『ソフラン プレミアム消臭』の本体ボトルが「ワールドスターコンテスト 2025」で「ワールドスター賞」を受賞
ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)とメビウスパッケージング株式会社(代表取締役社長:飯田 高)が共同開発した衣料用柔軟仕上げ剤『ソフラン プレミアム消臭』の本体ボトルは、世界包装機構(WPO:World Packaging Organisation)主催の「ワールドスターコンテスト 2025」においてハウスホールド部門で「ワールドスター賞」を受賞しました。この受賞は、プラスチックの物性を制御する技術の開発を通じて、使用済み飲料用PETボトルのキャップをボトル成型に適した性質に変換し、本体ボトルの再生プラスチック材料としての活用を可能にした点に加え、キャップの軽量化により石化由来プラスチックの使用量を削減した点で、環境配慮型容器を実現したことが評価されたものです。なお、授賞式は2025年5月30日(金)にイタリアのミラノで開催されました。

■ワールドスターコンテスト 2025について
世界包装機構が毎年主催するパッケージの国際的なコンテストで、優れたパッケージデザインと技術の開発・普及を目的としています。世界各国のコンテストで評価を受けた優秀作品のみが応募資格を認められる世界的に権威のあるパッケージコンテストです。本年は世界各国から550点がエントリーされ、50名以上の審査員によって8つの基準(保護性、使いやすさ、環境対応性など)をもとに審査が行われました。
『ソフラン プレミアム消臭』の本体ボトルは、日本パッケージングコンテスト2024にてジャパンスター賞を受賞したため、応募資格を得ることができました。
■研究背景
当社は、資源循環型社会の実現に向けて、2030年までに製品・容器に使用するプラスチック資源における石化由来プラスチック使用率を70%以下にすることを目標に掲げています(「LION Eco Challenge 2050」)。今回、飲料用PETボトルの使用済みの蓋(以下飲料用キャップ材)を資源として活用した環境対応ボトルを新たに開発し、衣料用柔軟仕上げ剤の本体ボトルに採用しました。
■開発方針
再生プラスチックを使用した製品の実現には、安定調達の観点から、幅広い種類の再生プラスチックを柔軟に活用していく必要があります。そこで、ボトル成型としての活用ハードルが高いながらも、安定的に調達可能である飲料用キャップ材に着目し、本体ボトルのプラスチック資源として採用することを目指しました。
■技術上の特徴
市場で回収された飲料用キャップ材は、①安全性(食品衛生法に適合していること)、②品質(臭気・異物の観点で問題が無いこと)、③供給性(安定した材料調達が可能であること)の3点を満たすため、高品質な再生プラスチックとして扱えることが特徴です。
しかしながら、飲料用キャップ材はキャップ成型性に最適化された物性を有するプラスチックであるため、本体ボトルに活用する資源としては適性が劣ることから、高い配合率での使用が困難でした。これを解決するため、本体ボトルの成型に適する別の再生プラスチックを混合して物性をコントロールする技術を開発しました。
さらに、市場から回収した包装資材を元材料とする再生プラスチックを活用するにあたり、当社日用品での使用実績がない材料であることから、手が触れる外層部と内用液が触れる内層部には石化由来プラスチックを活用し、中間層に今回開発した再生プラスチックを挟む3層構造とすることで、従来品と同等の品質を確保しました(図1)。

飲料用キャップ材を使用した再生プラスチックを本体ボトルに60%以上活用しました。更にキャップの軽量化(※1)を行うことで、従来品に対して石化由来プラスチック使用率を容器全体として約40%削減し、環境負荷を低減しました(図2)。
(※1) 従来品から根本的に設計を見直した新計量キャップと新ノズルキャップを採用。キャップ全体のプラスチック使用量を従来品から約35%削減。

以上の成果が認められ、「ワールドスターコンテスト 2025」のハウスホールド部門において「ワールドスター賞」を受賞いたしました。
■開発者の受賞コメント
長期環境目標である「LION Eco Challenge 2050」を達成するために、環境材料の使用率をいかに上げていくかを日々考えながら開発に取り組んでいます。今回のボトルの開発では、再生材料の探索から行い、供給面や品質面などを総合的に判断し選定しました。これからも環境に配慮したパッケージを開発してまいります。
■『ソフラン プレミアム消臭』について
本研究の容器を採用した2024年3月以降に発売した『ソフラン プレミアム消臭』は、繊維のすみずみまで極小消臭成分+抗菌成分が吸着し、ソフラン最高レベルの抗菌力で、生乾きでも菌を生ませず(※2)ニオわせない柔軟剤としてご高評をいただいています。
(※2) 菌の増殖がないこと(洗濯直後比)。すべての菌の増殖を抑えるわけではありません。

■今後の展望
・再生プラスチックの使用率の向上
本品は再生プラスチックを本体ボトルに60%以上活用していますが、将来的には再生プラスチック使用率100%を目指して検討していきます。
・他製品への展開
本品と同様の材質を使っている他製品への展開を検討していきます。
当社は、今後も包装・容器における環境負荷低減に向けた技術開発を推進し、 「LION Eco Challenge 2050」に掲げている2030年目標である、石化由来のプラスチック使用率70%以下を達成することを目指して、資源循環型社会の実現に貢献してまいります。
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