9月19日参議院本会議での安全保障関連法案採決に強く抗議し、撤回を求めます【生活クラブ生協・東京】
それにも関わらず、9月19日の参議院本会議にて安全保障関連法案が可決・成立されてしまいました。生活クラブ生協東京理事会では、今回の法案成立は、民主主義や立憲主義を崩壊させ、これまで掲げてきた平和主義を転換するものとして大きな問題があるとし、法案の成立に抗議し廃案を求める声明文を発表しました。
2015年9月19日参議院本会議は、戦争法案以外の何ものでもない安全保障関連法案を可決し成立させました。私たち生活クラブ生協・東京理事会は、この採決に強く抗議し撤回を求めます。
2015年9月25日
生活クラブ生活協同組合・東京 理事会
国民の半数以上が反対し、7割近くが今の国会で成立させるべきではないと表明しているなかで、なぜ強行採決が必要だったのでしょうか。
また、集団的自衛権の行使は、歴代の政権(自民党政権)が憲法違反と言明してきたものです。時の政権によって「憲法」解釈が変えられることが認められてしまえば、「法治」を旨とする民主主義国家ではなくなり、立憲主義が崩壊してしまうことを意味します。
憲法99条は、国会議員や内閣は憲法を尊重し遵守する義務があることを明確にしています。ほとんどの憲法学者や内閣法制局長官経験者、最高裁判所元長官までもが「違憲」だと表明している集団的自衛権の行使を可能にする法律を、強行採決することを、暴挙といわずになんと表すことができるでしょうか。
また国際情勢の変化、特に東アジアにおける不安定要素の拡大に対する対応が、軍事力や軍事的な同盟の強化ということに力点がおかれていることに強い懸念をもちます。冷戦時代に逆戻りしたように「仮想敵」をつくり、それを声高に叫び、人々の危機感をあおることが、国内での偏狭なナショナリズムを助長し排外主義を生みだすことに繋がっています。敵ではなく味方をつくりだしていくために、対話を積み重ねていくことに多くの力を注ぐことが平和主義を掲げてきたこの国のあり方なのだと確信します。
生活クラブ生協は、生活と地域の自治を掲げ、50年間活動を続けてきました。生活材の共同購入を通じて生産者と消費者が確実に繋がりあい、お互いの生活と地域をつくりあげていこうとする実践は、民主主義をつくりだす主権者たるこの国の市民のあり方を示していると確信しております。
連日国会前につめかけ抗議の声をあげた人々、そして全国各地で抗議の声をあげた人々の行動は、この国の中で民主主義の運動が生まれ続けていることを実感させてくれました。今後この運動が深く生活の中に息づいていくものと確信します。私たちの希望です。
生活クラブ生協・東京は、立憲主義、平和主義そして国民主権をないがしろにした安全保障関連法案の成立に抗議し撤回を求めます。
以上