武蔵野美術大学・株式会社都市テクノ共同研究発表記念セミナー「地域特化型クリエイティブカンパニー」という生き方 ─みずみずしい土着の創造─ のご案内

武蔵野美術大学(所在地:東京都小平市/学長:樺山祐和 以下、本学)と株式会社都市テクノ(所在地:東京都港区/代表取締役社長:島村智之 以下、都市テクノ)は、離島である熊本県天草市御所浦嵐口地区において、都市と地域が連携しながら、クリエイティブの力で新たな産業を興すための拠点づくりに関する共同研究を2025年5月から開始しました。
本共同研究では、嵐口地区の空き家(旧芦北屋商店)をリノベーションし、交流、創造、発信の拠点として活用する中で、人や事業を育て、地域内外の人と資源を生かした新しい経済を生み出し、縮退する社会の中でも持続可能な地域になるための方法、仕組みを解明していくことを目指します。また、本共同研究の開始に当たって、既に地域でクリエイティブの力を使った新たな産業創造や人材育成を行っている先駆者をお招きし、本共同研究の意義や可能性を広め、深掘りすることを目的とした記念セミナーを開催いたします。
本共同研究の背景と目的
地域の経済を支える一次産業の従事者の減少、少子化により、地域では、人口・経済の縮退が止まらず、生産力、自給率の低下を招いています。一次産業と土木産業などの限られた産業しか存在せず、多様な人材、有能な人材の就業を促す社会基盤がないため、地域の魅力に惹かれ、地域に移住したいと希望する者がいても、仕事も住む家もなく定住に繋がりません。空き家は無数に存在しますが、人に貸したり譲ったりできる状態になっておらず、家の片付け、貸すための不動産の整理、借り手との安心関係の創造、面倒な手続を代行するサービス等の確立が求められています。さらに、せっかく若い人が移住してきても、今の地域には人々が気軽に集まり、交流できるような場や機会が不足しているため、移住者が地元の人々に馴染めず、コミュニティにも参加できないという問題も生じています。
以上を踏まえ、本共同研究では、以下のような活動を通じて、縮退する社会の中でも地域を持続可能にするための仕組みを生み出すことを目指します。
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地域の衰退に歯止めをかけるための価値創造や情報発信機能を担うクリエイティブ産業の創出とクリエイティブ人材の呼び込み
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クリエイティブ産業を持続可能にするための支援の仕組みと、都市・企業との関係づくり
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移住者、定住者の住宅環境の整備と、空き家を移住者や若者が使えるようにするための事業づくり
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移住者と地元民との交流の場づくりと仕組みづくり
なお、本共同研究は、個が自由に主体的に生きながらも、他と調和し、力を合わせることで個と全体とが本領発揮できる生き生きとした社会である「自律協生社会(Convivial Society)」の実現に向けて、本学が株式会社日本総合研究所(所在地:東京都品川区/代表取締役社長:内川淳 以下、日本総研)と行ってきた共同研究から生まれたアイデアを実践に移す取組の一環でもあります。
記念セミナーの概要
地域に必要なクリエイティブ産業の創出を目指す本共同研究の開始に当たって、既に地域でクリエイティブの力を使った新たな産業創造や人材育成を行っている先駆者をお招きし、本共同研究の意義や可能性を広め、深掘りすることを目的とした記念セミナーを行います。なお、本セミナーは、様々なプレイヤーの自律協生に向けた取組みを紹介しながら、コンヴィヴィアルな組織・地域・社会のあり方を考えるために、本学と日本総研が毎月開催している誰でも参加可能なオープンな勉強会「Convivi Lab」の第29回(夏休み特番)として行います。
セミナー名:
第29回Convivi Lab〜夏休み特番〜「地域特化型クリエイティブカンパニーという生き方 ─ みずみずしい土着の創造」
開催日時:2025年8月5日(火)15:00〜17:00(終了後、17:00〜19:00 懇親会)
開催場所:武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス5F
主催 :武蔵野美術大学
共催 :株式会社日本総合研究所
参加費 :無料(懇親会参加費:一般2,000円、学生1,000円)
プログラム(予定)
15:00-
天草市御所浦における共同研究について
西崇弘(本学連携共創チーム)×島村智之氏(都市テクノ代表取締役社長)
15:10-
地域特化型クリエイティブとみずみずしい土着
井上岳一(日本総研)
15:20-16:10
地域特化型クリエイティブの実践例
・創造的な地域をつくる:新山直広氏(合同会社TSUGI代表)
・文化を起点に経済と環境を再生させる:時岡壮太氏(株式会社デキタ代表取締役)
・人が育つ地域をつくる:江澤藍莉氏(一般社団法人SOE RENEW事務局長)
16:10-16:55
登壇者によるクロストーク
モデレーター:
若杉浩一(本学クリエイティブイノベーション学科)×井上岳一(日本総研)
・地域特化型クリエイティブカンパニーを成立させるには
・大学や行政がすべきこと
・地域で活動したい若者たちに向けて
・御所浦プロジェクトへのアドバイス(熊本県天草市御所浦の拠点と中継)
16:55-17:00
トークを振り返って
若杉浩一(本学クリエイティブイノベーション学科)
17:00-19:00
懇親会
登壇者プロフィール
新山直広 Naohiro Niiyama
合同会社TSUGI代表/クリエイティブディレクター
1985年大阪府生まれ。京都精華大学デザイン学科建築分野卒業。2009年福井県鯖江市に移住。鯖江市役所を経て2015年にTSUGI LLC.を設立。「福井を創造的な地域にする」をビジョンに、地域に何が大切で何が必要かという問いに対して、リサーチとプランニングを繰り返しながら、これからの時代に向けた創造的な地域づくりを実践している。2022年に越前鯖江地域の観光まちづくりを行う一般社団法人SOEを設立。2023年にはこれからの地域とデザインを探究するLIVE DESIGN Schoolを開校するなど、近年ではものづくり・まちづくり・ひとづくりといった領域で活動している。グッドデザイン賞特別賞、国土交通省地域づくり表彰最高賞など受賞多数。2025年度グッドデザイン賞審査員。
時岡壮太 Sota Tokioka
株式会社デキタ代表取締役
2009年早稲田大学大学院修了(建築学専攻)
2011年に株式会社デキタを設立
築地場外市場や気仙沼市等での施設開発に携わったのち、2019年に福井県若狭町に会社を移転、自身も20年ぶりに若狭にUターンする。
現在、若狭町にある伝建地区「熊川宿」においてシェアオフィスや古民家ホテル「八百熊川」、複合アウトドア施設「山座熊川」等の開発・運営を行うとともに、若狭地方の公民連携まちづくりに携わっている。文化庁建築文化フェロー(2025〜)
江澤藍莉 Airi Ezawa
一般社団法人SOE RENEW事務局長
1998年東京生まれ。武蔵野美術大学大学院造形構想研究科修了。大学院時代に地域デザインを学び、RENEWをきっかけに福井に関わったことから、2023年福井県鯖江市移住。2024年からRENEW事務局長を務める。
株式会社都市テクノについて
東京本社の解体業を生業にする企業であるが、「解体から再生へ」と事業ビジョンを刷新しており、地域の再生、解体素材の再生(東大、武蔵美との再生コンクリートブロック開発)、解体という作業を地域の「コモン」にする「解体祭」の実施などのデザイン戦略で業績を伸ばしている。空き家問題は全国的問題であり、地域再生の始まりである。この動かない不動産を、社会の資産にする事、そしてその不動産を再生させる人材の創造は、会社の事業開発行為でもあり、この事業の未来は、株式会社都市テクノのブランディングに大きな価値を生み出し、事業の拡大と拡張を促す。2024年には天草市に企業版ふるさと納税を行っており、天草との関係性を構築している。この事業を要に、様々な企業との連携も視野に入れている。
本件に関するお問い合わせ先
武蔵野美術大学 ソーシャルクリエイティブ研究所 担当:小林
rcsc_info@musabi.ac.jp
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