映画『この夏の星を見る』特別試写会に卒業生・山元環監督らが登壇!学生たちにエールを贈る
■2025年7月4日(金)より全国の劇場にて公開
大阪芸術大学(学校法人塚本学院/所在地:大阪府南河内郡/学長:塚本邦彦)は、2025年7月4日(金)に全国公開される映画『この夏の星を見る』(東映配給)の公開に先駆け、大阪芸術大学7号館の映画館で特別試写会を開催しました。試写会当日は、大阪芸術大学映像学科卒業生で本作の監督を務める山元環監督、アストロフォトグラフィー・VFX director・天文監修を担当した写真学科客員教授で放送学科卒業生の竹本宗一郎先生、『THE FIRST SLAM DUNK』(2022年)で藤本賞を受賞した松井俊之プロデューサーをゲストにお迎えしました。上映後には、ラジオ大阪で放送中の番組『大阪芸大スカイキャンパス』(ラジオ大阪/毎週月曜日20時30分より放送)の公開収録も行われ、ここでしか聞けない制作秘話に会場は大盛況となりました。

映画『この夏の星を見る』は、大阪芸術大学映像学科卒業生 山元環監督の商業映画デビュー作です。2020年のコロナ禍を背景に、望遠鏡を使って天体を素早くとらえる競技「スターキャッチ」のオンラインコンテストで結びついていく中高生たちの姿が描かれています。
作品の中には、コロナ禍でかけがえのない青春時代を過ごした本学の学生たちにとって、劇中の登場人物たちに深く共感するシーンもありました。上映中には、涙をぬぐいながら鑑賞する学生の姿も多く見られ、作品が彼らの心に強く響いたことが伺えます。この時代を生きる幅広い人の心に訴えかける本作を、ぜひ劇場でご覧ください。
■制作陣による作品へのこだわり
上映後に実施された、ラジオ大阪で放送中の番組『大阪芸大スカイキャンパス』の公開収録では、制作陣の作品に対するこだわりが語られました。
山元監督は同作について「(コロナ禍で)自由が制限された世の中でも、星空を通じて『自分たちは一人じゃない、繋がれる』と歩みを止めない学生たちの物語です」と内容を説明。また、番組パーソナリティの塚本邦彦副理事長、田中光敏映像学科長から「メジャー映画を制作したこと」について感想を聞かれると、「自主制作とは全然違いました。お客さんの目線を考え、どういう人たちに刺さるかを考えました。ただ台詞でキャラクターの心情を吐露するより、極力、映像で伝えるように表現を気にしていきました」と幅広い人の心に訴えかける作品を目指したと語りました。
ストーリーはもちろんのこと、星や夜空の映像の美しさも見どころの一つ。山元監督が撮影時「困ったら、『大丈夫そうですか?』と顔を見ていました」と常に頼りにしていた存在が、竹本先生です。同作では、昼間に撮影した映像を夜のように見せる技法「Day for Night」が駆使されました。そしてVFXやカラーグレーディング(色味調整・演出)を重ねることで、美しい星空の映像を生み出しました。「暗闇の魔術師」と呼ばれるなど、日本における夜空撮影の第一人者である竹本先生は「監督がこだわったのがリアルな星空。ただ、リアルな星空とはなんなのか。(肉眼で)見たままがリアルなのかというと、そういうわけではないんです。映画を見た人が『本物だ』と思える仕掛けをしなければいけない」という考えのもと、昼間の明るさと夜特有のグラデーションの映像を重ねるこの技法を採用したそうです。


なぜこの映画の企画を、メジャーでは実力が未知数だった山元監督に依頼したのか。松井プロデューサーは「『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットを受けて、次は、新しい監督を起用するチャレンジのできる作品を作りたかったんです。そんな中お見かけした山元監督のショートドラマは縦型(の映像)で、見えないところまでお客さんに想像させることを考えて作り込まれていたので、是非、お会いしてみたいと思っていたんです」と注目していたと話します。さらに「大阪芸大の学生時代に映画理論を相当学ばれたんじゃないかなって。昔の名画などをものすごく勉強されていて、当時31歳とは思えないくらい熟達した見識と意図をお持ちだった。これは明確なビジョンを持って臨めると思ってオファーしました」と振り返りました。
念願のメジャーデビューをつかみ取った山元監督に対し、学生からも質問が。「企画の立て方」について尋ねられると「考える時間を作っていました。夜間のアルバイトを終え、朝から昼くらいまでファミリーレストランで企画を考えたりしました。その企画が(文化庁委託事業の)『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』に通りました」と時間をしっかり設けることの必要性を伝えました。そして山元監督はあらためて「大阪芸大は、整っている環境で何ができるのか試せる場所。みなさんもいろいろ試して力を発揮して欲しい。外に、外にという意識を持って、自分の枠組みを大きくし、作品を発信すると誰かが反応してくれて、新しいチャンスに繋がると思います」と学生たちにエールを送りました。


■映像学科卒業生 山元環監督 コメント
星や宇宙には、理屈では語れない美しさがあります。そして星は、見えづらいからこそもっと見たくなる。そのために望遠鏡を使い、肉眼では光の点にしか見えないものの解像度をはっきりとさせていく。『この夏の星を見る』では、望遠鏡で見えづらいものを見ようとする行為と、世の中がカオス状態になって先々が見えなくなったコロナ禍において、それでも自分たちで何かを見つけようとする若者たちの姿を重ねました。そして、コロナ禍でも前向きに、そして躍動する瞬間を止めないようにがんばる若者たちの様子を通し、ご覧になったみなさんに「癒された」と思ってもらいたいと思いました。

あと、今は否定が多い時代です。だからこそいろんな人が肯定し合える空間を表現したかった。映画の登場人物たちもそういう想いで集まり、お互いに癒し合っていたのではないでしょうか。そんな『この夏の星を見る』で商業映画デビューを果たすことができましたが、やはり大阪芸術大学での経験がすごく大きかったです。おもしろい先生が多く、映画制作を通して得た経験をいろいろ教えてくださいました。そこで何を受け取るかは、学生次第。それを昔話と捉える人もいるかもしれません。でも僕はそういう話から実践や撮影現場について知ることができ、映画監督としての今に結びついています。つまり大切なのは自分で吸収し、外に向けてどう発信するかなのです。特に現在は、僕らの学生時代の比じゃないほど作品への訴求力が強い。TikTokなどが象徴的で、動画、映像への感覚が違うものになっている。タイパ、コスパという言葉があるように、時間に対する価値観の変化を感じます。だからこそ僕が描く1分と、今の学生たちが描く1分では、「何を描くか」のポイントが異なりますし、それは今の学生たちの強みにもなります。「時間」と「作る」ということもっと照らし合わせることで、バズを生みだしたり、海外の映画祭で評価される重厚な10分映像を作れたり、今の学生ならではのものができるかもしれない。僕は学生たちと年齢も近い分、「負けていられないな」と思います。
■作品情報
・タイトル :『この夏の星を見る』
・公開情報 :2025年7月4日(金)より全国の劇場にて公開
・公式HP :https://www.konohoshi-movie.jp/
・監督 :山元環
・アストロフォトグラフィー / VFX director / 天文監修:竹本宗一郎
・脚本 :森野マッシュ
・音楽 :haruka nakamura
・キャスト :桜田ひより、水沢林太郎、黒川想矢、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな、和田庵、
萩原護、秋谷郁甫、増井湖々、安達木乃、蒼井旬、松井彩葉、中原果南、工藤遥、
小林涼子、上川周作、河村花、朝倉あき、清水ミチコ、ビスケッティ佐竹、
堀田茜、近藤芳正、岡部たかし
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