女性管理職率向上に必要なのはKPIの背後にあるCEOの想いの伝達−パナソニック コネクト株式会社と明治大学加藤拓巳専任講師の共同研究成果がStrategic HR Reviewに掲載

学校法人明治大学

明治大学商学部の加藤拓巳専任講師とパナソニック コネクト株式会社による共同研究「Combination of KPIs and CEO's messages: Effective employee communication targeted at increasing the share of female managers」がStrategic HR Review (Emerald Publishing)に掲載されました。女性管理職率の向上は日本全体の大きな課題であるものの、その上昇幅はまだ乏しいのが現状です。人間は自分自身と類似する人々に親近感を保つため、年齢や性別など属性の多様性は対立を生みやすくなります。よって、その対立を緩和し、多様性の効果を組織が享受するには、その施策の目的に関する従業員の理解と共感が重要です。それを蔑ろにしたまま、数値目標が目立つと、一人一人が前に進める意識が弱まり、結果として女性管理職率が伸びません。そこで、本研究では、女性管理職率KPIに対するCEOの想いをインターナルコミュニケーションに添えることで、同社の従業員モチベーション向上に寄与することを示しました。

出典:Kadomura, A., Sekiguchi, A., Kato, T. (2025). Combination of KPIs and CEO's messages: Effective employee communication targeted at increasing the share of female managers. Strategic HR Review, 1-7, Emerald Publishing. https://doi.org/10.1108/SHR-11-2024-0087

本件のポイント

  1. 社会問題が日々深刻化する中、顧客価値と環境配慮はトレードオフの関係ではなく、両立するこ とが重大な経営課題となった。それを両立するためには、意思決定を司る組織の管理職に女性割合を増やすことが有効と考えられている。

  2. しかし、人間は自分自身と類似する人々に親近感を保つため、年齢や性別など属性の多様性は対立を生みやすい。よって、その対立を緩和し、多様性の効果を組織が享受するには、その施策の目的に関する従業員の理解と共感が重要である。それを蔑ろにしたまま、数値目標が目立つと、一人一人が前に進める意識が弱まり、結果として女性管理職率が伸びない。

  3. そこで、本研究は、「女性管理職を高めるKPIに、CEOのメッセージを添えることで、従業員の態度が向上するか?」というリサーチクエスチョンをランダム化比較試験で検証した。その結果、KPIを提示するだけでは従業員態度に正の影響を与えるのは難しく、CEOメッセージを一緒に伝達することが望ましいことが明らかになった。

  4. 企業の経営者は、KPIを組織に伝える際に、ナラティブストラテジーを採用すべきである。本研究で示したとおり、CEOの言葉を添えることで、その数字の背景にある真意が伝わり、共感を得て、従業員態度に良い影響を与える可能性がある。

この記事に関連するページ

加藤拓巳専任講師ホームページ

https://takumi-kato.com/

加藤拓巳専任講師の研究紹介記事「マーケティングとは、販売を不要にする価値づくり」(Meiji.net)

https://www.meiji.net/business/vol429_takumi-kato

受験生のための学部選択ガイド Step into 商学部

https://www.meiji.ac.jp/stepinto/shogaku/                        

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本社所在地
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代表者名
上野 正雄
上場
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資本金
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設立
1881年01月