2020年度「えがおの食生活研究」結果報告、20~70代主婦を5つのタイプに分類
惣菜は「手軽さ」だけでなく「おいしさ」を求めて利用する時代へ。調理スキルの低下とともに、食生活満足度も低下傾向。
キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:長南 収、以下キユーピー)は、20~70代の既婚女性約1,500人を対象に食生活調査「えがおの食生活研究」を実施しました。
「えがおの食生活研究」は、食生活の実態や傾向をつかむことを目的に、キユーピーが1989年から毎年実施してきた食生活総合調査を、「愛は食卓にある。」というコーポレートメッセージの実現をめざし、進化させたものです。食生活総合調査では、調理や献立の悩み事を通して生活者の価値観の変化に向き合ってきました。そのベースは継承しながら「笑顔の食卓」の要因をひもとき、キユーピーが貢献できることを考える研究にしています。
2020年度は、食卓の中心を担う「主婦」を対象に調査を行いました。同じく主婦を対象にした2016年度※1、2013年度※2の食生活総合調査と照らし合わせて変化を分析するとともに、新たにクラスター分析によるタイプ分けも行いました。
※1 キユーピーアヲハタニュース 2017 No.38参照 https://www.kewpie.com/newsrelease/2017/263/
※2 キユーピーアヲハタニュース 2014 No.29参照 https://www.kewpie.com/newsrelease/archive/2014/29.html
「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求めて惣菜を利用するシーンが拡大
惣菜の利用シーンで、「おいしいものが食べたいとき」の回答が大きく増加。
食生活満足度の低下。調理スキルの低下と関係も
食生活に「満足している」割合が年々低下。調理スキルが低いほど満足度も低い傾向。
夫の調理参加、じわりと進むも依然として女性が中心
「笑顔の食卓」に対する意識から5つのタイプに分類
(1)頑張るジレンマタイプ、(2)共創スマートタイプ、(3)愛情手間暇タイプ、(4)そこそこ割り切りタイプ、(5)自分ファーストタイプに分類するとともに、それぞれ特徴を明らかにした。
調査手法 :インターネット調査
調査期間 :2020年9月11日(金)~9月14日(月)
調査対象 :20~74歳の既婚女性、全国(日本在住)
有効回収数:1,500人(回収ベース)
年代別構成比は、総務省「平成27年国勢調査」の「女性・有配偶」の構成比に基づいてサンプル割付を実施。
「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求めて惣菜を利用するシーンが拡大
「惣菜の利用シーン」(複数回答可)については、「作るのが面倒なとき・作る気力がわかないとき」(59.2%)の回答が最も多く、次いで「作る時間がないとき」(51.3%)と、惣菜の「手軽さ」を支持する回答が多く見られました(資料1)。一方、「おいしいものが食べたいとき」(25.5%)が2016年に比べ13.4%高い結果となり、惣菜の利用シーンが「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求める場面にも広がってきていることがうかがえます。
食生活満足度の低下。調理スキルの低下と関係も
「できる調理法」(複数回答可)は、2016年に比べ、全ての項目で「できる」と回答した割合が低下しました(資料2)。とりわけ「野菜のあく抜きや鍋物のあく取りなどをする」(34.1%)と「調味料や香辛料を料理に合わせて使いこなしている」(18.5%)が、2016年に比べて2桁、低下しています。
また、簡単調理の事例を挙げて「手作りだと思うか」尋ねた問いでは、ほとんどの料理で「手作りだと思う」割合が高まった一方、「手抜きに罪悪感を感じる料理」の問いでもほとんどの項目で「罪悪感を感じる」割合が高まりました。これは2016年度の調査と同様の結果で、簡単調理を手作りと認めながらも、食生活に対する“理想”や“求めるレベル”は変わらない(または高い)実態がうかがえます。(資料なし)
さらに「総合的食生活満足度」では、5段階のうち「まあ満足している」(49.9%)割合が年々低下し、「どちらともいえない」(35.1%)が増えています(資料3-1)。資料2の「できる調理法」の数で比較すると、できる調理法が多い(調理スキルが高い)ほど食生活満足度は高く、できる調理法が少ない(調理スキルが低い)ほど食生活満足度が低い傾向にあることが分かり、調理スキルの低下が食生活満足度の低下を招く一因になっている可能性が示唆されました(資料3-2)。
夫の調理参加、じわりと進むも依然として女性が中心
「家庭での調理」を担う人(複数回答可)について、「夫」(18.1%)の回答が、2013年以降徐々に増加しています。「自分」(94.4%)は2013年から減少傾向にありますが、それでも94%以上と、コロナ下で在宅時間や内食率が増えた中でも、依然、家庭での調理は女性中心であることが分かります(資料4)。
「笑顔の食卓」に対する意識から5つのタイプに分類
食生活でうれしいと感じることなど、「笑顔の食卓」に対する意識を分析することで、20~74歳既婚女性を5つのタイプに分類しました(クラスター分析)。それぞれに特徴を表す名前を付け、価値観や食生活の満足度、年代や構成比など、特徴を明らかにしています。
(1)頑張るジレンマタイプ
人並みに見られたいが調理スキルが低いため、ギャップに悩みつつ頑張っている。まずは家族が食べてくれることがボーダーライン。家族との時間を楽しみつつも、自分の時間を優先できた時にうれしさを感じる。20~30代の若年層に多い。
(2)共創スマートタイプ
調理に手間暇をかけるよりも、食卓で家族と過ごすことが好き。調理も得意で、応用が利く。やりくりを工夫して食事を作れた時にもうれしさを感じる。各年代に分散。
(3)愛情手間暇タイプ
調理スキル、調理への向上心が高い。手間暇をかけることが信条。目新しいメニューへの関心もある。品数の多さや贅沢なメニューを作れた時にうれしさを感じる。家族奉仕への意識が高い。60~70代、専業主婦に多い。
(4)そこそこ割り切りタイプ
献立を考えることが面倒で、食卓に多くは望まない。毎日の調理を無難にこなすのがモットー。家族との時間や共食を大切にしながら、惣菜や加工食品をうまく取り入れてやりくりすることにもうれしさを感じる。一番のボリュームゾーン。40代に多い。
(5)自分ファーストタイプ
家族のために献立を考えることがストレス。時短・省手間を重視して、惣菜・冷凍食品を積極的に使う。共創共食にうれしさを感じる割合は低く、各々で好きな時に好きなものを食べられることにうれしさを感じる。50~60代、子どものいないタイプに多い。
新型コロナの影響で内食の機会が増える中、本調査では料理を面倒と考える人やレパートリーに悩みを抱える人が多く、さらに家庭での調理も引き続き女性中心であることが分かり、食事の準備に対する女性の負担感が読み取れます。また今回、調理スキルの低下と食生活満足度の低下に関連性が示されたことから、今後さらに食生活の満足度が低下する可能性も危惧されます。一方、惣菜の利用は、「手軽だから買う」から「おいしいから買う」時代へと変化を見せており、惣菜や加工食品の進化が食生活を豊かにし「笑顔の食卓」に貢献する可能性があると考えられます。
「笑顔の食卓」の形は人それぞれです。キユーピーは、「えがおの食生活研究」を通して生活者に寄り添い、一人ひとりの「笑顔の食卓」に貢献していきます。
2020年度は、食卓の中心を担う「主婦」を対象に調査を行いました。同じく主婦を対象にした2016年度※1、2013年度※2の食生活総合調査と照らし合わせて変化を分析するとともに、新たにクラスター分析によるタイプ分けも行いました。
※1 キユーピーアヲハタニュース 2017 No.38参照 https://www.kewpie.com/newsrelease/2017/263/
※2 キユーピーアヲハタニュース 2014 No.29参照 https://www.kewpie.com/newsrelease/archive/2014/29.html
- サマリー
「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求めて惣菜を利用するシーンが拡大
惣菜の利用シーンで、「おいしいものが食べたいとき」の回答が大きく増加。
食生活満足度の低下。調理スキルの低下と関係も
食生活に「満足している」割合が年々低下。調理スキルが低いほど満足度も低い傾向。
夫の調理参加、じわりと進むも依然として女性が中心
「笑顔の食卓」に対する意識から5つのタイプに分類
(1)頑張るジレンマタイプ、(2)共創スマートタイプ、(3)愛情手間暇タイプ、(4)そこそこ割り切りタイプ、(5)自分ファーストタイプに分類するとともに、それぞれ特徴を明らかにした。
- 調査方法の概要
調査手法 :インターネット調査
調査期間 :2020年9月11日(金)~9月14日(月)
調査対象 :20~74歳の既婚女性、全国(日本在住)
有効回収数:1,500人(回収ベース)
年代別構成比は、総務省「平成27年国勢調査」の「女性・有配偶」の構成比に基づいてサンプル割付を実施。
- 調査結果の概要
「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求めて惣菜を利用するシーンが拡大
「惣菜の利用シーン」(複数回答可)については、「作るのが面倒なとき・作る気力がわかないとき」(59.2%)の回答が最も多く、次いで「作る時間がないとき」(51.3%)と、惣菜の「手軽さ」を支持する回答が多く見られました(資料1)。一方、「おいしいものが食べたいとき」(25.5%)が2016年に比べ13.4%高い結果となり、惣菜の利用シーンが「手軽さ」だけでなく、「おいしさ」を求める場面にも広がってきていることがうかがえます。
食生活満足度の低下。調理スキルの低下と関係も
「できる調理法」(複数回答可)は、2016年に比べ、全ての項目で「できる」と回答した割合が低下しました(資料2)。とりわけ「野菜のあく抜きや鍋物のあく取りなどをする」(34.1%)と「調味料や香辛料を料理に合わせて使いこなしている」(18.5%)が、2016年に比べて2桁、低下しています。
また、簡単調理の事例を挙げて「手作りだと思うか」尋ねた問いでは、ほとんどの料理で「手作りだと思う」割合が高まった一方、「手抜きに罪悪感を感じる料理」の問いでもほとんどの項目で「罪悪感を感じる」割合が高まりました。これは2016年度の調査と同様の結果で、簡単調理を手作りと認めながらも、食生活に対する“理想”や“求めるレベル”は変わらない(または高い)実態がうかがえます。(資料なし)
さらに「総合的食生活満足度」では、5段階のうち「まあ満足している」(49.9%)割合が年々低下し、「どちらともいえない」(35.1%)が増えています(資料3-1)。資料2の「できる調理法」の数で比較すると、できる調理法が多い(調理スキルが高い)ほど食生活満足度は高く、できる調理法が少ない(調理スキルが低い)ほど食生活満足度が低い傾向にあることが分かり、調理スキルの低下が食生活満足度の低下を招く一因になっている可能性が示唆されました(資料3-2)。
夫の調理参加、じわりと進むも依然として女性が中心
「家庭での調理」を担う人(複数回答可)について、「夫」(18.1%)の回答が、2013年以降徐々に増加しています。「自分」(94.4%)は2013年から減少傾向にありますが、それでも94%以上と、コロナ下で在宅時間や内食率が増えた中でも、依然、家庭での調理は女性中心であることが分かります(資料4)。
「笑顔の食卓」に対する意識から5つのタイプに分類
食生活でうれしいと感じることなど、「笑顔の食卓」に対する意識を分析することで、20~74歳既婚女性を5つのタイプに分類しました(クラスター分析)。それぞれに特徴を表す名前を付け、価値観や食生活の満足度、年代や構成比など、特徴を明らかにしています。
(1)頑張るジレンマタイプ
人並みに見られたいが調理スキルが低いため、ギャップに悩みつつ頑張っている。まずは家族が食べてくれることがボーダーライン。家族との時間を楽しみつつも、自分の時間を優先できた時にうれしさを感じる。20~30代の若年層に多い。
(2)共創スマートタイプ
調理に手間暇をかけるよりも、食卓で家族と過ごすことが好き。調理も得意で、応用が利く。やりくりを工夫して食事を作れた時にもうれしさを感じる。各年代に分散。
(3)愛情手間暇タイプ
調理スキル、調理への向上心が高い。手間暇をかけることが信条。目新しいメニューへの関心もある。品数の多さや贅沢なメニューを作れた時にうれしさを感じる。家族奉仕への意識が高い。60~70代、専業主婦に多い。
(4)そこそこ割り切りタイプ
献立を考えることが面倒で、食卓に多くは望まない。毎日の調理を無難にこなすのがモットー。家族との時間や共食を大切にしながら、惣菜や加工食品をうまく取り入れてやりくりすることにもうれしさを感じる。一番のボリュームゾーン。40代に多い。
(5)自分ファーストタイプ
家族のために献立を考えることがストレス。時短・省手間を重視して、惣菜・冷凍食品を積極的に使う。共創共食にうれしさを感じる割合は低く、各々で好きな時に好きなものを食べられることにうれしさを感じる。50~60代、子どものいないタイプに多い。
- まとめ ―調査結果から―
新型コロナの影響で内食の機会が増える中、本調査では料理を面倒と考える人やレパートリーに悩みを抱える人が多く、さらに家庭での調理も引き続き女性中心であることが分かり、食事の準備に対する女性の負担感が読み取れます。また今回、調理スキルの低下と食生活満足度の低下に関連性が示されたことから、今後さらに食生活の満足度が低下する可能性も危惧されます。一方、惣菜の利用は、「手軽だから買う」から「おいしいから買う」時代へと変化を見せており、惣菜や加工食品の進化が食生活を豊かにし「笑顔の食卓」に貢献する可能性があると考えられます。
「笑顔の食卓」の形は人それぞれです。キユーピーは、「えがおの食生活研究」を通して生活者に寄り添い、一人ひとりの「笑顔の食卓」に貢献していきます。
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