【6月20日は世界難民の日】新型コロナのワクチン接種から取り残される難民たち
~国際NGOワールド・ビジョンが報告書を発表~
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、6月20日の世界難民の日に先駆けて、報告書『High Risk- Low Priority』を発表しました。それによると、難民や国内避難民は、新型コロナウイルス感染症に感染するリスクが高い環境での生活を強いられているにもかかわらず、ワクチン接種の優先順位が最も低いことが分かりました。
- ワールド・ビジョンが調査した1,914人のうち、新型コロナのワクチンを接種したことがあるのは1人でした。
- 入手可能な全ワクチンの84%が最も豊かな国で接種されており、低所得国ではわずか0.1%しか接種が進んでいません。
- 難民の多くは低所得国に住んでおり、その国で実施されるワクチン接種計画から取り残されています。
紛争が続く中央アフリカから逃れてきた少女(手前)とその家族(コンゴ民主共和国)
ワールド・ビジョン総裁/最高責任者、アンドリュー・モーリーはこう述べます。「新型コロナによって最も影響を受けている人々が、ワクチン接種から最も遠いところに置かれていることに、道義的な憤りを感じます」
高所得国は、低所得国の25倍の速さで国民にワクチンを届けており、自国の最も弱い立場にある人々を保護しています。ワールド・ビジョンは、世界で最もぜい弱な立場にある人々に対しても、同じような保護を今こそ確保しなければならないと訴えます。
政情不安や食料不足が深刻なベネズエラから逃れる人々。新型コロナによる近隣諸国の国境封鎖のため、待機を余儀なくされています
ワールド・ビジョンは、ブラジル、コロンビア、コンゴ民主共和国、ヨルダン、ペルー、トルコ、ウガンダ、ベネズエラで調査を行いました。その結果、
・調査対象の1,914人のうち、新型コロナのワクチンを接種したことはあるのは1人でした。
・68%の人が地域でのワクチン接種の計画を聞いたことがないと回答しました。ほぼ半数(47%)が自分には接種の資格がないと考えているか、資格があることを知りませんでした。
・パンデミックが始まって以来、調査対象者たちは、外国人に対する嫌悪やヘイトスピーチ、身体的・感情的な攻撃を受けてきました。
・72%が収入が減った、40%が仕事を失ったと答え、77%が食料のニーズを満たすことができないと答えました。
シリア難民が暮らすアズラック難民キャンプ(ヨルダン)
190カ国以上が参加するCOVAX(ワクチンを平等に分配するための国際的な取り組み)では、最もぜい弱でリスクの高い人々のうち少なくとも20%に対して、2021年末までに20億回分のワクチン接種を行うことを約束しています。しかしながら、資金不足とスケジュール遅延の両方の問題を抱えています。
「世界の子どもたちは世界のリーダーたちが行動することを期待しています。私たちの調査は、危機がおよぶ真の範囲を示しています。このパンデミックは、世界の隅々に至るまで解決されない限り、終わることはないのです」
■ワールド・ビジョンとは
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳細はこちら: https://www.worldvision.jp
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