リディラバジャーナル、歓楽街の若者支援を調査——奮闘する現場と、支援を阻む構造を特集
歌舞伎町、大阪ミナミ、福岡・警固公園などの現場取材から、困難を抱える若者と中小規模の支援団体が直面する課題を整理

株式会社Ridilover(本社:東京都文京区、代表:安部敏樹)は、社会課題に特化したWebメディア「リディラバジャーナル」にて、構造化特集「歓楽街の若者支援——奮闘する現場と、支援を阻む構造」全8回を順次公開します。
本特集では、歌舞伎町、大阪ミナミ、福岡・警固公園などの歓楽街で活動する相談支援団体、行政関係者、元当事者らへの取材を実施。歓楽街には、遊びや仕事で訪れる人だけでなく、家庭や学校に居場所を失った若者も集まっています。取材からは、そうした若者の困難がさらに深まる構造と、最前線で向き合う中小規模の支援団体・相談員が抱える構造的な課題が見えてきました。
取材・調査から見えてきた背景と課題
1. 歓楽街には、居場所を失った若者を惹きつける力がある
遊びや仕事を目的にさまざまな人が訪れる歓楽街。家庭や学校に居場所を見つけられない若者の一部にとって、「匿名性」「承認」「経済的機能」「SNS」などが、歓楽街へ足を運ぶ理由になっている。一方で、そこで生まれる人間関係の中には、性的搾取、闇バイト等、若者の困難につけ込む搾取につながるものもある。誰かの「居場所」であると同時に、困難をさらに深める場にもなり得る。その両面を捉える必要がある。
2. 困難を抱えた若者とつながることの難しさ
相談支援団体は、相談所の運営やアウトリーチ活動などを通じて、困難を抱えた若者との接点をつくっている。しかし、大人への不信感といった「心理的な壁」や、路上から困難を抱えた若者を見つけづらい「物理的な壁」などがあり、相談につながるまでにはさまざまな難しさがある。
3. 若者の困難は、犯罪に巻き込まれるまで見えないこともある
歓楽街で困難を抱える若者は、特殊詐欺や薬物の売買などに巻き込まれ、本人の意思だけでは抜け出しにくい状況に置かれることもある。その背景には、孤立や困窮、借金など、犯罪に関わる前から抱えていた困難が存在することがある。また今回の取材では、若年男性が抱える困難が見えづらく、支援の対象として捉えられにくいという課題も浮かび上がった。
4.相談員は、正解のない現場で若者に向き合っている
相談員が対応する若者の困難は多岐に渡る。住まいや金銭的・精神的問題、DVや虐待からの避難、就労支援。相談内容は複雑で長期化することもある。中小規模の支援団体では、限られた人員や資金の中で、直接支援だけでなく、アウトリーチや関係機関との調整、組織運営などを担っているケースもある。支援を続けるための負担が、個々の相談員に集中しやすい構造がある。
5. 「支える人」を支える仕組みが問われている
若者支援の現場では、相談者との距離感の管理、活動中の安全確保、組織ガバナンスの整備など、支援の質と安全性を守る仕組みが求められる。2025年には、歌舞伎町で相談支援を行う公益社団法人日本駆け込み寺の元事務局長が、相談者とされる女性と共に麻薬取締法違反の容疑で逮捕され、2026年3月に有罪判決を受けた。起きた事象は看過できるものではなく、被害を受けた当事者がいる以上、その責任は問われるべきである。そのうえで本特集では、この出来事を個人の資質だけに還元せず、相談支援団体が直面する構造的な困難を示す出来事として位置づけている。若者に必要な支援を届けるためには、相談員を孤立させず、支える人を支える仕組みを整えることが求められている。
特集の構成
第1章:歓楽街の中にある、当事者の困難を深刻化させる構造
第1回:なぜ居場所を失った若者は、歓楽街に惹きつけられるのか——匿名性と承認の引力
第2回:なぜ居場所を失った若者は、歓楽街に惹きつけられるのか——経済とSNSの引力
第3回:歓楽街に潜む闇が、若者の困難をさらに深める——搾取と自己破壊の「3つの罠」
第4回:歓楽街に潜む闇が、若者の困難をさらに深める——すぐそばにある犯罪リスク
第2章:当事者への支援を阻む構造
第5回 つながりを阻む「3つの見えない壁」
第6回 相談業務の苦悩——つながり続ける難しさ
第3章:相談支援を深める・広めることが難しい構造
第7回 支援者は今日も懸命に動いている——支援を広げ、深めることの難しさ
第4章:団体が安定的に支援を提供しづらい構造
第8回:団体が安定的に支援を提供しづらい構造——運営の課題
特別対談 「事件の後で」
リディラバジャーナル編集長の安部敏樹が、日本駆け込み寺の清水葵・元代表に、2025年の事件後の組織運営、相談者との距離感、依存を生む構造などについて聞きます。
特集トップページ
https://journal.ridilover.jp/topics/f5158fe351a0
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リディラバジャーナルとは
リディラバジャーナルは、社会課題に特化したサブスクリプション型のWebメディアです。社会問題の現場に足を運んできたリディラバの知見をもとに、ニュースの背景にある構造まで踏み込んで伝えることを目指しています。
構造化特集とは
社会問題は、複数の要因や立場が複雑に絡み合って生まれています。リディラバジャーナルの「構造化特集」は、ひとつの社会課題を複数本の記事で掘り下げ、問題の背景、関わる主体、解決の難しさや可能性までを整理して伝える連載企画です。
株式会社Ridiloverについて
リディラバは「社会の無関心の打破」を理念として、2009年に設立、後に法人化しました。現在は教育旅行事業、企業研修事業、メディア・コミュニティ事業の他、社会課題解決に向けた資源投入を行なう事業開発・政策立案事業も手掛けています。設立以来16年間、400種類以上の社会課題を各事業において扱ってきました。
<会社概要>
社名:株式会社Ridilover
設立:2013年
所在:東京都文京区本郷3-9-1 井口ビル2階
URL:https://ridilover.jp/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社Ridilover|リディラバジャーナル編集部
E-mail:info.com@ridilover.jp
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