「SAVE JAPAN プロジェクト」10年の足跡と今後の展開
2022年10月7日
損害保険ジャパン株式会社
「SAVE JAPAN プロジェクト」10年の足跡と今後の展開 ~ 企業とNPOの協働による日本の希少生物種の保全活動 ~
損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)は、2011年度から、認定特定非営利活動法人日本NPOセンター(代表理事:萩原 なつ子、以下、「日本NPOセンター」)、地域のNPO支援センターおよび環境NPOと協働で、市民参加型の生物多様性保全活動を行う「SAVE JAPAN プロジェクト」を全国で展開しています。これまでの取組みの10年を振り返り、「SAVE JAPAN プロジェクト」がどのような価値を生み出してきたのかをまとめた「10年の足跡」を作成しました。進化させていく「SAVE JAPAN プロジェクト」の今後の取組みと合わせて、お知らせいたします。
1.「SAVE JAPAN プロジェクト」の概要
保険のご加入時に、お客さまにWeb約款・Web証券を選択いただいた場合や自動車事故の修理時にリサイクル部品などを活用いただくことにより、削減できたコストの一部を活用して寄付を行い、日本NPOセンター、地域の市民活動を支援するNPO支援センター、環境NPOと協働で、市民参加型の生物多様性保全活動を行うプロジェクトです。
このプロジェクトは、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供するとともに、企業とNPOが市民の皆さまと協働で環境保全活動を実施することで「いきものが住みやすい環境づくり」を目指し、COP10による愛知目標が策定された翌年の2011年からスタートしました。
2.取組みの成果(社会への広がりとつながりの構築)
10年間の取組みを通じて、生物多様性保全に向けた様々な活動を全国で展開し、これまでに延べ299種の希少生物種の保全活動を行うと共に、その活動を通じて、参加者への普及啓発、環境団体の基盤強化、地域のネットワーク構築等、さまざまな価値創出につながっています。
(1)10年間の活動実績
・イベント開催数:873回
・イベント参加者数:46,894人
・保全対象の希少生物種:299種
・プロジェクトを実施した各地域の環境団体:延べ357団体
・環境団体の運営をサポートした地域の運営支援団体(NPO支援組織):延べ266団体
(2)参加者の意識変化(「10年の足跡」冊子P.15・17:参加者アンケートより)
・イベント参加により環境問題や環境保全活動に関心を持った:95.3%
・今後もまたこのようなイベントに参加したい:(大人)95.4%、(子ども)82.3%
(3)環境団体の基盤強化(「10年の足跡」冊子P.15・17:環境団体、運営支援団体アンケートより)
・プロジェクト以外の活動へも連携が広がった:48.7%
・イベントへの新規参加者が増えた:71.2%
・団体の会員が増加した:48.0%
・団体の新規スタッフが増加した:37.1%
・損保ジャパンや代理店との連携が組織運営能力の向上に役立った:76.4%
(4)WEB約款率の推移(自動車保険)
・59.5%(2011年) ⇒ 91.9%(2021年)
(5)主な受賞履歴
・第8回エコプロダクツ大賞 エコサービス部門 推進協議会会長賞(優秀賞)(2011.11)
・エコマークアワード2011 奨励賞(2012.2)
・国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) 連携事業認定(2012.9)
・生物多様性アクション大賞2013 審査委員賞(2013.10)
・平成27年度青少年の体験活動推進企業表彰 審査委員会奨励賞(2016.2)
3.社会価値の計測・可視化(SROI※1手法による分析)
SAVE JAPAN プロジェクトでは、2011年~2015年に実施した取組みについて、社会的価値を可視化するため、SROI(社会的投資収益率)手法を用いて、本プロジェクトの有効性・効率性を検証しました。
初年度であった2011年度は、初期投資期間でもあり、費用が社会的・事業的価値を上回る状況でしたが、2015年度には、費用の約2倍の社会的・事業価値を生み出す結果となり、本プロジェクトの有効性・効率性が実証される結果となりました。
【2011年度】SROI:0.46 ⇒ 【2015年度】SROI:2.0
※1 SROI(社会的投資収益率:Social Return On Investment)
事業への投資価値を、より広い価値の概念に基づき、評価、検証するフレームワーク。従来のままでは貨幣価値として捉えにくかった社会的価値についても「代理指標」を用いて貨幣価値化することで、社会的価値を含めた形での事業のパフォーマンスを把握することができる。
4.今後について
本年12月に開催されるCOP15に先立ち、2021年のG7サミットでは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向けた国際目標「30by30目標」が合意されました。国内でも新しい生物多様性国家戦略が動き出し、里地里山や企業の水源の森など民有地を「保護地域以外の生物多様性保全に貢献している場所」として環境省が認定する仕組みが計画されています。これまでにSAVEJAPANプロジェクトで取り組んできた生物多様性保全の活動やフィールドは、まさにこれらの方向性と合致するものであり、今後も各地域における環境・生物多様性保全活動を積極的に展開していきます。
また、2022年度からは、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR※2)の概念も取り入れていきます。干潟の保全活動やいきもの観察会(大分県・中津干潟)、棚田の保全活動(和歌山県・紀美野町)等、生態系の保全や活用が地域の防災・減災にもつながること普及啓発していくプログラムも実施し、いきものが住みやすい環境づくりとともに災害に強い地域社会づくりに取り組んでいきます。
※2 Eco-DRR(生態系を活用した防災・減災:Ecosystem-based Disaster Risk Reduction)
自然の力を防災や減災に活用する考え方。生態系の管理・保全や再生により生態系を利活用することで、自然災害リスクを軽減し、災害に強い地域社会をつくっていくことを目指すもの。
「SAVE JAPAN プロジェクト10年の足跡」は下記リンクから閲覧が可能です。
https://www.jnpoc.ne.jp/?p=25202
以上
損害保険ジャパン株式会社
「SAVE JAPAN プロジェクト」10年の足跡と今後の展開 ~ 企業とNPOの協働による日本の希少生物種の保全活動 ~
損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)は、2011年度から、認定特定非営利活動法人日本NPOセンター(代表理事:萩原 なつ子、以下、「日本NPOセンター」)、地域のNPO支援センターおよび環境NPOと協働で、市民参加型の生物多様性保全活動を行う「SAVE JAPAN プロジェクト」を全国で展開しています。これまでの取組みの10年を振り返り、「SAVE JAPAN プロジェクト」がどのような価値を生み出してきたのかをまとめた「10年の足跡」を作成しました。進化させていく「SAVE JAPAN プロジェクト」の今後の取組みと合わせて、お知らせいたします。
1.「SAVE JAPAN プロジェクト」の概要
保険のご加入時に、お客さまにWeb約款・Web証券を選択いただいた場合や自動車事故の修理時にリサイクル部品などを活用いただくことにより、削減できたコストの一部を活用して寄付を行い、日本NPOセンター、地域の市民活動を支援するNPO支援センター、環境NPOと協働で、市民参加型の生物多様性保全活動を行うプロジェクトです。
このプロジェクトは、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供するとともに、企業とNPOが市民の皆さまと協働で環境保全活動を実施することで「いきものが住みやすい環境づくり」を目指し、COP10による愛知目標が策定された翌年の2011年からスタートしました。
2.取組みの成果(社会への広がりとつながりの構築)
10年間の取組みを通じて、生物多様性保全に向けた様々な活動を全国で展開し、これまでに延べ299種の希少生物種の保全活動を行うと共に、その活動を通じて、参加者への普及啓発、環境団体の基盤強化、地域のネットワーク構築等、さまざまな価値創出につながっています。
(1)10年間の活動実績
・イベント開催数:873回
・イベント参加者数:46,894人
・保全対象の希少生物種:299種
・プロジェクトを実施した各地域の環境団体:延べ357団体
・環境団体の運営をサポートした地域の運営支援団体(NPO支援組織):延べ266団体
(2)参加者の意識変化(「10年の足跡」冊子P.15・17:参加者アンケートより)
・イベント参加により環境問題や環境保全活動に関心を持った:95.3%
・今後もまたこのようなイベントに参加したい:(大人)95.4%、(子ども)82.3%
(3)環境団体の基盤強化(「10年の足跡」冊子P.15・17:環境団体、運営支援団体アンケートより)
・プロジェクト以外の活動へも連携が広がった:48.7%
・イベントへの新規参加者が増えた:71.2%
・団体の会員が増加した:48.0%
・団体の新規スタッフが増加した:37.1%
・損保ジャパンや代理店との連携が組織運営能力の向上に役立った:76.4%
(4)WEB約款率の推移(自動車保険)
・59.5%(2011年) ⇒ 91.9%(2021年)
(5)主な受賞履歴
・第8回エコプロダクツ大賞 エコサービス部門 推進協議会会長賞(優秀賞)(2011.11)
・エコマークアワード2011 奨励賞(2012.2)
・国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) 連携事業認定(2012.9)
・生物多様性アクション大賞2013 審査委員賞(2013.10)
・平成27年度青少年の体験活動推進企業表彰 審査委員会奨励賞(2016.2)
3.社会価値の計測・可視化(SROI※1手法による分析)
SAVE JAPAN プロジェクトでは、2011年~2015年に実施した取組みについて、社会的価値を可視化するため、SROI(社会的投資収益率)手法を用いて、本プロジェクトの有効性・効率性を検証しました。
初年度であった2011年度は、初期投資期間でもあり、費用が社会的・事業的価値を上回る状況でしたが、2015年度には、費用の約2倍の社会的・事業価値を生み出す結果となり、本プロジェクトの有効性・効率性が実証される結果となりました。
【2011年度】SROI:0.46 ⇒ 【2015年度】SROI:2.0
※1 SROI(社会的投資収益率:Social Return On Investment)
事業への投資価値を、より広い価値の概念に基づき、評価、検証するフレームワーク。従来のままでは貨幣価値として捉えにくかった社会的価値についても「代理指標」を用いて貨幣価値化することで、社会的価値を含めた形での事業のパフォーマンスを把握することができる。
4.今後について
本年12月に開催されるCOP15に先立ち、2021年のG7サミットでは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向けた国際目標「30by30目標」が合意されました。国内でも新しい生物多様性国家戦略が動き出し、里地里山や企業の水源の森など民有地を「保護地域以外の生物多様性保全に貢献している場所」として環境省が認定する仕組みが計画されています。これまでにSAVEJAPANプロジェクトで取り組んできた生物多様性保全の活動やフィールドは、まさにこれらの方向性と合致するものであり、今後も各地域における環境・生物多様性保全活動を積極的に展開していきます。
また、2022年度からは、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR※2)の概念も取り入れていきます。干潟の保全活動やいきもの観察会(大分県・中津干潟)、棚田の保全活動(和歌山県・紀美野町)等、生態系の保全や活用が地域の防災・減災にもつながること普及啓発していくプログラムも実施し、いきものが住みやすい環境づくりとともに災害に強い地域社会づくりに取り組んでいきます。
※2 Eco-DRR(生態系を活用した防災・減災:Ecosystem-based Disaster Risk Reduction)
自然の力を防災や減災に活用する考え方。生態系の管理・保全や再生により生態系を利活用することで、自然災害リスクを軽減し、災害に強い地域社会をつくっていくことを目指すもの。
「SAVE JAPAN プロジェクト10年の足跡」は下記リンクから閲覧が可能です。
https://www.jnpoc.ne.jp/?p=25202
以上
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