【レバノンの大規模爆発から1年】経済崩壊が進む中、人々は生き延びるために闘っています
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、レバノンで発生した大規模爆発から8月4日で1年を迎えるにあたり、悪化する経済状況によって貧困層が大幅に増加し、同国の子どもたちの人道危機が深刻化していることを警告します。
2020年8月4日の爆発によって、207人が死亡、約30万人が家を失いました。ワールド・ビジョンは、地域のコミュニティと協力し、家屋600棟以上と学校10校を修繕し、4,700人の子どもたちや保護者を対象にした心理社会的支援を提供しました。
しかし今、ハイパーインフレをもたらし、家計の貯蓄を崩壊させ、食料・燃料・医療・電力等の不足を引き起こし、何百万人もの人々を苦しめている経済危機の影響は、それ自体甚大であった爆発による緊急事態よりはるかに巨大なものです。レバノンの人口680万人の約15%にあたる100万人の子どもたちが、今、困窮しています。
経済危機は様々な要因によって引き起こされましたが、首都の大部分を破壊した8月4日の爆発は、その危機を加速させました。レバノンは現在、政治危機、街頭デモ、そして、企業を倒産に追い込み専門家等の頭脳流出を誘発した新型コロナウイス感染症大流行への対応等によって大きく揺すぶられています。
国連の推計によると、支援を必要としている約150万人のレバノン人とレバノンで働く移民労働者約40万人に支援を届けるためには、約3億米ドルが必要です。しかし、レバノンの人口680万人の約半分が、貧困の状況にあると考えられています。さらにレバノンは、100万人以上のシリア難民と27万人以上のパレスチナ難民を受け入れており、人口1人当たりの難民受け入れ数は世界一です。
「レバノンが直面している人道危機は、極めて憂慮すべきもので、悪化の一途をたどっています。家族は、仕事やビジネスといった生計手段を失いつつあります。ハイパーインフレによって貯蓄も価値を失い、緊迫した雰囲気が街中を覆う中で宗派の対立が拡大する恐れもあります」と、ワールド・ビジョン・レバノンの事務局長、ハンス・べダースキーは言います。「私が非常に心配しているのは、空腹にさいなまれ、混乱やデモを目の当たりにし、パンデミックによって学校が閉鎖されている子どもたちです」
べダースキーは続けます。「爆発によって影響を受けた人々のほぼ半数にあたる15万人のニーズを満たすため、レバノンの人々は、信じられないほどの回復力とコミュニティの協力を示してくれています。家屋や学校の修復のほかにも、私たちのチームは公共スペースの修復に取り組み、数十の零細企業を支援し、1,200世帯に現金を給付し、何千もの食料セットや衛キットを配布しました」
ワールド・ビジョンは、レバノン全土で、生計向上に焦点を当てた長期的な支援プログラムを実施しています。この活動を通じて、89万人以上のレバノン人とシリア難民を支援しています。このうち、490,561人が子どもです。
■ワールド・ビジョンとは
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。
詳細はこちら: https://www.worldvision.jp
ワールド・ビジョンは、1975年のレバノンでの内戦開始以来、同国で活動しています。開発援助、緊急支援、アドボカシーを通じて、レバノンの子どもたちや人々、そして難民コミュニティを支援し続けています。
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