企業の開示業務向けディスクロージャー・プラットフォームを提供するFormXのシードラウンドにおいて出資

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ

2025年9月24日 09時10分

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ（代表取締役：田島聡一、本社：東京都渋谷区、以下：当社）は、同社が運用するGenesia Venture Fund 4号（GV-4）より、企業向けにディスクロージャー・プラットフォームを提供する株式会社FormX（代表取締役：時田知典、本社：東京都品川区、以下：FormX）のシードラウンドにおいてリード投資家として出資したことをお知らせいたします。

同ラウンドの出資者は、千葉道場ファンドと複数の個人投資家です。

出資の背景

上場企業における開示業務は、経理・財務担当者にとって極めて重要かつ複雑な業務である一方、デジタル化が大幅に遅れている領域で、属人性が高い業務フローとなっています。

特に、開示書類のエディター機能では文字のインデントがずれやすく、担当者の大きなストレス要因となっており、業務フローを効率化するための機能も不十分な状態が続いています。

一方で、上場企業に求められる開示情報は年々高度化しており、人的資本データやESGデータなど、より多様で複雑な情報開示への対応が必要となっています。このような状況下で、財務・経理の専門人材不足も深刻化しており、バックオフィス部門における需給ギャップが拡大しています。

ジェネシア・ベンチャーズは、FormXが提供する最先端のAIとプロダクト開発技術を活用したソリューションが、これらの構造的課題を解決し、企業の生産性向上と働き方改革に大きく貢献すると判断し、出資を決定いたしました。

事業内容

FormXは、「ディスクロージャー[*1]に、新たなギアを。」というビジョンのもと、企業における開示業務の効率化を目的としたSaaSプロダクトを開発・提供しています。

主に、直感的で使いやすいエディターを提供し、XBRL[*2]対応、AIチャットによる文書作成支援、他上場企業の文言検索・引用機能、日英同時編集機能などを搭載しています。

プロダクト機能（一部）

有価証券報告書や決算短信等の文書作成及び提出（XBRL文書としてEDINET・TDnetへの提出が可能）
AIによる開示書類の和文ドラフト生成
AIによる開示書類の自動翻訳

プロフェッショナルサービス

決算支援（四半期・期末決算、単体・連結・開示・子会社管理）
上場準備に伴うⅠの部・各種説明資料の作成
決算早期化支援
英文開示支援
適時開示書類の作成代行（臨時報告書含む）

[*1] ディスクロージャーとは：

ディスクロージャー（Disclosure）とは、企業が投資家や株主などのステークホルダーに対して、経営状況や財務情報を適切に開示することを指します。日本では有価証券報告書や決算短信、適時開示といった書類が該当し、金融庁（EDINET）や東京証券取引所（TDnet）を通じて公開されます。ディスクロージャーは、単なる法的義務ではなく、企業の透明性を高め、資本市場における信頼を築く重要な仕組みです。

[*2] XBRLとは：

XBRLとは、決算短信等の各種財務報告用の情報について、その作成・流通・利用の促進を可能とするために、XBRL Internationalによって国際的に標準化された電子開示に適したコンピュータ言語です。

調達した資金の用途と今後の展望

今回調達した資金は、以下の用途に投資される予定です：

プロダクト開発の加速（2025年8月のβ版完成に向けたシステム開発）
XBRL対応エンジニアをはじめとする人材の採用
上場企業向けの営業・マーケティング体制の強化
セキュリティ・コンプライアンス体制の構築（SOC2取得等）採用情報

FormXは、直感的で使いやすいエディターをフルスクラッチで開発しています。このエディターは、金融庁のシステムであるEDINET及び東京証券取引所に提出するためのTDnetに提出する際にXBRLというタグを付与して提出を行う必要があり、開発・ドメインの難易度が非常に高い領域です。

このディスクロージャー専用エディターを開発する経験豊富なフロントエンドの方を募集しています。

▽フロントエンドエンジニアの採用強化中！
https://www.notion.so/1124a2c5c3d580549da8ecb6afa9219b?source=copy_link

出資について

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ　General Partner　鈴木隆宏

このたびFormX社にリード投資させていただけたことを大変嬉しく思います。代表の時田さんは、公認会計士としての専門性に加え、スタートアップでの豊富な経験を持つ稀有な存在です。何よりも、そのガッツと柔らかな人柄に強く惹かれました。決算や開示といった財務・IR領域には、まだ大きなデジタル化の余白が残されており、FormX社が挑むテーマには大きなポテンシャルがあります。共に未来の企業情報開示の「あたりまえ」を築いていけることを楽しみにしています。

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ　Investment Manager　黒崎直樹

この度ジェネシア・ベンチャーズからリード投資をさせて頂きました。Horizontal SaaSが世に普及してきた中においても、決算や開示という財務・IR領域はデジタル化が進む余白が存在し、日進月歩のAIとプロダクト開発技術に精通した新興プレイヤーが開拓出来る大きな市場が存在すると捉えています。代表の時田さんは公認会計士出身。SmartHRを始めとするスタートアップ企業での勤務経験を経て起業に至った実践派の人物で、その高い専門性と戦略眼は一流で高いポテンシャルを持つ起業家だと信じてます。市場と起業家、双方の観点で魅力的なFormXの旅路に共に歩む機会を頂戴し、大変身の引き締まる想いです。時田さん、共に頑張っていきましょう！