの自己免疫疾患の適応を追求することにより、より多くの患者さんに貢献する機会を得ることになります。nipocalimabは最近、米国食品医薬品局(FDA)から希少小児疾患治療薬の指定を受けました。MomentaのFcRnメカニズムに関する専門知識は、nipocalimabを通じてヤンセンの複数の基幹治療領域をまたぎ、多くの自己抗体性の疾患を標的とするよう医薬品の開発を支援、加速することができます。ヤンセンは、nipocalimabが中長期にわたって高い成長を達成するという目標に貢献することを期待しています。

自己抗体によって引き起こされる自己免疫疾患は、ヤンセンが患者さんの予後の改善に貢献できる新しい領域です。自己抗体による疾患では、体の抗体が自身のタンパク質、細胞、組織を攻撃または損傷し、しばしば不可逆的な結果をもたらします。自己抗体による疾患には、重症筋無力症、胎児や新生児の溶血性疾患、温式の自己免疫性溶血性貧血、その他の重篤な皮膚疾患、リウマチ性疾患、神経疾患、血液疾患、腎疾患などがあります。人口の推定2.5%、または世界中で約1億9,500万人が、何らかの自己抗体性疾患に罹患しており、その多くは希少疾患です。

ヤンセンは、複数の開発プログラムと全世界的な商業的権利取得により、nipocalimabを複数の適応症と国・地域で上市できる可能性があり、その多くがファースト・イン・クラスとして、そしてそのいくつかはピーク時の売上高が10億ドルを超える可能性があり、長期にわたる高い業績を達成するというヤンセンの目標を支えることとなります。

「今回の買収により、ヤンセンは自己免疫疾患領域におけるリーダーシップを拡大し、持続的な成長を大きく促進させることを期待しています。自己抗体性疾患は、しばしば重篤で、患者さんにとって現状の治療選択肢は十分ではありません。ジョンソン・エンド・ジョンソンの世界クラスの研究開発、営業マーケティングおよびサプライチェーン機能と、Momentaの才能ある人材、パイプライン、そして、この重要な分野における深い専門知識を組み合わせることによって、さらに患者さんの治療を進めることができる機会をうれしく思います。」と、ジョンソン・エンド・ジョンソンのファーマシューティカルズ・ワールドワイドチェアマン兼エグゼクティブ・バイス・プレジデントのジェニファー・タウバートは述べています。

Momentaの従業員と主な資産であるnipocalimabに加え、ヤンセンは、Momentaの臨床および前臨床の段階にあるアセットであるパイプラインを取得します。今回の買収に至った理由には、ヤンセンがMomentaのチームメンバーと同時に獲得することになる科学的能力及びnipocalimabに見られる大きな機会があります。Momentaのその他のパイプラインに関する計画は、より多くのデータがそろったうえで決定されますが、さらに潜在的成長の余地を見い出せる可能性があります。

「nipocalimabとMomentaの他のパイプラインは、優れた科学者によって、重要な洞察を実用的なバイオロジーに転換しながら構築されてきました。自己抗体の生物学的経路における臨床段階と創薬段階の化合物は、私たちのポートフォリオを拡大し、補完するものになります。Momentaの発見と、私たちの免疫領域における20年の伝統、世界的な治療開発戦略、科学的および医学的専門知識を組み合わせることで、『疾患発現経路に根差したパイプライン』全体を作り上げる真の好機を見出すことになります。Momentaの希少疾患における優れた進展を拡大し、現在の重点分野内外で患者さんへの影響を増大させる大きな可能性をうれしく思います。」とジョンソン・エンド・ジョンソン、ヤンセン・リサーチ&ディベロップメントのグローバル責任者、マタイ・マメン医学博士は述べています。

ヤンセンは、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるMomentaの本拠地を維持する計画です。この施設は、Momentaの有能な科学者に加え、特許技術が揃う高度な研究所であり、ボストンイノベーションハブのトップ人材との距離が近いことから、ボストン拡張地域におけるジョンソン・エンド・ジョンソンの既存のイノベーションフットプリントと能力を高めることになります。

###
今回の合意内容について
両社の取締役会により承認された取引条件に基づき、ジョンソン・エンド・ジョンソンの完全子会社であるVigor Sub、Inc.(Merger Sub)が公開買付けを開始し、一株あたり52.50ドルでMomentaのすべての発行済み株式を購入します。公開買付けのクロージングは、完全希釈ベースでのMomentaの普通株式の発行済み株式の過半数の入札、およびハート・スコット・ロディーノ反トラスト法とその他の慣習的なクロージング条件に基づくクリアランスを条件としています。トランザクションの推定正味価格61億ドルは、Momentaの推定完全希薄化発行済み株式から、クローズ時の推定正味現金を差し引いたものに基づいています。公開買付けの終了を前提として、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、Merger SubとMomentaとの合併を通じて、公開買付けに応募されなかったMomentaの株式を、1株当たりの公開買付と同じ対価で取得します。本合併は、公開買付けの終了後、可能な限り速やかに実施されます。合併の完了後、Momentaの普通株は、NASDAQグローバルセレクトマーケットでの取引に上場されなくなります。 

この取引は2020年後半に完了する予定です。この取引のクローズはやや希薄化効果を有すると予想されますが、ジョンソン・エンド・ジョンソンは現在2020年調整済みEPS [i]ガイダンスの範囲を維持します。今後の展望では、Momentaのポートフォリオの開発に関連するコストは、現在のポートフォリオの価値創造の可能性をふまえると、今後数年間で計画されたR&D投資レベルに対して増加すると予想され、したがって、R&Dへのこの増加投資は2021年のEPSに約0.10〜0.15ドル分の影響を与えると予想されます。この取引は企業結合として会計処理されます。

ヤンセンの自己免疫疾患への取り組みについて
ヤンセンは、30を超える小児および成人の適応症を治療するための5つの承認された医薬品により、自己免疫疾患の画期的なサイエンスを開拓してきました。多くの自己免疫疾患には承認された薬剤がほとんどないか、まったくないため、満たされていない重要なニーズが残されており、自己免疫疾患の患者のごく一部だけが持続的な臨床的寛解を達成しているにすぎません。

ヤンセンは、疾患の機能的発現(疾患領域の強み)と生物学的経路(経路領域の強み)の両方で研究開発を進めています。生物学的経路は、一見似ていない病気が体内の遺伝的、分子的、または細胞性システムによってつながるメカニズムを特定します。アンメットメディカルニーズ(満たされていない医療ニーズ)が高い複数の多様な自己免疫疾患は、同じ免疫経路に関連していることが現在までにわかりつつあります。 

ヤンセンの疾患発現経路を中心とした戦略は、共通の経路を共有する複数の疾患のための化合物を完全に開発するための扉を開くため、「1つの疾患には1つの医薬品」という概念に挑む形となります。さらに、免疫系の科学的理解が増すにつれ、以前に理解されていたよりも多くの疾患に経路が影響しているという認識が高まってきています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンについて
私たちジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそが豊かな人生の基盤であり、地域社会の繁栄と、発展を促す原動力であると考えています。この信念に基づき、130年を超える長きにわたり、私たちはすべての世代の、人生のあらゆる段階の人々の健康を支えてきました。今日、世界最大級で広範な拠点を有するヘルスケア企業としての強みを最大限に活かし、世界中の誰もが、どこにいても、心身の健康と健全な環境を享受することができるよう、私たちは適正な価格でヘルスケアにアクセスできる、より健全な社会の実現に向けて努力しています。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、私たちのこころと科学の力、画期的な発想力を融合させ、ヘルスケアを飛躍的に進化させるべく取り組んでいます。

ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。


ビジネスカテゴリ
医薬・製薬

会社概要

ヤンセンファーマ株式会社

13フォロワー

RSS
URL
http://www.janssen.com/japan
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区西神田3-5-2
電話番号
03-4411-5046
代表者名
關口 修平
上場
未上場
資本金
-
設立
1978年04月